表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/90

お風呂イベントがあったらしい

今、俺の心の中の天使と悪魔が、再び激しく戦いを繰り広げている。


悪魔①と②

「「一緒にお風呂?だったらついでに襲っちゃえよ!相手もまんざらじゃないぜ!男なら行くしかないだろ!」」


天使

「お風呂に一緒に入ることは当然だけど…襲うのはいけないよ!まだ、恋人になったばかりじゃないか!」


悪魔1,2

「「はぁ…。これだから童貞天使は…。」」


天使

「どどど、童貞じゃねーし(焦)」


…おい、俺の童貞天使。

一緒にお風呂に入るのは当然なのかよ!

まあ、そりゃあ平然を装って入るけどさ…。


念のため、お風呂に入った時に俺の「聖剣エクスカリバー」が大人しくしているように、精神統一を行う。


(俺よ、紳士でいたまえ。猿ではない!人間なのだから!理性的に行動するんだぞ!)


そうこうしていると、二階に着替えを取りに行った早香が帰って来た。


「こ、これ着替えに使って!」

「お、おう、ありがと!」


早香に上下黒のジャージを渡された。

これは早香のだろうか?

ふむ…テイスティングしてもよろしくて?


女の子が来ていた服を着ることを考えると、少しドキドキする。

まあ、それよりも今から一緒にお風呂に入るドキドキの方が上だけどね。

心臓がバクバク言ってるよ。

精神統一?そんなの出来なかったよ。


「じゃあ、わ、私先に入ってるから!」


早香は俺にジャージを渡すと、直ぐにお風呂場へ向かって行った。

俺は少し待ってから、お風呂場に向かうことにする。

決して服の脱げる音とか盗聴しない…つもりだった。


ー 5分後


(さて、そろそろ行くかな?)


リビングから廊下に出て、脱衣所の扉を開けて中に入る。

脱衣所の奥にお風呂のスモークガラスの扉があり、早香のシルエットがなんとなく見えた。


ボヤけて見えるシルエットを見ただけで、何だかいけない気持ちになってしまった。

扉を一枚挟んで、裸の女子高生が…。


(落ち着け!深呼吸だ!25歳の男が女子高生の裸見たくらいで…。だ、だめだ、JKブランド強すぎる!俺の心のA○フィールドがいとも簡単に砕け散りそうだ!)


何とか落ち着こうと深呼吸をしながら、ゆっくりと服を脱いだ。

取り敢えず、脱いだ服は近くにあった洗濯機の上にでも置いて置く。


ん?

そういえば洗濯機って…。

いやいや、落ち着け!


洗濯機の中に早香の脱ぎたての下着が入っているのではないかと一瞬考えてしまった。

だが、心を鬼にして決して洗濯機のふたを開けなかった俺を褒めてほしい。


着替えの早香のパジャマが、バスタオルの積んである棚の横に置いてあったので、隣に借りたジャージを置いた。

おそらく早香のパジャマの下には、お風呂上がりに着けるであろう下着がある。

それも見ようか迷ったが、俺は鋼の心を持って、見ないでおいた。

…誘惑が多過ぎて少し疲れてしまった。


(さて、修史、いっきまーす!)


