表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/90

雫さんの家に行ったらしい

数年前の高校卒業の日に、クラスでマグカップを一人一つずつ貰ったのですが、作者のクラスは女子が多く、女の子がコメントを書いて男子に渡してくれたのです。

後書きへ

(ここが雫さんの家か…。和を感じるなぁ。)


雫さんの家は和風の門があり、日本庭園の綺麗な大きな平屋作りの家だった。

書道家とか盆栽家が住んでいそうな雰囲気だ。


「どうぞ、修史くん。遠慮せずに入ってください。」

「お、お邪魔します。」


少し恐縮しながらも家の中に入った。

廊下から見える綺麗な庭を見ながら奥へと進むと、案内してくれていた雫さんが足を止めた。


「ここが私の部屋です。着替えてきますので、修史さんは自由にくつろいでいてください。」

「分かった。ゆったりしてるよ。」


障子を開けて雫さんの部屋に入った。

雫さんの部屋は一言で言うと和風の綺麗な部屋だ。

でも何だろう…こう…女の子らしいものが少ないと言うか…客間みたいというか。


多少殺風景ではあったが和風美人の雫さんには合ってると思った。

今度、何か可愛い人形でも買ってプレゼントするから、それを置いてもらいたいかな。


取り敢えず、一通り部屋を見渡した後、男として気になるのはやっぱりタンスだった。


(…さて…やるか!)


雫さんは『自由にくつろいで』と言っていた。

自由=俺のやりたいことをやっていい。

つまり、タンスを開けて物色するのも正当化されるのではないだろうか?←そんな理屈は通らない


取り敢えず集中力を研ぎ澄ませ、周囲の気配を気にしながらタンスの取っ手に手をかけた。

そしてその段をゆっくりと開ける。


(こ、これは!?み、皆!ついに見つけたぞ!)


下着の段を一発で引き当てた!


(手にとって見たくなるが、それはバレるリスクあるよなぁ。)


触ると位置がずれて、雫さんが気付くかもしれないため、眺めるだけにした。

紫や青系の装飾の綺麗な大きいブラが、規則正しく並べられている。

明らかに手に収まるサイズでは無いことがよく分かった。


(こ、こんなのを付けているのか。…そ、想像しただけでかなりの破壊力だな。)


貧乳好きな俺だが、巨乳の魅力もかなり強いと感じた。

…今、下着を眺めている俺は、きっと野に咲く一輪の花を見つけた時くらい、純粋な笑顔をしているだろう。←犯罪者予備軍


そんな油断している時だった。


ガタッ!


背後の障子から物音がした。


ビクッ!?

(まずいっ!?)


俺は慌ててタンスを閉めて、振り返り座布団に正座した。

音が鳴ってから正座するまでの動きに一切の無駄は存在していないだろう。


(雫さんかな?いや、でもそれだったら障子にシルエットが写るはずだが…?)


バクバク鳴っている心臓を落ち着かせる。


ガタッ…ガタガタッ!


再び障子が揺れる。

どうやら人ではなさそうだ。

何だろう?


俺は立ち上がり、ガタガタと音を立てる障子をそっと開けた。


「うおっ!?何だ?この…毛玉?」


そこには、大きめのウサギほどのサイズの白い毛玉があった。

俺は驚いて後退りをした。

毛玉はそのままピョンピョンと跳ねて部屋に侵入してきた。


そして俺の足元で止まった。

なにやら、プゥプゥと鼻を軽く鳴らすような、高い音が聞こえてくる。


…あ、これ、ウサギだ。

アンゴラウサギ?だったっけな種類は。

よく見ると赤い目が見えるし、短めの耳もある。

おそらくこの家のペットだろう。


(な、なんだウサギか。良かった人じゃなくて!さて、気を取り直してもう一度タンスを開けるかな!)


ウサギと分かって安心した俺は、再びタンスに手をかけた。

先ほどの幸せをもう一度味わいたいからだ。


…うん?なんだろう?

手をかけた瞬間、背後から何やらプレッシャーを感じた。

ゆっくりと後ろを向くと、ウサギがじぃーっと俺を見つめていた。

その小さな赤い目は何かを言っているような気がした。


(そんなにじっと俺を見てどうした?今は忙しいんだ、構ってあげられなくてごめんな。さて、気を取り直して。)


一旦、ウサギをスルーして再びタンスに手をかける。

…うん?さっきよりも強いプレッシャーを感じる。

しかも足元から。


俺は下を見る。

ウサギがいつの間にか足元に移動しており、俺の顔を見上げていた。

再び目と目が合う。


(ウサギよ、何が言いたいんだ?これがいけない行為とでも言いたいのか!?)←犯罪です


俺はウサギに訴える。

貴方の主人の下着を一通り見た後に、一回だけ頭に被ることを許して欲しいと。 ←一度はやってみたい


ウサギはそんな俺の純粋な願いを聞いてか、静かに俺の足の指を噛んだ。

……へっ!?


