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悪魔令嬢  作者: 滝革患
19/27

ネシスend

「もうわかったわよ、魔王様の妃になる(たぶん)だから、ここから出して」

(どうせ、これを言わせたかったんでしょうよ)


「無理だ」

「…なんで?」

「さあな」


(こいつまさか、本気でここを出る方法を知らないわけじゃないわよね。

しらばっくれているだけなのよね)


なんだか変な煙が、むくむくと隙間に入り込んできた。

何者かが崩れた岩の向こうから焚いているのだろう。


「なんだこの匂い…」

ネシスは地に膝をついた。


「これ、毒煙ポイズンスモークなの!?」

しかし、意図してネシスだけを狙ったのか、私には効果がないようだ。



「‘異界の女大魔王アンラー’‘彼の者へ絶対なる障壁を’」

ネシスの体全体に煙が近づかないようにバリアを張った。


「助かった、礼を言おう」

「別に、礼を言われるまでもないわ」

助けたのは、見捨てて消えられるるのは目覚めが悪いというか、ネシスを助ければ恩を売れるかもしれないと思ったから…公爵家の奴だし。


「とにかく、ここから出ないと…大魔王の魔法なんてさすがの私でも長くは持たないわ」

「この岩を如何にして始末するか…」

壊す他にどうすれば岩を消せるのか、洞窟を揺らさず岩だけ。


「槍で地道に粉にするか」

ネシスはどこからか、とりだしたランスの先で岩をカリカリと削りはじめた。


さすがに時間がかかる。

悪魔は気が長いが、こんなところは落ち着かない。



方法を考えていると、なにやら上から水滴が落ちてきた。


「そうだ…溶かせばいいんだわ!」

岩をドロドロの液状に溶かして、ようやく抜け出せた。



というわけで、ネシスから逃げるのを再開する。


丁度よさそうなボロ小屋をみつけた。


「ここなら見つからないわよね」

「それはどうだろうな?」

なんということだ。背後にネシスがいる。


「お前がどんなに逃げようと、また密室を作るまでだ」



私はどうやらネシスから逃げられないらしい―――。

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