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妹は二人らしい

「…狭くてボロいアパートだけど、どうぞ」


俺は今、天音さんのアパートに来ている。


あの俺の涙ながらのお願いを、天音さんは何かを考える素振りを見せたあと、分かったと言って了承してくれた。


クラスに残っていた女の子たちに「どうしたの?」と聞かれたが、目にゴミが入ったと誤魔化しておいた。

意外と俺は涙脆いのかもしれない。



学校から歩いて30分ほどのところに天音さんのアパートはあった。

なかなか古い…風情のあるアパートだが、そんな事は気にしない。


「お邪魔します」


扉を開けると右手にキッチンがあり、左手にお風呂、お風呂のすぐ横にトイレがあって、奥にはドアがあった。

大学生が独り暮らしするような、もとい俺の前いたアパートに構造は似ていた。

だが、所々にガタが来ているのはよく分かった。


「ん~?お姉ちゃん、誰か来たの?」


中に入ってすぐ、奥のドアが半分開き、ひょこっと小さい女の子が顔を覗かせてきた。

更にその子の後ろにもう一人、もっと小さい女の子がくっついて顔を覗かせている。


「ただいまかえで日和ひより。紹介するね。この人はお姉ちゃんの友達の松本修史くん。今日は修史くんが家に来たいって言ったから連れてきたの」


そう言うと天音さんは俺に目線を向けた。


(天音さんのこと、お姉さんっぽいとは思ってたけど二人妹がいるのには驚きだな。……)


と、とりあえず自己紹介しないとだな。


「はじめまして。楓ちゃんと日和ちゃんで…合ってるかな?天音さんと同じ高校に通っている、友達の修史です。二人ともよろしくね!」


天音さんに紹介された俺は、怖がられないように笑顔を忘れないようにして二人を交互に見た。

二人妹がいるのは初知りだったし、その事について色々と天音さんに聞きたくなったが今は止めておいた。


「こ、こちらこそ、姉がお世話になっています!妹の楓です!よ、よろしくお願いします!」


楓ちゃんはドアを開けて俺に少し近付いて正面に立ち、手を前にくんで深々と頭を下げてきた。

なかなかしっかりしている子ではないだろうか。

可愛らしい。


その楓ちゃんの動きに合わせるように後ろにトテトテとくっついて来てい日和ちゃんも、楓ちゃんに隠れながらではあるが頭を下げてきた。

尊い動きで萌える。


「ほら、日和も自己紹介して!」


楓ちゃんは自分の後ろに隠れている日和ちゃんを軽く前に押しやり、自己紹介をするように促した。

…頭を一緒に下げてくれていたから良かったんだけどね。


「…日和…です…。よ…よろしく…お願い…します」

「ああ、楓ちゃんも日和ちゃんもよろしくね!」


小さな声で恥ずかしがりながらだが、日和ちゃんもきちんと挨拶をしてくれた。

人見知りなのだろうか?


