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少年と少女たちは挑む

 竜の危険が常につきまとうアステエミリアでは、竜の動向を確認する偵察が重要しされている。

 偵察のほとんどは都市の軍隊が行っており、軍隊が得た竜の情報はすぐさま近隣の村に伝えられる。

 軍隊がしてくれるのはそこまでで、情報を聞いた村はギルドに依頼して竜の討伐をする。

 つまり、竜の討伐にかかる経費は全てその村が持つことになる。

 この制度は村に金銭的な負担がかなり大きい。

 金のない村は、ギルドに仕事を依頼することができず村を捨てる時もある。

 だがその結末は、大抵砂漠を移動中に竜に襲われて全滅だ。

 今回の依頼はそんな制度が生み出した闇の部分が色濃く出ていた。



 トレーラーで移動すること二日。俺たち第七旅団は予定通りに村に到着した。

 第七旅団の滅竜士メンバーが村に入ると、村長の男が出迎えた。痩せこけた顔をしてる。歳は五十代後半ってところだが、滲みでる哀愁がさらに村長を老けて見せた。

 村長が両手を広げて歓迎する。

「遠路はるばるよく来てくれました。村長をしております、ミグラと申します」

 差し出された村長の手をユーリアが握る。

「戦乙女旅団第七旅団団長のユーリア・ヴィルヘルムスです。さっそくですが、軍からの偵察報告を聞かせて頂けますか?」

「もちろんです。では、私の家にどうぞ」

 村長に促されてユーリアが歩き出す。

 それにしてもなんか居心地がわりぃな。

 集まった村人たちから感じる視線が妙に痛い、というか気持ち悪い。

 全員、どこか後ろめたそうにこっちを見てる。

 周囲を確認していると、先に歩くユーリアが話しかけてきた。

「リンク、エーファ、シャルロッテ。貴方達は先にエルトリスの群れの偵察をお願い」

 軍の報告と現状を比べるためだろう。

 普通、竜と一戦交える時はそうするのが鉄板だ。

「りょーかい、団長様」

「わ、わかりました」

 男の俺と組まされて少し青い顔をしたエーファが頷く。

 すると、村長が口を挟んできた。

「そんなに急ぐことでもないでしょう。まずは私の家で休憩でもしていったらどうですか?」

「ありがたい申し出ですが、事は急ぎます。今日中にエルトリスを迎え撃つ準備がしたいのです」

「そうですか」と村長はすぐに引き下がった。

 俺とエーファは踵を返してトレーラーに戻り、エアライドに跨った。

 俺のエアライドの最終調整をしているアルマに声をかける。

「なーんか、変だよな」

 作業の手は止めずにアルマは答えた。

「うん? 何が?」

「ここの連中。こっちを変な目で見て来るし、村長は妙に優しいし」

「うーん。普通の人にとって滅竜士はやっぱりおかしい人に見えるんじゃないかな? 村長は村を救ってくれる人だから優しいのは当たり前じゃない?」

「いやでもさ。普通、明後日には村に竜が来るっていうのに、急ぐこともないとか言うか? 普通、切羽詰まった感じになるだろ」

「まぁ確かに。――よしできた!」

 手元でペンチをクルリと回し、アルマは立ち上がった。

「ま、何がおかしくてもリンクのやることは変わらないでしょ。偵察言ってらっしゃい」

 まったくもってその通りだ。

