雫さんの悩みを知ったらしい
本格的なおっぱい回はまだやりません。
ストーリーを進めたいので。
期待してた方、申し訳ない。
咄嗟に雫さんを庇い、倒れた。
バタンッ!と音が響いた。
「ぐはっ!」
「きゃあ!」
畳に背中が打ち付けられ、畳と雫さんに挟まれて圧迫された。
雫さんを後ろから抱き締める形で倒れたからだ。
(び、びっくりしたぁ。…フローリングじゃなくて良かったよ。畳だから衝撃が和らいだな。)
幸いにもそんなに痛くはなかった。
「…大丈夫?」
「は、はい。…ありがとう…ございます。」
俺は雫さんの耳元で囁いた。
俺の体の上で寝るような形になっている雫さんも、驚いただけで大丈夫そうだった。
(良かった、雫さんに怪我がなくて。…あ、何だか雫さんの重みが適度に気持ち良く感じるような。それに髪から良い匂いするし、抱き締めたまま、しばらく動きたく無いなぁ。)
雫さんの無事を喜びつつも、この偶然にも雫さんに密着出来ている状況を俺は喜んでいた。
直ぐに抱き締めている手の力を緩めて、雫さんを解放しないといけないのだが、幸せをもっと長く感じたい、勿体無いと感じた為にそのままの状態を維持した。
(……っ!!?)
少し無言の時間が出来た。
雫さんは何故かプルプルと少し震えながら、どんどん耳から赤くなっている。
(どうしたんだろ?あっ、俺に密着されて恥ずかしいのかな。嫌がっては…無いな!)
顔を覗き込んだが、嫌がる様子はなかった。
だが、雫さんは若干涙目になり、初めて見る表情になっていた。
……ん?
何だろう、この手のひらに感じる未知の感触は。
何かに包まれた巨大なマシュマロを揉んでいるような、フワフワしてプニプニして、それでいてハリのある…。
…モミモミッ!
「ふあぁっ!?そ、そこはっ!?だ、ダメです修史くん!!」
取り敢えず揉んでみたら、雫さんが甲高い声を上げたので驚いた。
そこで俺は気付いた。
倒れる時に俺は、後ろから雫さんを抱き締めつつ、おっぱいを鷲掴みにしていた事を。
「うぁっ!?ご、ごめん。」
咄嗟に手を放した…つもりだったが、両手が言うことを聞いてくれなかった。
俺の体が放したくないと叫びたがってるんだ!
モミモミモミッ!
「っ!?んんっ!」
俺は余計なモミモミをした。
雫さんは足をくねらせ、悶え始めた。
…これ以上やると、故意だとバレてしまうかもしれないので手を放した。
「ご、ごめん!わざとじゃ無いんだ!」←演技力最大
「…はぁはぁ。…大丈夫…です。分かって…ますから…。はぁ。」
俺は雫さんを軽く抱き締めながら、体を起こした。
そして上に乗っていた雫さんをずらして、膝枕をしてあげた。
息の荒くなっている雫さんが落ち着くまで、頭を撫でて待った。
ー
しばらくして、雫さんは落ち着きを取り戻した。
膝枕されている状況が、恥ずかしかったのか、直ぐに起きてしまった。
「す、すみません。修史くん。お恥ずかしい所をお見せして…。」
いやいや、それはありがとう。
恥ずかしい所をもっと見せて。←体の事じゃないよ
「そ、それと逆に庇って貰ってしまって…。お、男の子を護れない女の子なんて…その…嫌いに…なります…よね。」
…うん?雫さんの表情が一気に曇った。
何故か泣きそうになっている。
…訳が分からないよ。←キュウベイっぽく
「いやいやいや、雫さん何を言っているんだい?男は女の子を護る者じゃないか!俺が、雫さんを巻き込んでしまった事が、男として情けない事何だよ!だから、謝るのは俺の方なんだ、本当にごめん!」
雫さんに怪我が無かったから良かったが、倒れる場面では雫さんを巻き込むべきでは無かった。
…体幹を鍛えたり受け身を取れるように練習しておけば、一人で対処出来たのだ。
俺、トレーニングジムに通うと決意した。
俺が反省している時、雫さんは俺を見ながらキョトンとした表情を浮かべていた。
何か分からないことでもあったのだろうか?
「い、いえ修史くんが謝る必要はありません。…そ、それと修史くんは変わった考えの持ち主なんですね。…初めて知りました。」
うん?
変わった考え方?
何の事だろう。
「あれ?何かおかしいこと言った?」
「いえ、おかしくはありませんよ。…修史くんらしい素敵な考え方だと思います。」
雫さんは微笑んだ。
俺は不思議な感覚に包まれていた。
何だか常識が常識でないような…。
あっ(察し)
この世界では女性が男性を護るのが当たり前なのか!
そう言えば、細くて弱そうな男しか見たことないし、体育の授業とかで感じてたけど、女子の運動能力が前の世界と比べて圧倒的に高かった。
(この世界ではかよわい男性を女性が護ってくれるみたいだが、俺は護られるよりも護りたいな。この考え方は変えられないし、変えるつもりもないし、俺は俺のままで生きよう。)
俺は俺らしく生きていこうと決意した。
ー
少しバタバタしたので疲れてしまった。
なので、もう一度お茶を頂きつつ休憩してから帰ることにした。
「それじゃ、帰るね。明日頑張ろ。」
「はい、勿論です!また、明日。」
雫さんは玄関で見送ってくれた。
「あ、そうそう、良い忘れてたけど…、俺は恋人達や雫さん、天童院さん、他の女の子達だって護ってあげたい、力になりたいって考えてるから。だから…悩んだり困ったりしたら…いつでも聞くからな。もちろん、遠慮なんてしくていいからな!」
去り際に雫さんに俺の考え方を改めて伝えた。
雫さんは俺を護りたいみたいだったが、その役目は俺が担いたいから任せて欲しいという意図を込めて。
それといつも一歩引いた距離に雫さんがいる気がしていたので、遠慮せずに頼ってほしい旨も伝えておいた。
「…ありがとうございます。修史くんはやっぱり優しいんですね!…他の男性とは大きく違っています。…。」
雫さんは下を向いてゆっくりと話していた。
そして何かを考えているようだった。
「…悩んでる事があるなら聞いてくれるって、どんな悩みでも良いんですか?」
雫さんは少し震えながら俺に聞いてきた。
何やら様子がおかしい。
「勿論だよ、どんな悩みだって聞くさ。」
俺はそんな雫さんを心配しつつ、自信をもってそう答えた。
「…ふぅ。…それなら一つ、私の悩みを聞いて下さい。」
雫さんは顔を上げてゆっくりと話し始めた。
俺は雫さんの顔をじっと見つめながら耳を澄ませた。
「…私には許嫁がいます。高校を卒業と同時に結婚しなければなりません。…昔はその事が幸せな事なんだと思っていました。…でも、今はその事が凄く凄く嫌なんです。」
雫さんは今にも泣きそうな表情をしていた。
…許嫁がいると聞いて俺は、凄いショックを受けていた。
体が何かに怯えるように震えていた。
あれ?何で俺はこんなにもショックを受けているんだ?
「そ、そうなんだ。…許嫁…か。何で嫌になったの?」
俺は震える声でそう言った。
雫さんは息を整えてから…叫んだ。
「…私は…っ…私は!…修史くんが…好きなんですっ!結婚したいんですっ!…許嫁なんて…嫌なんです…。…修史くん…じゃ…ないと…嫌なんです…。」
雫さんの心の叫びだった。




