朝、幸せな時間があったらしい
深夜に読んで欲しいです。
暴走してます。
「うーん、暑いっ!」
今日は暑さで目覚めた。
目を開けると知らない天井が…と思いきやスベスベの幼女のおへそが見えた。
「っ!な、なんだ!?」
(とりあえずペロペロしとくべきか?)
アホな事を思いながらも一気に目が覚めたので体を動かそうとしたが、両手とも拘束されているのかのように動かなかった。
横目で確認すると右手を楓ちゃんが、左手を天音さんがガッチリとホールドしている事が分かった。
と、いうことは…。
(こ、このスベスベのお腹は日和ちゃんの!?どうりでミルクのような少し甘い香りがすると思った。…もうちょっとこのまま…)
ピピピッ!ピピピ!
ビクッ!
その時、タイミングを見計らったかのようにアラームがなった。
俺は驚いて体を動かしてしまい、三人から「うーん」という声が聞こえた。
薄目を開けて三人の様子を伺う。
「…。あれっ!?なんで…。…あ、そっか昨日…。こら、日和起きなさい!修史くんが苦しいでしょ!」
いち早く起きたのは天音さんだった。
流れるような動作でアラームを止めて体を起こしていた。
習慣が身に付いているようだ。
「…ふぇ?…キャッ!」
その天音さんに起こされた日和ちゃんは俺に気づいて驚き、バッと俺から離れた。
離れる時に顔が日和ちゃんのお腹に潰されて少し痛かったが、お腹の感触がしっかりと分かってむしろご褒美だと思った。←1割冗談だからね!
「うーん、どうしたの?」
その物音に気付いたのか、最後に楓ちゃんが目を覚ました。
ちなみに俺は寝たふりをしている。
何故かって?
アラームなんかで起きてたまるか!女の子に起こしてほしい!という願望があるからだ。
「日和が寝ぼけて修史くんの上に乗ってたんだ。まあ、修史くんに抱き付きたい気持ちは分かるけど、汗かいて苦しそうだから少し注意したの」
そう楓ちゃんに天音さんは説明をしていた。
「気持ちが分かる」という言葉に内心とてもドキッとした。
俺の胸にいつでもおいで、ウェルカムだよ!
「なるほど!まあ、しょうがないよね!修史お兄ちゃんかっこいいしいい匂いするし。…えいっ!」 ドサッ
(な、なに!?)
俺をじっと見た後、思い立ったように楓ちゃんが上に乗っかっていた。
そして俺の胸に顔を埋めて深呼吸をしていた。
スーハースーハーと息の音が聞こえて胸の辺りに熱を感じる。
…これは嬉しいが流石に恥ずかしい。
「っ!?ちょっと、楓っ!…もう…」
(…なんだろ、ちょっとうらやましい。それに…妹に少し嫉妬してる自分がいる。…はぁ)
天音さんは楓ちゃんの行動にびっくりしたようだが、仕方ないと言わんばかりに何も言わなかった。
「ほらっ、修史くんが起きないうちに日和もくっつきな」
それどころか天音さんは日和ちゃんに俺にくっつくように言った。
天音さんグッジョブ!
