表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/90

ファンクラブの会長がいたらしい

新キャラ登場。

今回はのんびりしたお話。



愛奈と登校した後、教室に入ったが早香も天音も雫さんもいなかった。


なので今は一人ポツンと席に座り、いつも通り下駄箱に入っていたラブレターを読んでいる。


すると珍しく、一人のクラスメイトが俺に気付いて来た。


基本クラスメイトは話しかけて来なくて、遠目で俺をじっと見ているだけだったので少し嬉しかった。


「ご、ごきげんよう、修史様。」

(ああ、やっと話しかける事が出来ましたわ。今日は記念すべき日になりそうですわ。)


「ああ、ごきげんよう天童院さん。」


俺に話しかけて来たのは、天童院てんどういん理沙りささんだ。


名前は日本人なのに金髪ドリルでお嬢様口調、いかにもお金持ちの娘って感じの子だ。


見た目は凄く可愛い。

うん。


ちょっと頭が悪そうでわがままそうなのが残念だけど、素直そうな印象を受ける。←さりげなくディスる


「あ、あのお願いがありますの。」

「ん?なにかな?」

「そ、その…わたくしは修史様のファンクラブの会長ですの!」


天童院さんは腕を組んで少し口ごもりながらそう言った。


「あ、そうなんだ!知らなかったよ、こんな俺のファンになってくれてありがとね!」


俺は軽く頭を下げた。


天童院さんはまさかの俺のファンクラブの会長だった。


…お金の力で会長にでもなったのだろうか?←悪気はないけど失礼


「い、いえいえ!修史様が頭を下げるような事ではございません。」


(あわわ、修史様に頭を下げさせるなんてなんたる失態。淑女としてあるまじき行為ですわ!)


さっきから気にはなっていたが、「様」付けで呼ばれるのは新鮮だ。


まあ、なんか偉くなったみたいで嫌ではないから、「さん」付けでいいよとか言わないけどね。


「ところでお願いって何かな?」


「そ、そうでしたわ。お願いというのはファンクラブの代表としてのお願いでありますの。そろそろ…その…。ファンクラブの会員の方々の為に何かしていただきたいと思いましてですね…。」


(ああ、わたくしはなんて偉そうにお願いをしてしまったのでしょうか。修史様はきっと、なんだ?この女は?って顔でわたくしを…。で、でも言わないとわたくしがファンの方々に…。)


理沙さんは何故か途中からテンション低めでそう言った。


その天童院さんの言葉で俺は思い出した。


早香と天音に夢中になっていたので忘れていたが、ファンの皆に喜んで貰えるように行動すると俺はこの世界に来てから決めていた事を。

…ファンサービス大切!


「ああ、ごめんね天童院さん。確かに天童院さんの言うとおりファンになってくれた皆に何もしてあげれてないね。…分かった、考えておくよ!」


「も、申し訳ありませんわ、急なお願いをしてしまいまして。ありがとう存じます。」


天童院さんは淑女みたいにきれいに頭を下げた。

その姿だけで礼儀作法は家でみっちりやって来たのが分かる。


俺が「分かった」と言った時、天童院さんは凄くホッとした顔をしていた。


天童院さんはさっきは若干疲れた顔をしていたので何かあったのだろう。

例えば、俺が何もしないせいでファンの方々の不満がたまり、それが会長である天童院さんに矛先を向けられていたとか。←実はほぼ当たってる。


取り敢えず、ほとんど何もしていないので申し訳なくなった。

なので、これからは天童院さんと話をしながら色々と考えようと思った。


そのためにまずは仲良くしておこうと思った。

……べ、別におっぱいが凄く大きくてハリがありそうだから仲良くしようだなんて思ってなんかいないんだからね!←ちょっと思った。


「こちらこそありがとね!負担かけちゃってごめんな。これからもよろしくね、天童院さん。」


俺はスッと右手を差し出す。

仲良くしようという意味での握手だ。


「えっ?あ、その…も、勿論ですわ。…あっ。」


彼女が恐る恐る伸ばしてきた手を俺はしっかりと握った。

天童院さんの手は細くてすべすべしていて、頬擦りしたくなるような感触だった。



(と、殿方の体に触れるのは…お父様以外で初めてですわ。…修史様の手って思いの外、硬いのですわね…。…ああ、嬉しさで涙が出そうですわ。頑張ったかいがありましたわ…。)


