愛奈たんとラブラブしたらしい
愛奈は荒い呼吸を整えながら、俺を見つめている。
愛奈の気持ちは十分、本気なんだと俺に伝わってきた。
驚いたが、俺は盛大にやらかした時ほどなぜか落ち着ける人間だ。←愛奈の気持ちに気付かなかったミス
俺は息を整え、愛奈を優しく押し倒した。
愛奈の上に乗り、その潤んだ瞳を見ながら告白の返事をした。
「俺も…愛奈が好きだ。大好きだ!…愛奈の気持ちに気付いてあげられなくて本当にごめん!これからはそういうことが無いようにするから、俺の恋人になって下さい。」
愛奈の気持ちに気付かず、軽く考えてしまった事を反省しながら、俺も愛奈に募らせていた想いを伝えた。
愛奈はとても驚いた後、顔を真っ赤にさせて目を泳がせながらゆっくりとしゃべった。
「…こちらこそ…よ、よろしく…。…あ、ありがとな。こんなわがままでお子様なあたいだけど、す、末永く、お…お願いします。」
「ああ、勿論だよ!こちらこそ宜しくね。」
俺は嬉しくて涙目になりながら笑った。
愛奈たんは驚きと喜びが混ざって困惑しているみたいだった。
「…しゅ、修史を好きな気持ちなら、早香にも!天音にも!雫にも!負けるつもりなんて、これっぽっちもねーからな!…だから…その…覚悟しとけよ!」
そう言うと愛奈は照れながら無い胸を張っていた。
「あははっ、ありがと!愛奈たん大好き!」
「…っ!…えへへっ!…あ、ありがとな!」
愛奈はモジモジしながらも、いつもの明るい笑顔を見せた。
この勉強会がきっかけで、俺と愛奈は恋人になった。
お互い恋人になれたことの喜びを噛み締め見つめ合っていたら、いつの間にか自然と唇が重なっていた。
思い返すとムードの足りない告白だと感じたが、今、この瞬間の愛奈の眩しい笑顔を見てると、そんな些細な事が気にならないくらい、幸せで胸がいっぱいになった。
「も、もう一回だけ…その…キ、キスしてくれ!」
愛奈が物足りなかったみたいなので、その後何回もキスをした。
ー
しばらく時間が経過し、いつの間にか日は落ちていた。
愛奈と恋人になった喜びで、しばらくベッドで二人添い寝しながらイチャついていた。
「も、もっとムードのある告白をしたかったぜ」と言う愛奈の発言に俺も同意したので、今度のデートでお互いに告白しあう事にした。
まあ、ただカップルがお互いに愛してると言い合う、単なるイチャイチャだけど。
「…そういえば愛奈、いつから俺の事が好きだったんだ?」
ふと、そんな事を思った。
普段の素振りからは、ただの仲のいい友達のように感じていたからだ。
まあ、かという俺もいつの間にか愛奈たんLOVEになっていたのだが。
「そ、そんなの恥ずかしくて…その…い、言うわけねーだろ!」
「えーっ!教えてよ愛奈たん!聞きたい聞きたい!」
「い、嫌だね!教えるもんか!」
愛奈たんは顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
可愛いので俺はしつこく迫った。
「愛奈たん大好き!…だから、教えて!」
「わわっ!?す、スリスリするなーっ!」
抱きつきて愛奈たんのほっぺに自分のほっぺを当ててスリスリした。
愛奈たんは子供のようなモチモチスベスベする美肌だった。
抵抗する愛奈だが力で俺には勝てないので、されるがままになっていた。←変な想像はしないでね
ー 五分後
「ハァハァッ!わ、分かった、教えるから!と、取り敢えず止めてくれ。」
「了解っ!」
愛奈はとうとう降参した。
なので、拘束を解いてあげた。
愛奈は息を落ち着かせた後、小さな声で呟いた。
「…笑顔。」
「…えっ?何だって?」
聞こえなかったので聞き直した。
「…だ、だから…その…。こ、この前、修史があたいの家に初めて来た時に…その…。猫を可愛がってる修史の笑顔が…さ、かっこよくて輝いてて、あたいまで笑顔にさせてくれるように…素敵だったんだよ!」
…猫が大好きで良かったぜ。
なるほど、笑顔ね。
「…そ、それで…修史が帰った後も…修史の笑顔が頭から離れなくて…。また見たいとかもっと見たいとか…ずっと見てたいとか思うようになって…。それから…その…どうやったらもっと修史の笑顔を多く見れるかとか考えはじめて…。…あたいの中で修史の存在がどんどん大きくなって…。」
…なんだろう、聞いてて恥ずかしい。
…照れる。
けれど、すごく嬉しい。
「も、もう良いだろ!?理由なんて!と、とにかく修史が好きで好きで堪らなくて、笑っている修史の側に、一生一緒にいたいんだよ!隣で一緒に笑ってたいんだよ!…そ、それだけだ!」
「愛奈っ!!」
我慢の限界が来た。
愛奈の気持ちが嬉しくて!本当に嬉しくて、俺は愛奈の手を押さえつけながら覆い被さった。
そして、愛奈の頭を数秒撫でた後、愛を込めてキスをした。
「…ありがとう、愛奈。愛奈の気持ち、すっごく伝わったし、嬉しかったよ。…俺が笑顔で、そして勿論!愛奈も笑顔でいられるように支え合っていこうね!」
「…あ、当たり前だっての!何が相手でもあたいがずっと修史の笑顔を守ってやるからな!…だから、あたいの側から離れるんじゃねーぞ!」
そう言うと愛奈は軽く俺の頭を撫でた。
いつもは撫でる側の俺だけど、愛奈に撫でられるのはとても心地よかった。
「それは俺のセリフだぞ。ずっと側にいてくれな。」
そしてまた、俺は愛奈とキスをした。
ー 日はすっかりと沈み、夜になった。
あれから幾度となく愛奈とエッチをしたくなったが、俺は本気で耐えた。
途中何度も「耐える必要なくね?」と思った。
しかし、恋人になった初日と言うことや、恋人になった順番、そしてさっきから鳴っている妹からの電話など色々な要因を考えた結果、今日は止めとくのが正解だと結論付けたのだ。
…決して臆病者という訳ではない。
「愛奈、ごめん妹が心配してるからそろそろ帰るわ。また、明日な。」
「そ、そうか。それは仕方ないな…。あ、あたいも勉強しないとだからな!夏休み、修史や皆と遊びたいから。」
愛奈は一瞬寂しそうな顔をしたが、仕方がないと苦笑いをした。
俺が見たいのは愛奈の幸せいっぱいの笑顔なので、再び押し倒して、頭を撫でて耳元で「大好き」と呟いてからキスをした。
「ふ、不意討ちは…その…て、照れるじゃねーか!…まあ、でもありがとな。…また、明日。」
「うん、また明日。」
二人で幸せを噛み締めて一緒に笑った。
少し見つめ合って後、名残惜しいが帰ろうとして愛奈の部屋のドアを見た。
そして俺は凍りついた。
そこには愛奈のお母さんが、気配を完璧に消し去り、ビデオを撮っていた。
愛奈のお母さんは性格的にユニークな人です。
…ごめん、愛を育むのは…早香が先で…。
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