天皇陛下の御心
-戦艦大和CIC-
「こんごう、敵駆逐艦との交戦を開始しました」
こんごう艦長は相当思い詰めている様子だ。無茶しなきゃいいが。
「艦長、天皇陛下の『お気持ち』の放送です」
「わかった。手の空いている者は拝聴するように」
中央モニターに陛下の玉顔が映る。
オペレーター等の必要最低限以外の乗員は立ち上がり、拝聴しようとする。
"……先の大戦から、70余年を迎えます。……私は、象徴天皇として日本国憲法を遵守し、再び大戦の惨禍が起こることのないよう、切に願ってきました。……しかし、かの国は平和を脅かし、日本国民を虐殺しました。天皇として、この状況に深く心を痛め……かの国に対し強い憤りを覚えずにはいられません。"
どきりとした。
天皇の政治的言動はタブーだ。が、陛下は敢えて『お気持ち』という天皇に許された最大限の意思表示手段をお使いになられた。
陛下は護憲派のはずだが、あきづきへのミサイル攻撃は陛下の御心を揺るがすものであったに違いない。
そして内心喜んでしまう自分がいる。
息子を殺され、復讐心に燃える私にとって、陛下のお墨付きは魅力的だ。まさに『錦の御旗』と言える。
だが、私は498名の部下を預かる戦艦大和艦長だ。自制せねばならん。
陛下のお気持ち表明の間に、作戦は第三段階に移行する。
「艦長、無人護衛艦爆弾の信号、途絶えました!」
「「!!」」
"哨戒ヘリ62号機より戦艦大和へ!!無人護衛艦爆弾命中!!"
「「やった……!!」」
若い幹部や隊員を中心に歓びを爆発させる。
無人護衛艦爆弾の恐怖は、人民解放軍に植え付けられたに違いない。
私は帽子を被り直し、マイクを取った。
「総旗艦戦艦大和より達す。これより作戦は第四段階に移行。中国大陸沿岸に急ぎ向かう!!」
レールガンを誇示しつつ中国大陸沿岸を遊弋し、中華人民共和国にプレッシャーを与えるのだ。レールガンの射程は800kmを超える。
大和が抑止力となり、戦闘を終結せしめる。
尖閣諸島奪還作戦。
俺たちの戦いはこれからも続く。
いかがでしたでしょうか!?
尖閣諸島奪還作戦これにて完結です。