「うぃーす。そんじゃ出ますわ」

 エンジンをかけて、そのまま砂漠へと飛び出す。その後ろをエーファとシャルロッテが乗るエアライドがついてくる。

 すると耳のインカムからシャルロッテの声が聞こえる。

『リンクさん、エーファさん、エルトリスの群れは北方向に約一二〇〇キロの地点にいます。できるだけ早く確認したので飛ばしますわよ』

 とシャルロッテが追いぬいて行く。

「りょーかい」

「了解です」

 竜の偵察にはクソ時間がかかる。なにせ一日二日後に来る竜を偵察しに行くのだ。一日かかるのは当然だし、時には一週間かける時もある。

 今回は時間がかからない方だ。小休憩をいれつつ、半日で群れを目視することができた。できたんだが……。

「おいおい、これはいったいどういうことだよ」

 それを見て思わず呟いてしまう。てか呟かずにいられるか。

 シャルロッテとエーファも群れを確認して唖然としている。

 双眼鏡で確認したエルトリスの群れは事前の報告で聞いた三倍の数はいた。

 百体にもなるエルトリスの群れが北から南下をしている。

「こりゃやられたな」

 前の村での誤差とはわけが違う。

 おそらくだが、村長と村人の様子を見る限り、故意に報告する数を減らしたようだ。

 百体のエルトリスの群れは中規模だ。滅竜士五人の小隊で相手をする規模じゃない。

 普段から余裕のあるシャルロッテも、流石にこの事態に深刻そうな表情を浮かべている。エーファは顔を真っ青にして震えている。

 シャルロッテが言う。

「急いで戻りましょう」

 短くそう告げると、俺たちは急いで村へと戻った。

 日が沈み村人が寝静まった頃に俺たちは村へと戻った。あまりにも早い帰還に第七旅団のメンバー達は驚いていたが、その理由を聞いて全員深刻そうな顔をする。

 ユーリアとシャルロッテ、そしてなぜか俺で村長の家を訪問する。

 深夜に起こされた村長は迷惑そうな顔をしたが、理由を話すと「中へどうぞ」と俺たちを招き入れた。

 村長とユーリアがテーブルを挟んで座り、俺とシャルロッテは後ろで控える。

 開口一番、ユーリアはズバッと聞く。

「これはどういうことですか?」

 その声は怒りが籠っていた。

 まぁ当然だわな。

 村長は苦々しい顔で答える。

「仕方がなかったのです。見ての通り私の村は貧しい。百体もの竜を討伐するためのお金など用意できるはずもありません」

 いきなり言い訳かよ。

「ですが、これは明らかな規定違反です」

「それはわかっています。お願いします。どうか竜を倒してください」

 村長は頭がテーブルにつきそうなくらい頭を下げた。

 まぁ気持ちはわからんでもないが、今回ばかりはな。

「無理です」

 はっきりとユーリアは切り捨てた。

「中規模のエルトリスの群れを討伐するには、現在の戦力では到底不可能です」

「そこをどうか!」

 頭を下げ続ける村長にユーリアはため息をつく。

「援軍を呼びます。今から連絡をすればまだ間に合います」

 バッと村長が顔を上げる。

「それはできません! 村にはこれ以上お金を出す余裕はありません!」

 その言葉を無視してユーリアは立ち上がった。

 長距離無線で連絡を取るつもりだろう。

 それを察した村長が動く。ユーリアよりも早く部屋を出る。

 あのバカ、まさか!

