セポルルート
セポルを置いて二人で帰ってもし何かあったら目覚めが悪い。
「しかたないわね」
私は取っ手のない扉に手をつく。
「じゃあいこうか!」
嬉しそうに笑うセポルと一緒に扉をおした。
「へえ…結構可愛いんですね」
結構ってなによ。
「いくら神様でもあげないよ!?」
私セポルのものじゃない。
「私のマーベルには劣りますが」
ノロケるんじゃないわよ。
「神様が天界で暴れてるって聞いたわ、どうして?」
「私がカミュレットの創った世界を壊したいからです
この天界や君達のいる魔界もカミュレットが作ったものですから」
は?とは思ったが、さすがに神サマ相手に失礼なので黙っておく。
「えーなにそれー」
セポルはゴッドの言っていることがよく理解できていないようだ。
「でも魔界を壊していないんのだからいいじゃないですか」
たしかに魔界は無事だけど…。
「それもそうね」
確かにヤミュエル以外にここに来る理由はないから、私は魔界のほうが天界より大事だ。
でも魔界もカミュレットが作ったものなのに天界に拘るのはなぜか、気になるけど目をつけられたら嫌なので余計なことは言わないでおこう。
「玉座も壊したのでそろそろ帰りますよ」
ゴッドが指をふると、私達は扉の外へ追い出された。
「じゃあ追い出されたことだし、僕等は帰ろうか」
「でも私、ヤミュエルに会いに来たんだけど」
「えーなんで天使に会いたいなんて言うの?」
セポルは頬をふくらませながら、ブツブツ文句を言っている。
「別に深い意味はないわ」
これは苦し紛れについた嘘だ。
ヤミュエルが気になって仕方ない、なんて言えるわけがない。
「もういいよ!」
セポルはスネて一人で家に帰ってしまった。
仕方ない、私も帰ろう。
あれ以来セポルが何日もここに来なくなった。
いつもいるやつがいなくて、なんだか変な感じ。
庭で缶詰肉を食べていると、誰かに肩を叩かれた。
「セポル…?」
「セポルに会えなくて寂しいのか」
ロレウスだった。
「寂しくないわ!!」
嘘、ほんとうは会いたくてしかたない。
幼馴染みと比べればあいつと付き合いは短い。
それでも、庭に出ればいるのが当たり前なくらいだ。
「思い出なんて全然ないのに不思議…」
ロレウスははじめから私の気持ちに気がついていて、面白がっているようだ。
「別に寂しくないけど、仲直りしたくないわけじゃないわ」
それにしても、どうしてセポルが怒ったのかわからない。
悪魔ならわかるが、なぜ冥界の出とはいえ神の息子が天使を毛嫌いするのかが、わからない。
気になる。本人に会って聞かないと。




