表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/90

初日を乗り越えたらしい

ー お昼休み ー


俺はクラスの女の子+他のクラスの男女+他の学年の女の子に囲まれていた。

俺の事が何やら話題になっているらしい。


「松本くんってどこら辺に住んでるの?」

「好きな料理とか…教えてほしい…かな」

「ねー、彼女とかいるのー?」


怒濤の質問責めを受けている。

一応答えれる事は答えるが…。


ここまで注目されると困惑してしまうし、なんせ周りの女の子がハイレベルで可愛いせいで緊張してしまう。


心は大人だからな、俺。

女子高生に囲まれたらちょっと…。

あとちょいちょい見える男達よ、下心見えてて怖いぞ。

俺はノーマルイチャラブ至上主義だから遠慮してくれ。

まあ、女性に見える男の娘とかいたら分からんけど…ね。


俺がスラスラ返答する事が嬉しいのか、男と話せる事が嬉しいのか質問攻めは激しくなる一方で、我が強い女の子が迫ってきたりと大変だった。


「み、皆、ちょっと落ち着いて…。いっぺんに聞かれても答えられないって…。ちゃんと質問は順番で聞くから待って」


さすがに疲れてしまった。


混み合った教室内の中で、その原因となった俺が対処に困っていると、通りかかった先生に助けて貰い何とかなった。


「こらこら!皆さん!!松本君が困ってますよ!そんなんじゃ、嫌われてしまいますよ!」

「「…!!?」」

「さあ、散った散った!迷惑も考えなさい!!いい女っていうのはね、押し引きが大切なのよ」


この先生の言葉でかなり人数が減り、順番に質問や会話をしに来てくれるようになった。


いやー、先生流石ですね、助かりました!ありがとう!

お礼におっぱい揉みますよ!…なんてね。


5分ほど順番を守った子達と話していたが、結局はすぐにまた囲まれ始めてしまった。


「ごめんね、皆。質問は嬉しいんだけど…まだ学校に慣れてなくて…。少し疲れちゃったから休ませて欲しい…かな」


なので遠回しに「もう帰ってほしい」言ったら皆は空気を読んで散っていった。

まあ、お昼休みももうすぐ終わるからね。

俺と話す順番で争ってた女の子達もいたが、慌てて帰っていった。


明日から学校に通うから、そんなに焦らなくても…。

俺、男ってだけで有名人でも何でもない一般人だし…ね。


ふぅ、と一息ついた。


俺の席から人が散り、混雑に巻き込まれないと離れていた隣の席の女の子…早香さんが席に戻ってきた。

…そう、隣の席にはなんと今朝出会った早香さんがいるのだ!


今朝、先生に「早香さんの隣でお願いします!」と言ったためだ。

その発言の後、早香さんはクラスの女子から、ものすごい嫉妬の目線を受けていたので少し申し訳なくなったけどね。


俺の席は最後尾の窓際で、左に窓があり前に長い黒髪の女の子、右に早香さん、後ろには誰もいない。


俺が人に囲まれたら窓から飛び降りて逃げるしかないが、クラスメートは黒板側に寄って人混みから逃げれるような、最適ポジションの席に結果的になっていた。

良かった良かった…。


「た、大変だったね、修史くん。やっぱり凄い人気になっちゃったね」

「…俺は一般人なのにね」

「えっ!?いやそうとは思わないけど…」


……。

…一般人だよ。そんなに人気になっても困るって思っちゃってる時点で俺は一般人だよ。



「…それにしても今朝はごめんね、早香さん。知っている人が早香さんしかいなかったから、甘えちゃった!」

「いい、いいの!むしろ大歓迎だから。…よかった!夢じゃなかったんだ!」

「ん?夢ってどういうこと!」

「な、何でもないよ!」


気になると思っていると、たまたま目が合った早香さんの前の席の女の子が教えてくれた。


少し長めの茶髪でピアスを空けていて、キレ目のパッと見はギャルに近い印象の子だ。


だけど、怖くなくて顔がとても優しそうだ。

穏やかなギャルなんて存在するのだろうか?

珍しいタイプの女の子だな。可愛い。


身長は150センチ中盤くらいかな。

早香さんよりも背が低くて全体的に体がスラッとしている。

あ、ついでに胸もスラッとしている。


はっはっは。なかなか接し安そうな人だ。


「ん、教えてあげるよ、修史くん。実は早香ね、教室に着いた瞬間、皆に超かっこいい男の子を自転車に乗せて学校まで来たって騒ぎ出してね。」

「だ、だめだって天音あまね~!」


早香さんはあたふたした。


「勿論、そんな事は誰も信じなくて夢でも見たんだろうってことで相手しなかったの。でも、あまりに早香がしつこいから、一回寝てろ!って皆に言われてね。早香ふてくされて寝ちゃったの」