 急いで村長の後を追う。しかし、村長に追いつく前に激しい騒音が聞こえる。

 村長に追いつけば、その部屋には長距離無線が床に叩きつけられて壊れている。それを見つめ息を切らせる村長。

「バカかお前は! 長距離無線を壊せばどうなるかわかってんのか!?」

 村長が俺を見た。その目は据わっている。

「どうなるかだと? こうすればお前らだけで戦うしかなくなるだろ!」

 激昂する村長。

 とうとう本性を現しやがったな。

 確かに長距離無線がなければ援軍は呼べない。だけど、俺たちにはまだ戦わないという選択肢がある。それを考えられないほど今の村長は錯乱している。

 遅れて来たユーリアが言う。

「村長。私達、戦乙女旅団はこの依頼を受けることはできません」

「なんだと!? 貴様は村を見捨てるというのか!? 村には二百人いる! 彼らを見捨てるというのか!?」

「……」

 村長の言葉にユーリアは答えない。黙ってその場から歩き出す。ユーリアを追ってシャルロッテも歩き出し、そして俺も。

 村長が慌てて叫ぶ。

「ま、待ってくれ! 頼む! どうかこの村を救ってくれ!」

 後ろから聞こえる声にユーリアは振り向くことはなかった。

 駐在するトレーラーへの帰り道にシャルロッテが呟く。

「この村、どうなってしまうんでしょうね……」

 わかりきったことを聞くヤツだな。いやわかってるからこそ聞かずにはいられないのかもしれない。

 長距離無線は貴重品だ。数千キロ離れた場所でも中継アンテナを経由して連絡を取ることができる。そしてこのアステエミリアでは長距離無線は生命線でもある。竜の接近がわかった時、長距離無線でギルドと連絡を取るからだ。