「良くできたね!日和!偉い偉い!」


挨拶が終わってすぐに楓ちゃんが日和ちゃんの頭を撫でて褒める。

日和ちゃんは恥ずかし恥ずかしそうに、でも嬉しそうに下を向きながら笑っていた。

微笑ましい光景だった。


はじめて二人に会ったけど、とても仲が良いのが伝わってきた。

いい姉妹だと思う。


そんな二人の様子をつり目を細くして優しく見守っていた天音さんも嬉しそうにしていた。


…なんだろう。

妹二人を心から可愛く大切に想っていることがなんとなく、隣にいた俺に伝わってきた。




ー 挨拶が終わったあと、部屋に入れてもらった。


一人暮らし用のアパートの一室ほどの広さの部屋だ。

もう1つこの部屋の入り口からみて左手に見えるドアを開けると、もう1つ部屋はあるみたいだが服とか色々と置いてあるらしい。

……天音さんの下着を探したいと思ってしまったのは男のさがだからだろうか。

いや、楓ちゃんか日和ちゃんのでも……バカな事を考えるは止めよう。


天音さんがすぐに着替えてお茶を出してくれたので、少しくつろぎさせてもらった。

今は部屋の真ん中に置いてあるテーブルを皆で囲って座っている。

天音さんの妹とは初対面なので、仲良くなるためにしばらく話をする事にした。


「それでね、お姉ちゃんはね!」


しばらくお話して最初に打ち解けたのは、今、天音さんの事を嬉しそうに話している楓ちゃんだった。

楓ちゃんはハキハキしていてすぐに会話が弾んだので、楓ちゃん自身ことも天音さんの事も色々と分かった。


楓ちゃんは天音と顔がよく似ているツインテールでつり目の女の子だ。

身長は俺の妹よりも少しだけ高いくらいで、ハキハキとしている常に笑顔の、とても可愛らしい子だ。

11歳の小学六年生で好きな食べ物はお肉らしい。


「こら、楓。余計なこと言わない。…修史くんも何で笑ってるのかな?」


おおっと、楓ちゃんが教えてくれた天音さんの凡ミスした話で笑ってしまった。

ジト目で天音さんは俺を見てきた。

天音さんの事を知れて嬉しかっただけだから、気にしないで欲しい。


そんな天音さんにくっついて、じっと俺を見ているのは日和ちゃんだ。

さっきまで楓ちゃんにくっついていたのに、いつの間に移動したのやら。

チラッと見る度に目が合うと、天音さんを盾にして顔を隠してしまう。


…まあ、目を離すとまたいつの間にか俺をじっと見ているのだが。

視線が気になる。

どうせなら見つめ合いたいと思った。

恥ずかしがり屋だけど、俺に興味はある?様子だった。


日和ちゃんはショートカットでぱっちりとした目の、あまり天音さんには似てないがとても可愛い女の子だ。

どちらかというと早香に顔付きが似ている気がする。


見た目の印象とは違い、人見知りだった。

身長は俺の妹よりも断然低い。

……おっと、さっきから妹を基準として考えすぎてた。


俺の心眼で見ると日和ちゃんは……多分、小学生の一年生か二年生のどちらかだと思う。

色々となめまわすように観察したし、多分間違いないだろう。←ただの変態


気になったので目が合った瞬間に質問してみた。

……今だ!


「日和ちゃんは何歳?何年生なのかな?」

「……」 スッ


予想が当たってたかタイミングを計り確かめようとしたけれど、再び天音さんの後ろに顔を隠してしまった。

ぐはっ!?

幼女に避けられるのは心にダメージが……。


「日和、失礼だからちゃんと答えな。……ほら、頑張って!」


そんな日和ちゃんの行動を天音さんが軽く注意した。

べ、別に俺は悲しくなったりしてなんかないんだからねっ!


天音さんに注意された日和ちゃんは、少しの沈黙の後、その小さな口を少しずつ動かした。


「………八歳…二年生……です」


おっ!今度はちゃんと教えてくれた。

しかしながら、そう言い終わると直ぐに天音さんを盾に顔を隠してしまった。

予想が当たったのも嬉しかったし、頑張って教えてくれた日和ちゃんの仕草も可愛かったので満足だ。

良く頑張ったね、日和ちゃん!


「…まあ、日和にしては頑張った方だから気を悪くしないでね!」


そう言いながら天音さんは日和ちゃんの頭を撫でていた。

日和ちゃんは俺には見せてくれなかった笑みを天音さんに見せていた。

天音さんのその優しい表情はまるで母親のようで母性に溢れていた。


「気を悪くなんてしないよ。まだ、今日会ったばかりだからね。また何回かここにお邪魔する(決定事項)から、日和ちゃんもだんだん修史お兄ちゃんと仲良くしてほしいな!」←ここでにっこり笑顔


「………うん…」


日和ちゃんはゆっくり頷き小さな声で言った。

素直に嬉しかった。


「ありがと、日和ちゃん。もちろん、楓ちゃんも仲良くしてね。」

「はいです!こちらこそ仲良くして下さいね、修史お兄ちゃん!」

(修史お兄ちゃん…お兄ちゃん…いい響きだ!)


「勿論さ!」


そう俺は笑顔で答えた。


「それと、お姉ちゃんともずっと仲良くしてくださいね!」

「ふふっ、当たり前だよ!任せて!」


天音さんとはもっと仲を深めたいからね。

心配しなくて大丈夫だ。

天音さんに嫌われない限り、順調に関係は進むだろう。

そんな気がした。



(……ずっと仲良く…か。修史くんが本当にこれからもずっと仲良くしてくれれば……)


天音の脳裏に修史が笑顔で、「天音」呼んでくれる光景が浮かんだ。

天音は心に温かいものを感じた。


(……それは……とっても幸せな事……かも…ね)



会話を聞いていた天音さんは俺を見て嬉しそうにしてくれていた。


天音さん、楓ちゃん、日和ちゃん。

三人の可愛い姉妹と仲良くなれる気がした。

俺が三人に出来ることがあればなんでもやりたいと思った。

三人をもっと幸せにするために頑張ると、俺は心に誓った。


三森 かえで小6、11歳、ツインテールつり目美少女。しっかりもの。


三森 日和ひより小2、8歳、ショートカットはっちり美少女。恥ずかしがり屋。



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