きっと日和ちゃんが俺にもっと甘えたいと思っているのを察しての言動だろう。
現に楓ちゃんを羨ましそうに見ている日和ちゃんがいる。
「…うん」
俺から離れて足元で座っていた日和ちゃんも小さく返事をして俺の胸に飛び付いてきた。
そして日和ちゃんも俺の胸で深呼吸をしていた。
女の子の香りを嗅ぎたいと思うが、逆に嗅がれる立場になってみると照れてしまう。
まあ、悪い気はしないんだけどね。
幼女二人を上に乗せているのは少し重いが、とても心地よかった。
「…お姉ちゃん、朝ごはんの準備するからもう少ししたら修史くん起こしてあげてね。…分かった?」
「うん、分かった!」
「…うん!」
天音さんは俺の上で幸せそうに二人を見つめて頬を緩ませると、一声かけて台所へと行ってしまった。
(天音さんもくっついていいのに。…まあ、その分、二人きりの時は…。グヘヘヘヘッ。…おっといけない、変な事を考えてしまった。…まあ、たくさん愛したいのは事実か)
天音さんが台所へ向かう背中を見ながら若干最低な事を考えてしまったが、二人きりになったときに愛を伝えたいと心の底から感じていた。
ー
「楓、日和、そろそろ修史くん起こして!」
「はーい!」
「…うん」
二人の感触を堪能していると、あっという間に起きるタイミングが来てしまった。
なんだろう、幼女から溢れる母性というのだろうか、それとも俺の保護欲なのか、前の世界では味わった事のない不思議な感覚を味わった。
元気に返事をする楓ちゃんと、物足りなさそうな日和ちゃんは俺から降りて声をかけてきた。
「修史お兄ちゃん、起きて!」
「…起きて!」
ユサユサと肩を揺らされたので仕方なく起きる事にした。
(惜しい、どうせなら上にまたがってお兄ちゃん起きて!っていいながらユッサユッサしてほしかった。…仕方ない、明日芽亜にそう起こして貰おう!)←アニメ涼宮ハ○ヒの憂鬱のキョンの妹の影響
俺は硬い決心をした。
「うーん、もう朝?」
眠そうな演技をいれながら体を起こす。
「あ、起きた!修史お兄ちゃん、おはよ!」
「うん、楓ちゃんおはよー」
「…おはよ」
「日和ちゃんもおはよー!」
二人に挨拶に挨拶を返したし、顔洗って朝ごはん食べようと思い立ち上がった。
その時、男ならではの生理現象のためか別の部分も立ち上がっていることに気がついた。
二人の小学生にばれないように急いで洗面所のあるキッチンの方へと歩く。
「修史くんおはよっ!朝ごは…ん?…」
「…あっ。おはよ、天音さん」
おっと、なんというタイミングか。
丁度ドアを開けキッチンの方向から天音さんが登場した。
言葉の途中で天音さんは固まってしまっている。
その天音さんの目線をたどると、ピンポイントにテントを張った自分の息子を見ていると分かった。
(…やべぇ、見られた。まあ、いっかいつかは見られるんだし)
俺は動揺したが気付いていないかのように、天音さんに挨拶を返して洗面所へと向かった。
天音さんの横を通りすぎるときに顔を見たら、耳まで赤くなって恥ずかしそうにしていた。
新鮮な表情を見れてラッキーだと思った。
ー そんなこんなで朝の身支度まで終わった。
ちなみに天音さんは一緒にご飯を食べる頃にはいつもの表情に戻っていた。
「修史お兄ちゃん、また来てね!いってきます!」
「…また…来て!…いってきます!」
小学生の方が登校するのは早いので、二人はランドセルを背負って玄関を出ていった。
「うん、二人とも気をつけてね!いってらっしゃい!また、近いうちに来るからね!」
俺は二人を玄関の外まで出て見送った。
決して、ランドセル小学生…はあはあっ…という状態になっていたからではない。
楓ちゃんも日和ちゃんも少し寂しそうだったが、俺が手を振ると元気よく振り替えしてくれた。
二人手を繋いで仲良く登校していく可愛らしい姿が見えなくなるまで、俺は二人を眺めていた。
天使を見送った後、ドアを締め鍵をかけて部屋の中へと戻った。
そこには制服姿で座って支度をしている天音さんがいた。
俺の家よりはここのアパートは遠くないので、まだ時間には余裕がある。
「…天音さん、ちょっといいかな?」
「うん、どうしたの?」
俺は天音さんの横に腰を下ろした。
「天音さん、大切な話がある」
「…何かな?」
本当に唐突だが、俺は話を切り出した。
俺の中での決心が着いたことと、天音さんへの気持ちがいっぱいになってしまったからだ。
天音さんは何かを察したような、疑問を抱いたような顔をして俺の目を見ていた。
「…俺、実は早香とつい最近恋人になったんだ」
「…んっ、それは知ってる」
「俺は早香の事が大好きだ」
「…早香は私の親友だから、これからもよろしく。傷付けたら許さないから」
「うん、勿論だよ」
一緒に寝といて今更だが。
まあ、天音さんも気付いていると分かっていたので一応言っておく。
天音さんは俺の表情から、早香を大切にしてくれると確信してくれたようで、柔らかい笑みを浮かべていた。
「早香は勿論大切にする。だけど、もう一人俺の中でとても大切で大好きな人がいるんだ」
「……そう」
俺は真剣な表情で天音さんの目をじっと見た。
天音さんは何も言わずに、俺の表情につられてか真剣に俺の目を見てくれている。
緊張したので深呼吸をしてから、俺は天音さんに言った。
「それは…天音さん、君なんだ!…俺と付き合ってください!!」
修史は告白の時は真剣ですが、普段はろくでもないことを考えるようになってきました。