 もうこの村は終わりだな。

 そんなことを思っていると、シャルロッテが顔を覗きこんでくる。

「ねぇ、リンクさん。貴方は今回の件どう思います?」

「どうもこうもねぇよ。こんなことよくあることだろ。村なんてどこ行っても金欠だ。依頼料けちって嘘の報告をするなんてザラだ」

「そうですわね。でも、今回は特にひどいですわね」

「まぁな」

 なにせ三倍の数を誤魔化そうとしたんだ。こっちに死んでくれ、と言っているようなもんだ。

 さっきから黙っているユーリアに尋ねる。

「なぁ、ユーリア。本当にこのまま帰る気か?」

「……」

「俺たちが帰ったらこの村全滅だぞ?」

「……」

 無視かよ。

「おーい、ユーリアさーん。団長サマー」

「ちょっと黙ってて!!」

 ユーリアの苛立った声が響いた。

 ずいぶんと余裕がないことで。

「黙らないね。それでどうするんだ? 本当に帰る気か?」

 ユーリアの鋭い視線を浴びる。

「……それ以外どうしろっていうのよ。貴方には何か考えがあるわけ?」

「なくもないぞ。ていうかお前も俺と同じこと考えてるだろ?」

「……」

 何も言わずユーリアは先にトレーラーに帰ってしまう。

 呆れた声でシャルロッテが言う。

「リンクさん、あまりユーリアさんを刺激しないでください。今回、私、同室なんですのよ」

「それは悪かった」

 あの不機嫌なユーリアと一緒に寝るのはさぞ嫌だろうな。

「ユーリアはどうする気かねぇ」

「おそらく明日中に村を出るでしょうね」

「二百人の村人を見捨ててか?」

「……リンクさんは人が目を背けていることをズバッと言ってきますわね」

「今は目を背ける時じゃないからさ」

「では目を背けずにいったいどうするのですか?」

「決まってんだろ。立ち向かうのさ」

 シャルロッテは少し間を置いてから言う。

「リンクさん、貴方はとても強いのですね」

「ああ、俺は強いぜ。だけどな、今回ばかりは俺だけじゃどうにもなんねぇ。この状況をひっくり返すにはお前らの協力が必要だ」

「そういえば考えがなくもないと仰っていましたわね。聞かせていただけますか、貴方の考えを?」

「それは全員の前で教えてやるよ。シャルロッテ、全員を集めろ」



 深夜、トレーラーのブリーフィングルームに第七旅団の滅竜士と整備士が集められる。総勢十二人。手狭なブリーフィングルームは第七旅団メンバーで埋め尽くされている。

 その中で俺は上座を陣取り、地図が置かれたテーブルを叩く。

「この現状をひっくり返すぞ」

 俺の一言にシャルロッテとユーリア以外目を見開いて驚いた。

 アルマが厳しい表情で訊いてくる。

「ひっくり返すって本気?」

「本気も本気、大マジだ。この現状をひっくり返せるヤツが俺ら以外誰がいる?」

 続けてシャルロッテが訊く。

「エルトリスの数は約百体。明日の昼頃にはこの村にやってきます。時間も滅竜士の数も足りない現状をどうひっくり返すというのかしら?」

 現状は圧倒的に不利。戦うことは死に繋がる。

 ならば、俺達にやれることなんて決まってる。

「逃げる。全力で」

 一瞬、ブリーフィングルームに冷たい空気になった。

 ハイデが大きな欠伸をする。

「アンネ、私眠いから寝ていいかな?」

「おいおいおい、ハイデ。人の話は最後まで聞けって。別に俺達だけで逃げるなんて一言も言ってないだろ」

 ユーリアが俺の言いたいことを代弁する。

「つまり、貴方はここの村人を連れてグレンダへ撤退しよう、というのね」

「その通りだ、団長様。これが俺達がこの現状をひっくり返す唯一の方法だ」

「無理ね」

 ユーリアが切り捨てた。

「第七旅団のトレーラーに乗せられる人数は百人。この村には中型のトレーラーがあるけど、それに乗せられるのも五十人が限界でしょうね」

「それはトレーラーの規格上の話だろ。無理詰め込めば二百人はいける」

 アルマが整備士の視点から反論する。

「それはダメ。そんなことしたらトレーラーの速度がでない。結局、エルトリスの群れに追いつかれるよ」

「それは俺達、滅竜士でどうにかする。俺達は入れ替わりで群れに攻撃して時間を稼ぐ。深追いはしない。一撃離脱で群れをかく乱する。その間にトレーラーはグレンダに向かうんだ」

 全員が黙って考え込む。

 まぁ当然だ。はっきり言ってこれは運任せの作戦だ。

 一撃離脱を繰り返してどのくらい時間が稼げるかわからない。トレーラーで二日、速度が出ないことを考えれば三日間、滅竜士が攻撃を繰り返すなんて負担が多すぎる。そしていつか必ず群れには追い付かれる。問題は多い。欠点だらけの作戦だ。

 いや、もうここまで来たら作戦なんてもんじゃねぇな。ただの悪足掻きだ。

 こんな悪足掻きにのってくるヤツなんていない。そんなことはわかってる。でも、それでも俺はこの戦乙女旅団に一筋の望みを抱いてるんだ。

 俺は声を張って言う。

「俺はギルドが嫌いだ」

 シャルロッテが首を傾げる。

「突然なんですの?」

「まぁ聞けって。――ギルドは金儲けが目的の滅竜士の集まりだ。金のねぇヤツは相手にしないし、タチのわりぃギルドだと法外な金額を吹っ掛けるヤツもいる。俺はそれが嫌でギルドに入ってこなかった」

 全員が俺の言葉に黙って耳を傾ける。

「だが戦乙女旅団は違う。俺はこの数日で二回お前たちと一緒に戦ってきた。一言で言えば最高だった。今まで感じたこともない感覚だったんだ。誰かを守るため誰かが戦う。そんな関係がお前たちにはあった。俺のギルドの理想がここにはあるんだ」

