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異世界の花嫁  作者: 霜月卯月
第Ⅰ章
4/39

3



カランカラン



「いらっしゃいませ~」



明るく、元気よく、笑顔でお客様をむかえる。




「シェイナ!」


幼馴染で男気あふれるという感じの顔つきの男の子が、店へとやってきた。



「あら ジェド。いらっしゃい」



「シェイナ!好きだ!!今日こそ俺と付き合ってくれ!」


男らしく堂々と、思いを告げてくる。



「はぁ~。・・・・ジェド、それ何回めだと思ってんの。いつも言ってる通り何回言われても私はジェドが好きじゃないから付き合えません。もうこんなこと毎日言う暇あるなら仕事でもしなさい」



「シェイナ!俺は本気なんだぞ!!」


小さい頃の告白を含め、100回以上思いを伝えられている為、一切、心が動かない。




「はいはい。わかりました。そんな真ん中に立たれてると仕事の邪魔です。端っこにでもいてよね」


邪魔ものを扱うようにジェドを追い払う。




「ぷっ。あははははは」


豪快な笑い声が入口付近から聞こえてくる。




「「ルル」」


2人同時に振りかえり、入り口に立っている幼馴染に驚く。




「ルル!いつの間に来たのよ」

「おい!ルル。何笑ってんだよ!!」


ハモるように同時に声を発す。




「ちょっと、2人同時にしゃべんないでよ。何言ってんのかわかんないわよ」


綺麗な顔をしながら、さばさばした感じの口調で話す。




「あっ ごめん。・・って、だからいつからいたのよ!ルル」



「う~んとねぇ、多分最初っからかな」


悪びれた感のない調子ではなす。



「はぁ~。まあいいや。で、今日はどうしたの??買い物?」



「ううん。なんとなく暇だから来ちゃった。

あっ ジェドのお母さんがさっきジェドのこと探してたよ」


商家の息子であるジェドは、宅配やら店番やら、沢山の手伝いをしなくてはならない身なのだ。




「えっ!まじで!?うわぁー早く帰んねぇと母さんに怒られる。ってことで俺帰るなぁ。シェイナ 俺が帰って寂しく泣くなよ。じゃあな」


キザっぽくウインクををしながら立ち去る。




「泣きません!!早く帰れ!」



「ぷっ。あははははは」



「もうっ!ルルは笑いすぎだから」



「だってあんた達おもしろいんだもん。最高!」



つぼに入ったらしくお腹をかかえ、なかなか笑いがとまらなかった。





「はぁ~。ルル お茶でも飲んでく?」



「いいねぇって言いたいとこなんだけどあたしもそろそろ仕事なんだよね。また今度もらうよ」


ルルは近くの定食屋の看板娘として毎日働いている。





「わかったわ。じゃあルルもお仕事頑張ってね。またね」



「ええ。またねシェイナ。ジェドと仲良くね!」



「だからジェドとは違うって!もうっ」


笑いながら言うからかいの言葉につい言葉を荒げてしまう。





















カランカラン


「ありがとうございました」


午前中、午後とお客さんの対応に追われた。




「ふぅ。やーっとひと段落ついた。

さてと、外の花に水やりでもしますか」




近くにおいてあったジョウロに水をいれ、店の外の花売り場へと移動をした。




「きゃははははは」



外では学校帰りの子供たちが元気に走り回っている。



「よいしょっと」



水をやり終わりよく晴れた空を仰ぎ見た。



暖かく心地よい風がシェイナの長く綺麗な髪を揺らす。







空から目線を店へと戻した時、ロングバルド城下町に大きな地震のような揺れがおそった。



みんな突然のことで慌てふためいたり、物や柱などに捕まり揺れに耐えたりとあたりが騒然とした。



揺れはおさまることなく、それどころかどんどんと大きくなり地面に亀裂まではしらせた。



その亀裂に運悪く先ほどまで走り回っていた男の子が落ちそうになった。




「危ない!!!!」



シェイナは男の子が落ちるのをとっさに庇い自分が亀裂に落ちていくのを感じた。



シェイナが落ちた後、不自然なほどにすぐに揺れはおさまり、あたりは静寂でみちていた・・・・・。

















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