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風邪をひいてしまったらしい

天童院さんの背中を拭いてあげたあと、再び部屋の中に入った俺は彼女とゆっくりとお茶をした。

高そうなお菓子と天童院さんが入れてくれた紅茶を頂く。

紅茶の味はインスタントとは、明らかに違うということは分かった。

貧乏舌だから安い紅茶の方が好みだけどね。


「お味はいかがですか?」

「うん、美味しいよ!今までで飲んだ中では一番だね!」

「やりましたわ!…あ、いえ、そう言って頂けますととても嬉しいですわ。」


天童院さんはガッツポーズをして喜んでいた。

嬉しそうにニコニコしていた。

すっかり顔色も良くなっているので安心した。


「すみませんわ。メッセージに気付けなくて。」

「大丈夫だよ、そんな事。元気になったみたいで本当に良かった。」

「修史様ぁ!あ、ありがとうございます!」


天童院さんとはあまり話をしたことは無かったので、これを期に色々とお話をした。

海外旅行のお話や、趣味の華道の話などを聞けた。

たまにメイドの水無月さんが天童院さんの恥ずかしいエピソードを教えてくれくれたりもして面白かった。

まあ、天童院さんは真っ赤になって水無月さんに抗議してたけどね。


「修史様の趣味ってそういえばなんですの?」

「えっ?俺かぁ。うーん、何だろう?海外にはほとんど行ったことないし、料理も趣味じゃないし。うーん。」


趣味を聞かれて困ってしまった。

前の世界での趣味ならアニメ観賞とツーリングなんだけど、こっちの世界来てからそれらを何にもやってないからね。


まあ、アニメは男女比率の違うこの世界で名作が消えてる可能性考えたら怖くて見れないし、ツーリングはバイクの免許すらまだ持ってないのにどうするねんって話だからね。

らき☆すたとかけいおん!なら残ってるかな?

男キャラたくさん出るアニメは消えてそうだけど(涙)


「趣味は無いかな。うん、また見つけておくよ。」

「わかりましたわ。また見つけましたら教えてくださいね!」

「おけ!わかったよ!」


趣味の無い人生は個人的に嫌なので、新しく楽しめる事を探したいと思った。

夏休みにでも趣味を探したい。


こうしてしばらく雑談をしてから家に帰った。

夕飯をご馳走してくれるみたいだったが、妹が待ってるからと断っておいた。

残念そうな顔をしていた天童院さんだったが「また来るね!」と言うと「いつでもお待ちしておりますわ!」と嬉しそうに笑っていた。


名残惜しいので、またいつか来ることにする。



天童院さんの家を出て、真っ直ぐに自宅に帰った。


「もう!遅いよ、お兄ちゃん。連絡の一つくらい入れてくれてもいいのに!」

「ごめんごめん。ご飯にしよ。」

「…もう!」


可愛い顔して怒っている妹をなだめて、ご飯を食べた。

帰り際に水無月さんから貰ったお菓子をあげたら、リスみたい食べていたので、可愛らしかった。

あ、でも食べ過ぎて夕食残したら流石に怒るからね?


夕食後は食器を洗ったり洗濯物を畳んだりを妹と協力してから、お風呂に入った。


「お兄ちゃん、背中洗ってぇ!」

「はいはい、もう甘えん坊だな。」

「お兄ちゃんに甘えたい気分なの!」

「分かった分かった。」


毎日俺にベッタリの妹の背中を洗う。

妹の背中と今日見た天童院さんの背中が一瞬重なる。

ああ、妹も女の子らしい体に成長していくんだなと思うと、嬉しいような悲しいような気分になった。

…今のうちに揉んでおけば将来かなり大きくなるのでは?

…いや、未発達の魅力も捨てがたい。

…うーん。


「お兄ちゃん、どうしたの?何か悩み事でもあるの?」

「いや、なんでもないよ。ささ、髪も洗ってあげるから目を瞑って!」

「うん!ありがと!」


大きくても小さくても妹への愛は変わらないので気にしないことにした。


お風呂から出た後は、ソファーで横になった。

同じく妹も俺の上に乗りつつ、横になった。

妹の頭を撫でつつ、スマホを開く。


「あっ…たくさんメッセージ来てる。」


スマホには、可愛い可愛い恋人の早香と天音や、愛奈や雫さん、天童院やクラスメイトの方々からメッセージが届いていた。


嬉しいことだ。

しかし、全員に返信するのは思いの外、大変だった。

途中途中会話が弾み、全ての相手に「おやすみ」と送り終わった頃には夜が明けていた。


あ、途中でベットに移動したから安心してね。

ちなみに妹は俺のスマホの画面をチラチラと覗きながら、たまにジト目で俺を見ていた。




寝てから数時間でいつもの起きる時刻になった。


「お兄ちゃん、起きて!朝だよ!」

「う、うーん。」


可愛い妹の声が聞こえるが、いかんせん体が重い。

それと、何故か体が熱いような…。


「ゲホゲホッ!ゴホッ!…あれ、何だか咳が…。」

「お、お兄ちゃん!?大丈夫?風邪ひいたの?」


妹が心配そうに顔を覗き込んできた。

何だか調子が悪いし、もしかしたら風邪をひいたのかもしれない。

…いや、完全に風邪をひいたわ。

喉痛いし、鼻水出そうだし咳が出るしダルいし。

多分天童院さんの風邪を貰ってしまったのだろう。


「おでこ触るね、お兄ちゃん。…あ、熱いよ!お兄ちゃん熱あるよ!ちょっと待ってね、体温計と薬とか持ってくるから!」

「…すまん、芽亜。頼むわ。」


妹は急いで部屋を飛び出していった。

俺はスマホで佐藤先生に今日は体調悪いから休むと知らせておく。

あ、念のため一人のクラスメイトに向けての伝言も頼んでおく。


「お兄ちゃん、はい体温計。それと熱冷ましシート。」

「…ありがと、芽亜。」


体温計を脇に挟み、熱冷ましシートをおでこに貼って貰った。

ああ、冷たくてとても気持ちが良い。


「…お兄ちゃんが心配だから学校休もうかな?」

「ははっ!心配してくれるのは嬉しいけど…大丈夫だよ。高校生だしね。…あと、母さんには言わないでね。」

「えっ!…うん、分かったよ。取り敢えず、ご飯だけは作っておくからね!薬飲んでしっかり寝てね、お兄ちゃん!」


母親にいうと急いで飛んで来そうなのでやめておいた。

あ、そういえばこの世界に来て母親と会ったことないかも。

まあ、それは置いておく。


ピピッピピッ


「どれどれ。…まじか…。」


熱は39度6分でなかなか高かった。

まあ、妹に余計に心配はかけたくないので38度だったと嘘を言っておくが。


「お兄ちゃん、時間だから学校いくね。絶対に安静にしていてね!」

「いってらっしゃい。気を付けてね。」


妹は俺を心配そうに見つめていたが、時間になったので家を出ていった。


(思いの外、結構辛いな。まあ、寝れば治るか。)


近くに朝御飯や薬が置いてあったが、食欲が無かったのでポカリだけ飲むと、俺は眠りに着いた。


次回、苦しくて結局看病をお願いした修史。

修史がお願いした人物は…幼児体型の…。


関係ない話ですが、アニメ「けいおん!」の第一期が2009年の4月。

そして現在は2018年6月。

…月日が経つのが早いと感じた作者。

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