早香と恋人になったらしい
「早香、いつもありがとう!実は俺、早香の事が好きなんだ!!!早香がそばにいるだけで俺は幸せなんだ!!幸せな気持ちになるんだ!だから、俺と付き合って下さい!」
この世界に来て、はじめての告白。
早香に向けて、俺は想いを言葉にした。
早香は驚き、目を大きく見開いて困惑していた。
俺は頭を下げ、右手を差し出す。
そのまま時間が経過し、どうしたのだろう?と顔を上げて前を向くと、早香はなぜかボロボロと泣いていた。
月明かりに照らされ、涙がキラキラと輝いていた。
あまりにも号泣しているので、俺はあたふたしてしまった。
「早香どうしたの!?大丈夫!?」
「…だい…じょう…ぶ。…修史くん…は、本当に…私なんかで…いいの?」
そんな早香の問いに俺は自信を持って答える。
俺は早香が好きなのだから。
好きになったのだから。
愛したいのだから。
この先ずっと隣にいて欲しいと感じたのだから。
「そんなの、いいに決まってるよ!俺は早香じゃないと駄目なんだ!」
「…修史…っ!」
そう言った瞬間、早香は俺に抱きついた。
俺の背中に手を回し、俺の胸に顔を当てている。
柔らかく温かい早香の存在を肌に感じた。
「ど、どうしたの!?…早香?」
早香の行動に俺は驚きながらも、そっと早香の背中に手を回した。
すると、早香はもっと強く抱き締めて欲しいと言わんばかりに、俺に回している手に力を入れてきた。
なので、俺も力を込めて、強く強く早香を抱き締めた。
(…修史が!修史が…私なんかを…好きに…。幸せだよっ…嬉しいよっ…大好きだよっ…っ…!!)
胸の中でわんわん泣き出した早香の頭を優しく撫でてあげた。
早香の温もりや柔らかさを感じた。
焦りと幸せな気持ちを感じつつ、早香が落ち着くのを待った。
ー
少しして、早香の呼吸が落ち着きはじめ、手の力が緩んできた。
なので一旦、少し離れ早香の顔を見た。
涙の後が残り、目のまわりが少し赤く腫れたようになっていた。しかし、その表情は幸せに満ち溢れていた。
「…ありがとね。私も…修史くんが…大好きだよっ!」
俺の目を見つめて天使のように早香は微笑んだ。
…ああ、なんて素敵なんだろう。
その笑顔に俺は完全に心を奪われた。
「今日から恋人としてよろしくね!修史くん!」
「…恋人…っ…。」
告白が成功したんだと今、頭が理解した。
心が喜びで訳の分からないことになっている。
だから一回、深呼吸して心を落ち着かせた。
「…嬉しい。本当に嬉しいよ、早香」
「私もだよ!修史くん!」
「これから恋人としてよろしくな!」
「うん!こちらこそ、よろしくね!」
早香と俺は見つめ合い、お互いに微笑んだ。
そのまま、しばらく見つめ会い、喜びの余韻に浸っていた。
すると、修史と早香、お互いに喜びが相手への愛しさへと変わっていった。
そして、相手の視線に引き寄せられるように顔が近付いて行った。
「早香…。」
「修史くん…。」
想いを確認しあうかのように、お互いに名前を呼びあった。
そして早香はその唇を少し突き出し、目を閉じた。
俺は早香の肩に手を置いて、早香の唇の位置を確認してそっと目をつぶる。
チュッ
唇と唇がそっと触れる。
初めては唇を軽く当てるだけの、とても優しいキスだった。
だが、しっかりとお互いの想いは確認することが出来た。
唇をはなし、また、見つめ合った。
時間にしては数秒程度だったが、それだけで十分幸せだった。
早香の唇はしっとり柔らかく、とても心地よかった。
「…えへへっ!き、キスしちゃったね…。…もう一回する?」
早香に「勿論だよ」と言う前に体が動いた。
早香を抱き締め、今度はしっかりとキスをする。
早香もそれを喜んで受け入れ、俺の首に手を回し強く唇を当ててきた。
俺は早香に、早香は俺に夢中になった。
早香への愛しさで、一回どころでは止まることが出来なくなり、何回も何回も熱いキスを交わした。
「この時間が永遠に続けばいいのに」と思うくらいに修史と早香は幸せだった。
ー
しばらくして、お互いに心の高揚がおさまってきた。
そして同時に恥ずかしさが込み上げて来ていた。
お互いに何か言おうとして話すタイミングが被り、譲り合うような状況が少し続いた。
そんなお約束な状況に俺は少し笑った。
「あ、終電とっくに終わってる…。」
「あっ!そうだよね!修史くん、帰らないと…って、ええっ!?もうこんな時間!?」
落ち着いたら、俺は帰らないといけないことを思い出した。
気付いたら時刻は夜の1時を回っていた。
告白から今まで、一時間半近くが経過していた。
大半がキスしたり抱き合っていた時間なのだが…。
…まあ、幸せだったからいいか!
「タクシー使って帰ろうかな?」
「そ、それは寂し…もったい無いからさ…。やっぱり家に泊まっていけばいいと思うよ!も、もう、夜も遅いし。ぜ、全然迷惑じゃないから!」
「そ、そうかな?…じゃあ、お言葉に甘えさせて貰うね!」
結局、早香の家に泊まることにした。
終電逃しちゃった→どうしよっか?→家にくる?みたいなお互いに分かりきってるやり取りになってしまった。
ー
早香の家に入り、またソファーで少し休ませて貰った。
さっきの出来事が現実だったのかと思うと嬉しくて、思い返してつい頬を緩めてしまった。
しばらくして、早香が俺の隣に座ってきた。
「お風呂準備出来たから、先に入っていいよ!」
「一番風呂いいの?早香、先に入っていいよ!」
「いやいや、遠慮しないで!修史くん先で!」
「いやいや、お構い無く!早香が先に入ってゆっくりしな!」
お風呂を先にと言われたが、申し訳ないと思ったので譲ろうとしたら、早香と譲り合いになった。
少し無言になりお互いを見つめた。
「…じゃあ、早香、一緒に入る?…なーんて」
「えっ!?しゅ、修史くんさえ良ければ…私は…その…いい…よ?」
「………………へっ!?………じゃあ、ぜひ!」
冗談で言ったのに、まさかのまさかで早香が「いいよ」と言った。
俺は驚いて固まったが、ハッ!っと我に返った。
そして、無意識にぜひとお願いをしていた。
…ここでやっぱ逃げるのは男らしくないよ…ね!?
「わ、私、着替え持ってくるから!少し待ってて!」
(修史くんとお風呂!修史くんとお風呂!修史くんの…。)
「あ、ちょっ。」
ちょっと待ってと言う前に早香は急いで二階へ上がって行った。
早香は顔が真っ赤だったが、何故か口元が少しにやけていた。
…さて、この状況をどうしようか?
好きになったらすぐ行動する修史です。
前の世界で悪い女性にさんざん引っかった経験があるので、本能的に性格の良し悪しが分かってしまうのです。




