サブend名も無き門番
こっそり天界に行こうとして、門の近くに行くと、通る悪魔を監視している門番がいた。
いつもサボっていたくせに、なぜ今日はいるのだ。
「向こうにいる悪魔さん、こっちにおいで」
「私は焼いても美味しくないわよ」
「いくら天使が炎から生まれたからって、いつも肉を焼いていると思わないでくれよ
それに、氷を炙って水にしてもしかたないよね」
天使は炎、悪魔は氷でできている。
だから天使は悪魔を余裕で貶せるというわけね。
「今日はどうしているの?」
「門番だから」
「いつもはいないじゃない」
「そうだね、姿は見えていなくても君が天界に行き来していたのは、観てたよ」
私はこっそり忍び込んだつもりが、門番には筒抜けであったようだ。
「魔王にバラされたくなかったら、ボクと付き合ってよ?」
「なんでよ」
「門番って可愛い子との出会いがないからさ」
「下級悪魔は天界に行ってるんだから
出逢いはあるでしょ」
そもそも門番は天使なのだから、悪魔の女でなく天使の女と付き合えばいいのだ。
「天使は天使と付き合えば?」
「へー君がそれを言うんだー」
門番はジト目で見ている。
なんのことか、すぐに気がついた。
私は悪魔だけど天使のヤミュエルに恋煩い中。
この門番とまったく変わらないことに。
「ボクに恩を売っておけば、天界に自由に行き来できるかもよ?」
「しかたないわねビーフ缶をあげるわ」
「それいらないから…一回お茶してくれるだけでもいいよ」
どうしたものか、門番にしつこく迫られるなんて、想像もしてなかった。




