動画を投稿したらしい
作者は暑さでやられたり、奥歯折れたりしてました。
読者様も気を付けてください。
「皆さんこんにちは。今日からゲーム実況などをしていきます、松本クローバーです。よろしくお願いします!」
画面の中の俺によく似たキャラがにっこりと笑う。
「さて、それでは早速、簡単な自己紹介からはじめたいと思います。まず、俺の名前は松本クローバーって言います!気軽にクローバー君でもクロ君とでも呼んでね!」
ウインクをしてみたら、画面のキャラもきちんとウインクをした。
現代の技術って凄いなって思った。
「性別は男、年齢は秘密で、特技は…料理かな?まあ、自己紹介はここらで終わりにして、早速ゲーム始めるね!」
長々と自己紹介をする必要も無いかと思い、早速ゲームを始めた。
しばらくしてゲームを終え、区切りの良いところで終わらせた。
「ふぅー、録画完了。後はサムネ?だっけ、それと短いオープニングとエンディング作ればいいかなぁ?」
最初から生放送したら黒歴史にでもなりかねないので、しゃべりつつゲームをしてそれを録画した。
後は編集したりと色々手間のかかることをするだけだ。
パソコンは前の世界から弄ってきたので、そこそこ出来る。
分からないことは調べつつ、時間はかかるが何とか動画を作ることが出来そうだ。
「お疲れ様、お兄ちゃん。お兄ちゃんはやっぱり声だけでもかっこいいね!ゲームの事は詳しくないけど、何だか楽しかったよ!」
「ありがとな、芽亜」
可愛らしい妹の頭を撫でた。
妹は動画の取り始めから最後まで近くで見守ってくれていた。
ゲームに集中していたので、どんな反応をしていたのかは分からないが、楽しんでくれたみたいでよかった。
妹の前だし、沢山の人に見られるだろうから、言葉使いも気を付けた。
だが、言葉使いを気を付けているとその反感からか、途中どうしても下ネタを言いたくなってしまった。
たまに汚い言葉を言いたくなるあの感じだ。
前の世界では男友達との間で下ネタを沢山言い合ったり、下品な話を出来たのだが、この世界ではそんな事が出来ない。
しかし、出来ないとなるとやりたくなってしまう。
そもそも男友達いないし、前の世界の下ネタが通用するものとしないものがあるから難しいのだが…。
葛藤があった。
まあ、結論からいうと下ネタは言わなかったけどね。
だが、休日に飲みにいってバカみたいな話を延々と男同士で言う、そんな時間を思いだして少しだけ寂しくなってしまった。
「…男友達も欲しいなぁ」
脱線してそんな事を考えていたら、思わず口に出してしまっていた。
「そうなの?お兄ちゃん」
「ん?…ああ、ちょっと思っただけだよ。まあ、これからの動画活動で男友達でも出来たらって少し…ね」
クラスに男子はいないので、そういうのもありかなって思った。
「良いと思うよ!お兄ちゃん。同性の友達、お兄ちゃんには居ないしね!」
妹の言葉が少し心に刺さった。
「やっぱり芽亜もそう思うか」
「うん!…あっ、でも気を付けてね」
「んっ?何が?」
妹が何故か心配そうな顔で俺を見てきた。
「な、何がって…その…。…ううっ………お、お尻…とか?」
…………っ!?
