フィッシエルend
「フィッシエル、天使と悪魔は相容れない存在だが、神が初めから悪魔として、我々の敵対者としてお造りになったものだ」
天使と悪魔は双方が存在しなければ均衡が崩壊する。
この世界には白か黒、善か悪がある。
悪を無くせば、それを補うために善が悪にならなければならない。
ヤミュエルはフィッシエルにそう説明した。
「そんなこと…はじめからわかっていた」
「だったら、そんな装置を作ったワケ、あるんでしょ?話してよ」
フィッシエルは、頷いて、悪魔を天使に変えようとした理由を話し始めた。
新たな神は多くの管理天使を“堕天使に変えた”
そのせいで“天使が減ったから”
バランスを取るために“悪魔を減らす”
そう思いたったのだと。
「なら堕天使を天使に戻せばいいじゃない」
「その発想はなかった」
やっぱりフィッシエルって馬鹿なの。
「しかしこれは悪魔用に造られたもの―――――」
フィッシエルは私の腕を掴み、装置に押し付けた。
「ちょっと!」
フィッシエルは腕力が弱く、簡単に押し返せた。
その目に光はない、彼に正しい意識はないようだ。
「あんたフィッシエルじゃないわね!?」
そう告げるとフィッシエルが倒れて、動かなくなった。
「…なんだ、もうお仕舞いか」
「アンタ誰!?」
男の背には悪魔、天使の翼、見たことのない羽が生えている。
「私はゴッド…父カミュレットの創造した世界を荒らすため、次元を越え、ようやくこちらに出られた」
「神様の息子…ならあんたも神様!?」
ゴッドは君の悪い微笑みを浮かべた。
「私達を壊しに来たの!?」
「そうしたいが私の力では壊せない、だからお前達が自ら崩壊させるよいに仕向けたのだ」
ゴッドは父親である創造神カミュレットの力には敵わない。
それなら、カミュレットの造った私達が滅ぼし合えばいいと考えたようだ。
「そんなことにはならないわ!!」
私はゴッドをしっしと、追い払う。
こんなことしたら怒るどころか、消されるではないかと、いまさら気がついた。
「ふふ…壊してやろうかと思ったのに。また来るよ」
ゴッドは酷い扱いをした私を咎めるでもなく、ただ去っていった。
世界を破壊できなくとも、私だけ消すなら、神の息子なら簡単ではないのか。
そんなことより、こいつを起こさないと。
「フィッシエル!起きてよ!!」
「なんだ悪魔か」
「新たな神は去った…
となれば創造神カミュレットが戻る日も近いだろう」
そう言ってヤミュエルは部屋を出た。
「あの装置を使ってからまったく記憶がない」
「それより堕天使に装置を使って、天使に戻してあげて」
「その発想はなかった」
ゴッドに操られていたときも同じことを言っていたわね。
「あいつらが素直に応じるかわからないが…試してみる価値はある」
「仕方ないから私も協力してあげるわ」




