レウスend
どうやって逃げ出すか、鍵を開ける方法を考えた。
この檻は、目をこらさないと見えない障壁があり、小さくなって隙間を抜けることもかなわない。
「ビスティエ」
どこからか、レウスの声がする。
「レウス!どうしてここに!?」
理由も言わずに、レウスは鍵を開いた。
「さ、早くここから出るんだ」
「でもそんなの…!」
そんなことをしたらレウスが魔王に処罰されてしまう。
「いいから、大丈夫だよ」
どうしてレウスは、私を助けてくれるのか、わからない。
けれど、断ればレウスのしたことが無駄になる。
私は城の地下を抜け出す。
ネシスの独断であったことが幸いしたのか、警備は薄かった。
「魔王様が花嫁を探しているよ~!」
ローブで姿を隠して、ビラを配る。
次々に女達が城へ押し寄せた。
「ふーこれにて一件落着ってやつかしら」
レウスの様子を見に行こう。
「レウス…なぜあんなことを」
「…のようになってほしくないと、思ったからですよ」
「あら、お取り込み中…?」
なんの話をしているのか、聞くのはやめよう。
「お前…よくも顔を出せたものだ」
「フン、自分の手柄のためにか弱いレディに酷いことをした小物に言われたくないわよ!!」
「ビスティエ、存外兄上と仲がいいんだね、…殺しますよ兄上」
レウスの虚ろな目に、ネシスは無言で去っていく。
レウスは私が心配しなくても一人で大丈夫だったんだわ。
「さてと、私は屋敷でビーフを食べることにするわ」
「そうですか、さようなら」
…レウスはもう私の屋敷に来ないつもりなの?
そうだ、来ていたのは魔王の嫁候補だったからだ。
レウスが屋敷に来る理由はもうないのだ。
そう考えると少しだけ寂しいかも。
「次は僕の屋敷に来てください」
「公爵はネシスじゃなかった?」
両親がなんらかで消滅して、ネシスは数年前にフォルゾイ公爵になったと、地下牢内の噂で聞いた。
「ふ…」
「気が向いたらね」
意味深な笑みを浮かべて、レウスが去っていった。