 誰とも知らないヤツからの通信を信じて駆けつけてくれた。仲間を守るためにエアライドの安全装置を千切って戦っていた。

 そんなギルドは今まで見たこともなかった。俺はギルドってヤツを過小評価してたんだ。

「旅団にとって俺はただの痴漢とか、クソ生意気な新人だとか思われて嫌われてるんだろうけど、俺はこの戦乙女旅団が好きだ」

 第七旅団メンバーが唖然とした顔をする。

 まぁいきなり好きだなんて言われたらそうなるよな。

 そんな中、ユーリアが顔を赤らめて言う。

「ふ、ふん、い、いきなり何を言うかと思えばす、好きとか……。完全な一方通行なのよっ。はた迷惑よ!」

 アルマが苦笑する。

「ユーリア、そんな顔を赤らめて言ってもぜんぜん迷惑そうに聞こえないよー」

「赤らめてないッ!」

 シャルロッテがやれやれといった感じで言う。

「仕方がありませんわ。ユーリアさんは旅団が大好きですから。旅団のことを褒めばチョロいですわ」

「チョロくない!!」

 ぜいぜいと息を荒くするユーリアがギロリと俺を睨んだ。

「で! 貴方は結局何が言いたいのよ! おべっかを使っても貴方のやったことは許さないわよ!」

 あーやっぱまだ覗いたことは許してくれてないのね。まぁいいけど。

「ちげぇよ。俺が言いたいのは俺が認めた最高のギルドなら、この最低最悪の悪足掻きみてぇな作戦もやり遂げられるってことだ」

 俺は第七旅団メンバーを見回す。

「最高のお前らならやれる。誰でもないこの最強の俺が認めてやる。このくそったれな現状をひっくり返せるのはお前達だけだ」

 一瞬の静けさ。

 最初に口を開いたのはシャルロッテだった。

「それは無理ですわ」

 続けてハイデ、アンネと続く。

「そうだね。無理無理」

「はい。無理です」

「……」

 やっぱ俺が何言っても無理か……。

 まぁ仕方がねぇ。作戦が作戦だ。誰だってこんな作戦にのりたくねぇだろうからな。

「わかった。なら俺一人――」

 でもやらせてもらう、と続けようとした言葉をシャルロッテに遮られた。

「私達だけでこんな現状をひっくり返せませんわ。だから――貴方も手伝いなさい、リンクさん」

「え?」

 アルマが呆れた表情で言う。

「あのね、リンク。そこまで言っておいてお前達だけだ、はないよ。ここは俺達だけだって言ってくれないと」

 ハイデがイソラを指さす。

「アンタが立てた作戦なんだからアンタも参加するのがドーリってもんでしょ!」

 アンネが恥ずかしそうに言う。

「私はリンクさんがいてくれると、とても心強いです」

「……」

 嗚呼、なんだよ、コイツら。

 やっぱり最高じゃんか!

 シャルロッテが隣に立つエーファを小突く。

「ほら、貴方もさっきから男性恐怖症を発症してないで、何か言ったらどうなの?」

「はひ! え、えっと、その、あのだから、わ、私は男性恐怖症で、リンクさんは怖いですけど、今のリンクさんはどう見ても女の子なので頑張ります!」

 え? なんか俺、貶された気分なんですけど……。

 ドッと笑いが起こる。

 アルマが笑いながら言う。

「あはは、エーファそれはないよ。確かに今のリンクはどう見ても女の子だけどっ」

 アルマが俺を見て「ぷっ」と吹き出す。

 ハイデがお腹を抱えて笑う。

「今思うとアンタ、女装して啖呵切ってたのよね。すごい似合ってるから忘れてた。あははははは」

「ハイデ、そんなに笑ったら、リンクさんに失礼なのです」

 アンネは注意してくれてるけど、笑いを必死にこらえてるのが見え見えだ。

 コイツら、後で覚えてろよ……。

 ユーリアは呆れ顔でため息交じりに言う。

「ほら、リンクをイジるのはそこまでにしておきないさい。気持ちはわかるけど」

 わかるですね、気持ち。

 ユーリアが真摯な視線を向けてくる。

 笑いは途切れ、全員がユーリアの言葉を待った。

「言っておくけど私達をのせたからにはそれなりの働きはしてもらうわよ」

「おいおいおい、お前がそれを言うのか? 俺の強さを一番わかってるのはお前だろ、ユーリア」

 ユーリアが不敵な笑みを浮かべる。

「そうだったわね」

 ユーリアは第七旅団メンバーを見回し、そして宣言する。

「これより第七旅団はトイア村の村人を連れてグレンダへと撤退します。おそらく第七旅団設立以来最も危険な作戦になるわ。だけど私は誰一人として死なせる気はないわ。貴方達も何がなんでも生き残る覚悟で戦いなさい!」

「「「「了解!!」」」」

 意志は統一された。

 後は行動するだけだ。

 第七旅団メンバーがブリーフィングルームを去って行く中、俺は自分の掌を見つめて呟く。

「やってやる。俺が、俺達がこの現状をひっくり返す」


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