「あ、それで俺が紹介されてたときに寝てたのか」


ははっ!そんな事があったのか。

面白いし、可愛いじゃないか早香さん。


「なるほど、よくわかったよ、ありがと天音さん」

「んっ!何か分からないことあったら頼ってね。まあ、早香がかまって欲しそうだったから何事も早香優先でね!」

「ちょっと!天音何言って」

「分かったよ!」

「松本くん!?」


他愛もない会話でお昼休みは終わり、後は授業をこなして放課後になった。


授業は大学卒業の俺には少し退屈(ドヤ顔)だったが、どうせなら学年で上位成績を残したいので頑張った。

懐かしすぎて忘れてるところもあったしね。


多少授業は面倒だったが、同時に女子高生のブラ透けを無料で見つづけられる時間でもあったので良かったと思う。


…まあ、ただ授業中も後ろの席なのにチラチラと目が合う女の子が多く、視線が気になったのは内緒だ。

ブラ透け見つめてたの指摘されたりしたら泣く。


先生が黒板を向いた瞬間に一斉に俺を見てくるクラスメートの視線は少し怖かったりもした。


「「松本くん!部活のお誘いなんだけど!」」

「ごめん!放課後用事があるからすぐ帰らないとなんだ!」

「そ、そっか、ごめんね!」


俺の事が広まったらしく、かなり部活の勧誘を受けた。

何件目の勧誘を避けたか分からないが、今日は荷物をまとめて母親の家に行かないとだから忙しいのだ。


職員室で先生と初日がどうだっかのお話を軽くしたあと、スマホで妹に連絡を入れてアパートへ歩き出す。

すると、校門を出る前に女の子に囲まれた。


「君、家どこかな?お姉さんと…良いことしない?」

「修史くん…だよね?家に来ない?最高の思い…させてあげるよ!」

「ねえ、君、一年生かな?カラオケいかない?安心してカラオケ行くだけだからさ!」


…先輩達かな?

生まれて初めての逆ナンに感動を覚えつつも、妹の笑顔という優先することがあるのでやんわりと断りアパートに向かった。


お、俺はJKの誘いをちゃんと断ったぞぉ!

ちょっと嫌な予感したし。

…まあ、用事がなければ誘いに乗っていたのは間違いないけどね。



ー しばらくして、アパートに着いた。 ー


「あっ!お兄ちゃん、お帰りなさい!どうだった?学校」

「ああ、楽しかったよ!待たせてごめんね!」

「ううん、今来たところだから」


アパートの扉の前にちょこんと座っていた妹に申し訳無いと思いつつ、鍵をあけて、早速手伝ってもらった。


「お、お邪魔します」

「ん?芽亜なんかちょっと緊張してる?」

「し、してないって!お兄ちゃんの部屋に入るくらい…うう」


パンッと自分の顔を叩いてから、妹はしっかりとテキパキ俺の荷造りを手伝ってくれた。

衣類をまとめるとき、俺の下着を見て真っ赤になっていて可愛かったよ、はははっ!


俺の下着見たんだから、妹も俺に下着を見せるのが当然だよなぁ!?

…すみません、情緒不安定になりました。


だいたい荷物もまとめ終わり、やりきった感をだしている芽亜にお礼を言う。


「ありがとな!」

「えへへっ!お兄ちゃんの為だもん!」


泣けるくらい可愛い妹の頭を撫でつつ、頑張ってくれた事に感謝した。

妹は頭を撫でられるのが好きな様子で、恥ずかしそうにしながらも幸せそうないい顔をしていた。




準備が終了したので、アパートに鍵をかけて妹と二人で電車経由で家に向かう。


「お兄ちゃんはやっぱり目立つね」

「ん?そうかな?確かに視線は感じるけど。今日は服装もちゃんとしてるし…。ってかやっぱりってどういうこと?」

「はぁー。無自覚なんだね、お兄ちゃんは」

(もう!お兄ちゃんはかっこよすぎるんだから、マスクするなり顔を隠さないと!だいたい、服装ちゃんとしてるって言っておきながら第一ボタン空いてるし…)


何故か妹に呆れられてしまった。

いや、俺だって薄々感づいているよ、でも自分が貴重な男でしかもかっこいいから目立つなんて非現実なこと言えるわけ無いじゃないかぁ。


まあ、現実に起きてんだけどね。

ナルシストにならないためだよ、俺は典型的な日本人なんだから謙虚にいかないと!


