テストが近いらしい
……修史が18歳になったら…その時は…きっと。
翌日学校に行くと朝からひたすら勉強をしている早香の姿があった。
天音が声をかけても気付かないくらい集中していた。
昨日とは打って変わった姿に俺は感心した。
「…修史、早香に何かしたの?」
「えっ!?いやー、あははっ。急にやる気が出たんじゃない?」
天音、早香が自ら頑張ろうとした可能性も考えてほしい。
まあ、間違いなく俺が原因な気がするが…。
「この調子で早香が頑張れば赤点は無いでしょ!それより天音は苦手な教科とか無いの?」
「うーん、特には無いかな。いつも全教科八割出来るか出来ないかくらいだし。」
八割出来れば充分だろう。
バイト忙しくてテスト勉強する暇なんてないだろうに。
「そうななんだ。テスト勉強とかしてるの?」
「うーん、バイトがあるからなぁ。いつもやろうと思っても途中で寝ちゃったりして…。まあ、その分授業はしっかり聞いてるから!」
授業をしっかり聞いているから点数が取れるらしい。
天音はとても優秀だ。
家のことで忙しくても学業を怠らないその姿、姿勢が素晴らしい。
ぜひとも俺のお嫁さんになって欲しい。
俺も昔は授業をちゃんと聞いていた。
でも、テスト期間中は部活が休みにになるからと遊びまくって、テスト前日になって必死に勉強するような人間だったよ。
まあ、今は余裕で九割は正解出来るからいいんだけどね。
天音を見習いよ。
「そうなんだ。まあ、心配なのは早香だけだから、この調子だと皆で夏休み遊べるね!」
「んっ!そうだね!私も今年は遊べそうだよ。…毎年、長い休みは稼ぎ時だったからさ。あはは。」
「…本当にお疲れ様。その分今年は遊ぼうな、天音。」
「勿論だよ!…ほんと、色々ありがとね、修史!」
お礼を言ったときの天音の笑顔はとても輝いていた。
その笑顔を見た時、何故か少し泣きそうになってしまった。
優しい言葉をかけながら今すぐ既成事実を作りたくなるよ。
「…いいってことよ。恋人なんだからさ。…まあ、勿論、楓ちゃんと日和ちゃんとも遊んであげてな。」
「んっ!そうする!そのためにもバイト頑張るね!」
「おう!頑張って!」
応援しつつ、天音の頭を軽く撫でた。
天音は目を細めて笑顔を見せた。
…ん?席に座っている他のクラスメイトの視線が…。
そんなに羨ましそうな視線で天音を見たら、天音が困っちゃうよ。
俺は撫でて欲しいって言ってこない限りは、恋人意外は撫でないんだからね!
…ん?今度は早香の視線を感じる。
お、目が合った。
何かを訴えかけている気が…。
…なになに?頑張るから頭を撫でて欲しいだって?
しょうがないなぁ。
「よしよし、頑張ってな!」
「…えへへ!ありがと!絶対に100点取るんだからね!そしたら約束守って貰うんだからね!」
「勿論だとも!ファイト!」
いい意気込みだ。
100点を取るつもりでいけば、赤点回避なんて余裕だろう。
…その時は…ね。
あれ?でも、何か今の会話で違和感を感じたような?
…まあ、気のせいか。
「約束って何?」
おっと天音に聞かれてしまった。
「それはひ・み・つ!」
バレたらどんな反応をするのか気になるが、勿論内緒にしておいた。
こんな約束、言えるわけねー。
ー
「おはようございます、皆さん。」
早香を撫でてとろけさせていると、雫さんが登校してきた。
電車にいなかったから少し寂しかったんだぞ、まったく。
「おはよー、雫さん。」
「雫おは!」
「あ、早香さんは勉強ですか?良いですね、私も勉強しないとですね。」
「雫さんはテスト余裕じゃないか?勉強しなくて大丈夫じゃない?」
「いえ、そんな事はありませんよ、修史くん。油断は禁物なんですからね!」
そう言うと席に座るやいなや参考書を開いて勉強を初めていた。
偉いな。
「あ、修史、雫の心配はいらないからね!なんといっても雫はほとんどの教科で学年トップだし。」
「トップだと!?…それは凄いね。雫さん、ぜひともトップを維持してね。」
「…修史くんがそう言うなら…もっと頑張りますね!」
雫さんも気合いが入ったようで、顔の前でガッツポーズを作っていた。
…ちょっ、おっぱい揺れてるぞ。
まったく…ありがとう!