寒気がした。
同時にお尻がキュッと締まった。
完全に忘れていたがこの世界の男性の50%、つまり半分は同性愛者なのだ。
男友達が出来たとしても2分の1で…。
「…や、やっぱり男友達は要らないかな!芽亜との時間減っちゃうし、恋人達も要るしね!…うん、やっぱり要らない!」
「そ、そうだよね!お兄ちゃんは芽亜がいれば充分だよねっ!」
男には気を付けたい。
処女を奪っても俺の処女だけは守りきる。
そう心に決めた。
ー
動画を作り上げ、妹に確認してもらいネットに上げた。
妹には大絶賛されたが、男というブランドが何処まで影響するのか、はたまた素人が作った動画がどう評価されるか楽しみだ。
まあ、結果は明日にでも見るとしよう。
「…さて、やりたいこともやったしゴロゴロしようかな」
「お疲れ様、お兄ちゃん。私も一緒にゴロゴロするね!」
「んっ、いいね」
頑張った後は休むことが大切だ。
妹と俺の自室に移動して、ベットに寝そべりながらスマホをいじったり、会話をしたりしてだらけた。
俺の腕を枕にするのが好きな妹は、終始ご満悦だった。
勿論、俺も可愛らしい妹の存在に癒されていた。
いつも通り平和で心が安らぐ午後だった。
ー 翌日
疲れが溜まっていない俺は、朝6時に目が覚めた。
二度寝しようか迷ったが、すっきりとした目覚めだったので素直に起床した。
俺に抱き付いている妹をそっと剥がし、お腹だけ毛布をかけ部屋を出た。
着替えてから朝ごはんを後回しにして、早速昨日ネットに上げた動画を確認した。
「……おおっ!まじか。…流石は男に飢えたこの世界だな」
一晩で再生回数は50万を超え、その動画のコメントは2万件を超えていた。
チャンネル登録者数は30万人を超えていた。
間違いなくこれは動画の質は関係なくて、男が投稿したからという理由では無いだろうか。
急上昇ランキング三位に載っていた。
「コメント見よっと」
動画の下にコメントを残せる所があり、そのコメントは誰でも見ることが出来る。
前の世界のユーチュー○とほぼ変わらない。
パソコンの画面をスクロールしていき、片っ端から読んだ。
『メチャメチャカッコいいし、面白かったです!』
『カッコいいし声も素敵で次回も待ってます!』
『なんだか可愛いし、ファンになりました。次のゲーム期待!』
『この声質から特定すると、まだ高校生で間違いありませんね』
『ヤらせて。コメント返信待ってます』
ふむふむ…なるほど。
なかなかに好感を持ってくれた人が多い様なので良かった。
それにしてもコメントには人の性格もよく出てると思った。
声だけで高校生と特定してくる猛者がいるが、年齢がバレるくらいは大目に見るとしよう。
松本クローバーの中身について、遠慮なしに考察が飛び交っていて正直怖かった。
だが、それよりもセクハラコメントの方が気になった。
酷いくらいにそういったコメントが多く、この世界の女性にもう少し慎みをもって欲しいと思った。
「おっ!改善点を言ってくれてる人がいる」
そんなコメントの中、ごく僅かに『動画をもう少しこうしたらどうでしょう?』という意見を書いてくれる人もいた。
嬉しいことだ。
なのでそういったコメントや、応援コメントには出来るだけ返信をしておいた。
感謝の気持ちを込めて。
まあ、前の世界で好きな配信者からコメント返信来たときは嬉しかったからね。
俺がされて嬉しかった事は、この世界でもやっていこう。
「…さて、返信はもうこのくらいでいいかな?次の動画でも撮るか」
返信を終えた後、一時間ほどゲームの実況を録画した。
時刻を確認すると、まだ朝の8時だった。
早起きで得した気分だ。
「お兄ちゃん、終わった?」
「うおっ!?芽亜、いつの間に」
動画を取り終えて伸びをしていたら、いつの間にか後ろに立っていた妹に声をかけられ驚いた。
「今さっき起きてね、お兄ちゃんがいなかったから探してた」
「ああっ、ごめんね。早く起きちゃって寝れなかったからさ。もう終わったから」
妹が少し寂しそうだったので謝った。
ついでに抱っこして抱き締めた。
幼い女の子のいい匂いがした。
朝だからちょっとだけムラムラした。
「んんっ、くすぐったいよ、お兄ちゃん。」
「ははっ、ごめんごめん。…芽亜は朝ごはんまだだよね?」
「うん、そうだよー。お兄ちゃんは食べたの?」
「ううん、まだ。一緒に作ろっか!」
妹を抱き抱えてキッチンまで移動し、朝から仲良くご飯を作った。
一緒にご飯を食べ、一緒に片付け、一緒にゴロゴロした。
「おーにぃーちゃん!…えへへっ!」
起きた時に隣に俺がいなかったせいか、妹はいつもよりも甘えてきた。
(芽亜はブラコンだなぁ)
ソファーに俺が寝そべれば上に乗って来て、本を取りに行こうと立ち上がれば腕に抱き付いてきた。
シスコンの俺が言うのもあれだが、妹はブラコンだと思った。
肉体的に少し苦しかったり、歩き辛かったりした。
だが、にぱぁっと笑う可愛い妹を見ていたら、そんな些細なことはどうでもよくなった。
「お兄ちゃん、今日は芽亜とお買い物行こー!」
「うん、いいよ!特に予定もないしね」
「やったぁ!えへへっ!ありがと、お兄ちゃん」
本当は動画編集したり、恋人達とのやり取りをしたいのだが…。
まあ、後回しでいいか!
ニコニコしている妹の顔を見て幸せな気持ちになった。
明日から数日、恋人達とのデートの予定があるので、今日は妹が満足するまで存分に付き合う事にした。
次回は愛奈とのデート。
小さい身体…無垢…合法ロリ。
大好物ですね
如月クローバー←訂正
松本クローバーです。
指摘頂きありがとうございます。