心をきめて、いざ入ることにした。

ミニタオルを腰に巻き、お風呂場の扉に手をかける。


「早香、はいるよ!」

「ど、どうぞ!」


お風呂場の扉を開けると、湯船に浸かっている早香がいた。

腕を組むように胸を手で隠していた。


体の日焼けと焼けてない部分の差がはっきりとしていて、肌はきめ細かくツルツルしていそうだった。

お腹まわりも引き締まっており、美しいボディラインをしているのが分かった。


濡れた髪の色気や胸の谷間の存在が、女性らしさを強調していて今にも理性が飛びそうになった。


「「…っ!………………。」」


お互いがお互いを見つめ合い、何も言葉を交わさずに固まるという状況が出来ていた。

その静寂を破ったのは、早香だった。


意を決したような表情をしたかと思った次の瞬間…。


「…ごめんね、修史くん。…私、我慢できない!!」


早香はそういうと、凄い勢いで立ち上がり湯船から飛び出した。

俺は思わず、早香のその綺麗な裸を正面から全てしっかりと見てしまった。


飛び出した早香は手を広げ、俺の首に抱きつきキスをしてきた。


「っんぐ!?」


いきなりの事で、俺の頭がついて来なかった。

早香のむさぼるようなキスにされるがままになった。

しかし、自分の胸に当たる、柔らかな二つの果実の存在に気付き、つい興奮して途中から反撃をした。


「んっ!?あっ!…んん!」


すると、早香は驚いたのか心地よいのか、かなり何とも言えない声をあげた。


「んんっ!…んっ!…っ!…はぁはぁ。」


そして、いきなり体から力が抜けたようにペタんと座り込んでしまった。


いや、早香。

いきなり座られると…。

早香の目の前には当然、目の前にタオルに隠れながらも、これでもかと存在を主張する俺の聖剣があるわけで…。


「…えっ!?修史…これって…。あっ(察し)……ふにゅぅー。」


早香は顔を真っ赤にして倒れてしまった。


「え!?早香、だ、大丈夫!?」

「ら、らいようぶ…。」


早香の頬をペチペチと軽く触って反応を確かめたが、完全にのぼせてしまったようだった。

予想外の結末にあたふたしながらも、俺は早香を介護してあげた。


急いで早香の体を拭いてあげ、下着を…着せるのはハードルが高すぎたのでバスタオルを巻いて、リビングのソファーまで運んであげた。

お姫様抱っこで運んだが、早香の体は軽くてとても柔らかかった。


何も見ていないとは言わない。

ただ、早香の体の心配を優先させた。

…そんな俺は間違いなく紳士であろう。




「…あれ?ここは…どこ?」

「お、起きたみたいだね。早香、大丈夫か?」


ソファーの横に座り、早香の様子をみていたら目を覚ました。

バスタオル一枚の早香に何度も手を出したいと思ったが、何とか耐えきった。


「え!?修史くん!?あれ?なんで…あ!!」

(思い出した!…わわわ、私、修史くんにな、なんて事を…。嫌われちゃったかなぁ?)


早香は驚き上体を起こして俺を見た。

そして、お風呂での出来事を思い出したみたいだ。

少し不安そうな申し訳なさそうな顔をしている気がする。


「お風呂でのぼせたみたいだから、運んでおいたよ。大丈夫?」

「う、うん!大丈夫だよ。…ごめんね。その…色々と。」

(あれ?全然怒ってないし…むしろ…。修史くん…優しい。うう~、私ってば暴走して…うう~。)


何があったか理解した早香は反省しているようだった。

そんな早香を優しく撫で…ようとしたが、早香が動いたせいでバスタオルがめくれ、たわわな果実が姿を表した。

慌てて俺はそっぽを向いた。


「は、早香、それは大丈夫だからさ…服を着てくれないかな?」

「…えっ?…あ、キャア!!」


早香は俺の視線で、自分がバスタオル一枚という状況に気付き、顔を真っ赤にして急いで胸を隠した。

俺は後ろを向いて、服を着るように早香に促した。

早香は「ごめんね」といって脱衣場に走っていった。


しばらくして、早香は薄い水色のパジャマを来て戻ってきた。


「ほ、本当にごめんね。迷惑かけちゃって。」

(我慢出来ず襲っちゃうなんて…私のバカ!)


「全然、大丈夫だって!今日は疲れただろうし、もう休もうか!」

「う、うん。そうするね…。」


早香は落ち着いたみたいだった。

だけど、また申し訳なさそうにしていた。

落ち込んでいるようにも見えた。

…いや、落ち込まずまたやって欲しい。

頼むから。


「早香、さっきの事なんて些細なことだから気にしないで。落ち込む早香なんて見たくないよ。安心して!…そんな事で嫌いになったりしないから!」

「…本当に?」


上目遣いで確認してきた。


「勿論さ!」


笑顔で答えた。


「う、うん!…あ、ありがとね!」


早香は明るい笑顔を見せた。


「うん、やっぱり明るい早香が一番だよ!…大好き!」

「…っ!…修史くん。…えへへっ!私も大好きだよっ!」


気を落とす早香の表情が完全に元に戻った。

笑顔が一番だよね!

それにしても、たんじゅ…早香の表情が和らいで本当に良かった。


「…えい!」


早香は嬉しかったのか、いきなり俺に抱きつき、顔をグリグリと俺の胸に押し付けてきた。


…なんだこの可愛い恋人は!


そんな可愛い早香を抱き締めて、俺は幸せでいっぱいになった。

幸せを堪能しつつ、早香の部屋へと向かった。


あのお風呂での状況で襲ってきた早香にもびっくりしたが、冷静に対処して襲わなかった自分にも心底驚いた。


何だかんだ、俺は大人なんだなと少し自分が好きになった。

決してヘタレではない…はず。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