天童院さんは嫌な顔はしていなかったのでよかった。


「あ、そういえばごめん。ファンクラブの事、全然知らなくてさ。色々と教えてくれないかな?」


「そ、そうですの。も、勿論わたくしが教えて差し上げますわ。」


何故か涙目になっていた天童院に俺は色々と教えてもらうことにした。

あ、でもその前に連絡先を忘れずに貰っておく。


「天童院さん。これからはお世話になると思うから連絡先教えてくれないかな?…だめ?」


少し上目遣いにしてねだってみた。


「ふぇっ?ももも、勿論大丈夫ですわ!こ、こちらこそ本当に連絡先を貰ってもよろしくて!?」

「もちろんだよ、交換だからね!」

「わ、わかりましたわ。」


(修史様の連絡先!?あんなにお金をかけても、学校のパソコンハッキングして貰ってもプロテクトが多過ぎて入手出来なかった連絡先を!?こんなに意図も簡単に貰ってしまって本当に大丈夫かしら?ううっー、本当に受け取ってよろしいのかしら~!?)


うん?なんだろ、連絡先の交換をするときに天童院さんが動かなくなったぞ。


「おーい、天童院さん?」


顔の前で手を降って呼び掛けてみる。


「はっ!し、失礼しましたわ。よ、よろしくお願いいたしますわ。」

(と、ともかく修史様の気が変わらない内に!)


パンパカパーン 天童院 理沙の連絡先を手に入れた!


「ありがと!」

「いえ、こちらこそですわ。」

「それじゃ、早速……ん?」


早速話し合いをしようと思ったのだが、何だかクラスメイトの女の子達が天童院さんの後ろに並びはじめた。


「な、なんですの!?皆様、そ、そんな怖い顔をして!」

ボソッ 「貴方だけ抜け駆けは…許せない。」

「っ!?そ、そうですわねっ!修史様、申し訳ございません。し、失礼いたしますわ。」


…?

何だろう、クラスの女の子が天童院さんに耳打ちをした途端、天童院さんが何処かへ行ってしまった。

用事でも思い出したのだろうか?

そう不思議に思っているとクラスメイトの女の子達から声をかけられた。


「修史君、理沙だけじゃなくて私にも握手してほしいな~!」

「修史様、ぜひ握手と連絡先の交換を!」

「修史さん、私と握手してもらえませんか!それと連絡先の交換を!」

「「わ、私も!」」


…ふぅ、モテる男は辛いぜ。←イキッてる。

クラスメイトの女の子達は天童院さんと俺のやり取りに影響されたのか、皆が握手と連絡先の交換を求めてきた。

女の子に囲まれてハーレムを作った気分だ。


「もちろん、いいよ!…順番にね!」


クラスメイトだし断る理由もないので一人ずつ丁寧に対応する事にした。


「私が先「私が「もう一度わたくしも「あんたは十分でしょ!」」」」


俺が「いいよ」と言った瞬間から順番争いが始まった。

なかなか白熱しそうだ。


「皆、落ち着いて。適当に誕生日順で決めたらどうかな?」

「「「わかりました!」」」

(私たちは修史さんに従います!)


俺の一言で状況は収まり、握手会のようなものが始まった。

一人ずつ覚えれるように、丁寧に会話や握手をした。


(修史君と会話が出来るなんて!…ああ、幸せ!)

(修史君の…おっきくて固くてゴツゴツしてて…あ、アンっ、す、素敵!)

(これが修史様の伝説の連絡先。…で、電話とかしたらめ、迷惑…かな?)


俺は皆よ三者三様の反応を見れたので意外と楽しかった。

まあ、この世界の女性は皆、タイプの違う可愛さがあるからね。

気軽に連絡してほしいけど。


まあ、妹や早香たちがいるから誰からも連絡来なくても寂しくなんか無いんだからね!


こうして急に開かれた?握手会は終わった。

クラスメイトじゃない子も来るかと思ったが、外部からの侵入を防ぐ女の子達が多かったので、クラスメイトだけの握手会になった。


(取り敢えずクラス女の子達と友達になれたらいいな。でも、皆連絡とかしてくれるかな?)


後日、そんな些細な不安を吹き飛ばすように大量のメッセージや電話がかかってきて、対応に追われて困ることになるなどこの時には修史は全く考えてはいなかった。


天童院理沙 てんどういんりさ

ザ、お嬢様。

行動は淑女そのものなのだが、何故か残念に感じる女の子、

巨乳金髪ドリルツインテール。

隣のクラスの女の子から、お金持ちだから色々出来るということでファンクラブの会長に任命された。

因みに理沙に会長を譲った(押し付けた)女の子は、定期的に修史の写真を取って理沙に渡している。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