…おっ!おっぱいを見ていたらもう一人なかなかのおっぱいが…って、天童院さんだった。
まあ、彼女も大丈夫そうなのでテストに頑張ろうねと声をかけるだけにしておいた。
まあ、この中で心配なのは早香だけだし、早香のやる気もあるし夏休みに補習を受ける人はいないだろう。
良かった良かった。
…それにしてもいい胸してるな二人とも。
モミモミしたくてたまないよ。←ただの変態発言
あ、勿論ちっぱいも好きだから安心しろよ、天音。
…ん?ちっぱいといえば…。
(あ、愛奈は大丈夫なのかな?そーいえば、電車にもいなかったし。愛奈とも遊びたいけど、愛奈の学力ってどうなんだろう?帰り電車で一緒だったら聞いてみるか。)
そう考えていると佐藤先生が教室に入り、いつも通り朝のホームルームが始まった。
先生もテストが近いので勉強するように!と皆に声をかけていた。
俺もある程度やることにしようと思った。
どうせなら学年トップとか人生で一度くらいはとってみたいからね。
負けないぞ、雫さん!
ー
そしてホームルームも終わり、授業がはじまった。
ほとんどの授業がテスト勉強をさせてくれたお陰で、かなりテストへの自信が着いた。
早香だけでなく、クラスメイトも俺に分からないところを聞いて来たのできちんと教えた。
俺の顔ばかり見ずにちゃんと教科書の方も見て欲しいと何回か思う場面があったけどね。
まあ、周りを気にしてか、一人辺りの時間も少しだったし、頑張ろうね!と声をかけておいたので頑張ってくれるだろう。
ー そして放課後になった。 ー
「早香、天童院さん、また明日!」
「うん!また明日!じゃーね!」
「また明日ですわ、修史様!」
二人を見送り、俺は天音と雫さんと一緒に帰ることにした。
天音は引っ越したため、一緒の駅で乗り降りするようになったので、これからはほとんどの時間、毎日一緒にいることになるだろう。
朝も一緒に乗ったので、雫さんと愛奈がいなかった分の寂しさが和らいだ。
大好きな人と一緒にいられる時間は多ければ多いほど幸せだからね。
「天音、雫さん帰ろ!」
「んっ!」
「はい、そうしましょう。あっ!少しお待ちください。愛奈さんを呼んで来ますね!」
「お、頼む。」
ちょうど、愛奈の学力を知りたかったのでナイスだ、雫さん。
少し天音と雑談して待ってから、愛奈と合流した。
駅へと四人で向かっている途中で、愛奈にテストについて聞いてみた。
「愛奈ってテスト大丈夫なの?」
「な、なんだいきなり!?そんなの…大丈夫なわけねーだろ。」
「あ、そうなんだ。…一緒に勉強する?」
「お!いいのか修史!頼むぜ!」
「はいよ!」
あっさりと決まった。
今日は愛奈に教えることになりそうだ。
愛奈と勉強出来ることと、猫カフェに無料で入れることがとても嬉しい。
まあ、いつ行っても無料になりそうだけど。
愛奈と楽しく勉強しつつ、猫も可愛がることが出来そうだ。
愛奈と猫、女の子の癒しと小動物の癒しの組み合わせは最強な気がするよ。
動物と女の子の与える癒しは最強…か。
……はっ!?だから俺はケモ耳美少女に癒しを覚えるのか!
更にそこに幼女成分でも加わったら…超最強じゃないか!
…妹か楓ちゃんか雫ちゃんか…それか愛奈に、ケモ耳のコスプレをいつかさせて愛でるという新たな目標が出来た。
(私も勉強出来ないところあるって言えば、修史くんが家に来てくれるのかな?…私だって修史くんともっと一緒にいたいのに…。)
そんな妄想を修史が膨らませている時、雫は寂しい気持ちを感じていた。
(…ん?雫どうしたんだろ?いつもと雰囲気が違うような?……あ、そういうことね。)
その様子に気付くことが出来たのは、天音ただ一人だった。
果たして修史は雫の気持ちに気付けるのだろうか?
(愛奈の勉強楽しみだな!よし、頑張るぞ!)
…今日は愛奈との勉強会のことで頭がいっぱいで、その事に気付かないまま二人と別れた修史だった。
爆乳、巨乳、微乳、貧乳、幻乳、どれも修史は好きです。
幻乳の意味は「物理さんで無双してたらモテモテになりました」を読んで知りました。