そう思いつつ、妹の学校の様子とか聞いたり、妹の質問に答えたりしていると家に着いた。


「さ、早く中に入ろ、お兄ちゃん」

「で、でけぇ!なんじゃこりゃ!」


普通の一軒家じゃなくて、豪邸だった。

白くて綺麗で広い庭があって門があっていかにもお金持ちって雰囲気がしていた。


「お兄ちゃん、どうかしたの?」

「い、いや、大きい家だなーって思って」

「うん、芽亜もそう思うよ。まあ、お母さんお金持ちだからしょうがないよ」


俺は唖然として止まっていたが、早く入ろうよ!と妹に手を引かれて恐る恐る侵入する。

玄関先は、至るところにある装飾品がチカチカしていて落ち着かない。

…本当にこんなお家にお邪魔していいのだろうか?俺は庶民だぞ?


「お兄ちゃんは、こういう豪華なの苦手だったもんね。だから、アパートも服もお金かけないもんね」


あ、そういうことになってるんだ。

俺の昔の設定がどうなっているのかほとんど知らないが、庶民思考で通って来ているみたいだ。

それは都合がいい。

お金持ちになど、なったことは無いのだよ!


「どうしてもね。金銭感覚が一般的だから。…芽亜はどうなの?」

「も、勿論、お兄ちゃんと同じだよ!お母さんは金銭感覚狂ってるけど、芽亜はしっかりしているもん!」


一緒にしないで!とばかり怒ってきたので、ごめんごめんと誤った。

妹はいたって庶民思考のようだ。

「金銭感覚狂ってる」って娘に言われてるぞ、母さん!

…大丈夫か?


そんな風に妹の芽亜と話をしながら、俺の部屋に連れていって貰う。


「ここだよ!お兄ちゃん!」

「どれどれ…あー、よかった!部屋は普通だ」


この家を見た後だから、どんな部屋になっているか気になっていたが、部屋は至ってシンプルだった。

大理石のデーブル、キングサイズのベッドがあって、70インチほどのテレビがあって…。

うん、訂正する、普通ではなかった。

感覚が麻痺してたよ。


「あれ?クローゼットとかは?」

「それは隣の部屋だよ、お兄ちゃん」

「あ、そうなんだ…」


家具が少ないと思ったが、服は服専用の部屋、靴は靴専用の部屋などがあるらしく教えて貰った。

俺が覚えてない事を妹は不思議そうにしていた。

何はともあれ、お金持ちもとい、母親に対して少し引いてしまった。


「掃除とか、もしかして人雇ってるの?」

「そうだね、誰もいない時にやってくれているみたいだね」

「そ、そうなんだ。でもご飯は自分たちで用意するよね?」

「うん、お母さんが料理だけは家族に大切だから誰も雇わないって言ってたから、作らないとだよ」


ホッとした。

家族以外の人にご飯を作って貰って毎日食べるのは、庶民育ちの俺には居心地が悪いからね。

掃除は…まあ、いいか。


そんな環境の違いに疲れを覚えつつ、俺は今、妹とご飯を作っている。

本当は、妹が一人で作ると言ったが、手伝った方が早く終わるだろ?と説得して一緒に作っている。


「お、お兄ちゃん、料理出来たんだね」

「まあ、普通くらいだよ」

(うっ…お兄ちゃん、芽亜より手際がいい…。が、頑張らないと!)


妹は俺の手さばきに驚いていたが、一人暮らしの自炊生活で培った腕をなめてもらっては困る。

それにもし「妾は空腹なのじゃ!」とか言って突然美少女が現れたりしたら…作れないと困るからね。←そんな妄想のお陰で料理を覚えた


広いキッチンなので、スペースを無駄に使えるのでかなり楽だった。


「いただきます!」


ハンバーグやサラダ、味噌汁ご飯と一般的な夕食を妹と堪能しつつ、会話を弾ませてご馳走様をする。


「美味しかったよ、芽亜。ありがと!」

「ううん!お兄ちゃんのおかげだよ、こちらこそ、ありがと!」


食器を洗い終わり、二人ソファーでテレビを見ながらだらけた。


デレビ番組は女性ばかりで成り立っていたが、男性も活躍している人がいたので、素直によかった。

男性モデルとか金を持ってそうだ。

羨ましい。

だがテレビに出ている男性よりも自分の方がかっこいい気がする。←調子に乗りました


(男性もしっかり働く環境があるんだな。働かなくても男ってだけでお金は来そうだけど…。まあ、良かった良かった)


そんな事を思いつつテレビを見ていると、転入初日ということもあってか、疲れが回って来たのが分かった。


「流石に今日は疲れたなぁ。すぐにお風呂入って寝よ」


早めに休む必要がありそうだ。


「そ、それならさ、お兄ちゃん。い、一緒にお風呂はいろ?な、なーんて!」

「うん、いいよー。一緒に入るか!」

「……ふえっ?」


妹にお風呂に誘われたので、一緒に入ることにした。

三森天音「みもりあまね」

見た目は少しチャラそうだが、かなりのしっかりもので面倒見のいい女の子。妹が二人いる。早香の親友である。…ひんぬー。


そして壮絶な過去が……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