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とりあえず解散

「もうお昼か。よし!今日はもういいだろ。各々練習しとけ。俺は帰って飯食うから」


そう言ったらみんなずらずらと帰宅準備を始めた。


ボールを片付けて、自転車へまたがる。


とりあえず磨里亜の家まではみんなで。


「んじゃ俺は飯食うから帰るわ。また明日にでもやるか」


磨里亜の家の前で解散した。


…はずだった。


「…何しに来た?」


家に入った直後、インターホンが鳴ったので出てみたらやつ等が揃いに揃って玄関の前にいた。


「午後もドッジボールやろう!」


鳴海にそう言われた。


そうは言われても俺にも予定がある。


クーラー聞いた部屋でのんびり録画した番組を見たい。


なんで外でガキンチョと一緒に遊ばなきゃいけないんだよ…。

暑いし。


「暑いからヤダ」


「えー!良いでしょ!ねぇ!」


「ヤダ」


「彩萌!」


鳴海が不意に彩萌の名を呼んだ。


「牛乳を温めた時に表面に膜が張る現象のことをなんと言うでしょう!」


「あ゛?」


突然すぎて変な声が出てしまった。


「さあ答えてください!」


「ラ、ラムスデン現象…」


「…っく!正解です…」


なんだか悔しがっているがなんだかよく分からない。


「さぁもう1問行きますよ!」


そう言って指をさしてきた。


「けんだまはどこの国発祥の遊びでしょうか!」


「日本じゃねーの?知らんけど…」


「残念!フランスです!」


知らんかった…。


って、そうじゃなくて!


「何しに来た?シャワー浴びねーと風邪引くぞ?飯もまだだろ?」


するとこむぎが得意げに答える。


「磨里亜ちゃん家からカップ麺もらった!」


そう言って見せつけてきた未確認飛行物体の名を冠したカップ焼きそば。


「…は?なぜ持ってきた?」


「皆でおにーちゃんちで食べようって」


磨里亜が笑顔で言った。


「ヤダ」


「おじゃましまーす!」


なっ!?


玄関を閉めるより早く家に入られた。


「俺は録画に溜まってるアニメが見たいの!」


「そう。それ見てていいからお湯貸してよ」


こいつら…。


結局お湯はやかんで沸かした。


やかんを火にかけているときに同時進行で自分の分を作る。


「にーちゃん!今日の昼飯は何つくるの?」


小春が聞いてきた。


「コーンの缶詰」


「…焼きそばちょっと分けてあげようか?」


「やめろ!小学生に恵んでもらうわけにはいかん!そしてそれだけじゃないからな!」


「じゃあ何?」


「果物の缶詰」


「かわいそう…」


「おいゆき!かわいそうって言うなよ」


「おにーちゃんは料理ができないのです」


「磨里亜説明しなくていいぞー」


そんな話をしてたらお湯が沸いた。


笛吹きやかんのピーって音は目立つ。


「なんかお前ら火傷しそうだから俺がやってやるわ」


そんなわけで6人分にお湯を分けた。


「そういえば、アニメ何見るの?」


小春に聞かれた。


「ん?妖精大戦争」


知ってるわけがない、と思いつつ言ってみた。


深夜アニメだし。


「ああ、あれね。どこまで見た?生き別れた兄が敵になったとこらへん?」


「は?何それ?」


「あれ?見てない?じゃあ自軍が壊滅したところは?」


「今戦ってるところ…ネタバレしおったなー!しかもいかにも悪気はありませんみたいなネタバレの仕方しやがったなー!」


なんで深夜アニメを小学生のガキが見てるかはどうでもよくなった。


ネタバレされた怒りが込みあがる。


「えー!事故ジャン!事故事故!」


ああーもう…。


アニメもネタバレによって熱がさめちゃったよ…。


「ドッジボールやっかー…」


自然とそんな言葉を口走っていた。


「うん!」


みんな返事をした。


それを見計らったかのように3分を告げるタイマーが鳴る。


焼きそばが食えるようになったらしい。


「食ったらやるぞ!今度は俺も参加する」


そう言って缶詰を缶切りであけるのだった。

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