「いってぇぇー!!?わ、分かった!もう、やらないから!」


俺はウサギに謝った。

プップッとウサギは鳴いて離れてくれた。


動物に怒られるなんて。

…何だか急に罪悪感も湧いてきたので、雫さんが来るまではウサギを撫でて待つことにした。

ウサギはとても軽くてフワフワしていて可愛かった。


「お待たせしてごめんなさい、修史くん。」


数分後、雫さんがお茶とお菓子を御盆に乗せて戻ってきた。

うん、それはありがたいのだが、何故に体操着姿なのだ?

それだとおっぱいが…。

あ、ブラも透けて見えて…最高です。


「全然大丈夫だよ。ところでこのウサギは何て名前なの?」

「流石、修史くん。ウサギだって分かるんですね!その子はシラタマっていう名前のアンゴラウサギなんですよ!」


なるほど、やっぱりアンゴラだったか。

ごちうさ知識は合ってたようだ。

名前はシラタマか、美味しそうだな。


「そうなんだ、可愛いね!」

「ふふっ、私もそう思います。特にこのフワフワ感がすっごく可愛いです。」


雫さんはシラタマを抱きしめてモフモフした。

ペットを褒められて嬉しいのか、若干どや顔もしていて可愛らしかった。


シラタマをしばらく可愛がった後は、雫さんの入れてくれたお茶を飲んだりして、少しリラックスした。


「美味しかったよ、ありがとう。それじゃ、勉強始めようか!」

「はいっ、よろしくお願いしますね、修史くん。」


お茶を堪能した後は、すぐに勉強を始めた。


今回のテスト範囲で出来ない所は二人ともほとんど無いので、お互いに問題を出し合って勉強した。


「流石ですね修史くん。こんな細かい所まで覚えているなんて!

もう、出せる問題が無いですよ。」


雫さんに褒められて照れた。


「雫さんこそ、応用問題も完璧で隙が無いね!」

「ふふっ、ありがとうございます。」


雫さんも若干照れていた。


二時間ほど勉強したが、お互いに完璧に問題を解くことが出来ていた。

うん、もうこれ以上勉強する必要は無いだろう。


「ありがとうございます。明日からのテストも、修史くんのおかげで良い点が取れそうです。」

「俺も雫さんのおかげで安心してテストが受けれそうだよ。ありがとね!」


もう勉強は問題ないので、道具を片付けた。

さて、そろそろ帰ろうかな?

妹に、帰りが遅いと怒られそうだし。


「勉強も大丈夫だし、遅くなると妹に怒らるから、もう少ししたら帰るね。」

「あっ…はい。…分かりました。…あ、明日頑張りましょうね!」

「おう!」


雫さんは俺が「帰る」と言った瞬間にあからさまにテンションが下がった。

ちょっと驚いたけど、寂しいと感じてくれたのかと思うと嬉しかった。


しばらく雑談をしてから、頃合いを見て俺は帰ることにした。

話が一段落してから、伸びをしてから立ち上がった。


「んっー!…それじゃ、そろそろ帰るわ!」

「あっ、そ、そうですか…。帰り道気をつけてくださいね!」

「んっ、分かった。じゃあね。」


帰ろうと玄関へと向かおうとして、一歩踏み出そうとした。

その時だった。

部屋の隅で大人しく丸まっていたシラタマが、急に俺の足元に跳ねてきた。


「うぉっ!?」


シラタマを踏みそうになり、必死で体制を変えるも完全にバランスを崩し、転けそうになった。


「修史くん、手をっ!」


転ける寸前、雫さんが手を出してくれたので掴んだ。

しかし、俺の体重を雫さんは支えきれず、一緒にバランスを崩して倒れてしまった。


雫さんも倒れると分かった瞬間、俺は彼女を抱きしめて自分が下になるようにした。

抱き締めた時、何か柔らかいものを掴んだ気がした。

私に渡されたマグカップに書いてあった言葉は「ロリコン注意!」でした。

…ははは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 誤字報告できなかったので、、 勉強も大丈夫だし、遅くなると妹に怒らる                                                   れ↑ 誤字報告して…
2021/02/03 20:26 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