これまでの登場人物とあらすじ
第二章が終わったので、これまでの登場人物とあらすじをまとめてみました。
(登場人物)
●クシ●
ケチュア族の皇帝ビラコチャの三番目の嫡子。
才能豊かで、奔放な性格が、宮殿内だけでなく、都の市民の間でも広く知られ慕われている。
しかしその人気に嫉妬する義兄ウルコによって都を追われる。
流刑となった地で、ともに暮らす部族に秩序をもたらし、そこでも慕われる。
父の側室キヌアを武術の師として尊敬し、その裏で秘かな想いを寄せている。
●キヌア●
クスコの近隣にあり、有能な戦士が揃う小数部族キリスカチェの王女。
幼い頃から戦士として鍛えられてきたため、優れた腕前をもつ。
ケチュア族と同盟を結ぶため、老皇帝の側室となる。
クシとリョケの発案で、若い戦士を育てる役目を与えられ、本領を発揮する。
クシの流刑の間に皇帝に認められ、皇帝の寵愛を一心に受ける存在に。
しかしそれが他の側室たちの嫉妬を買う。
●ウルコ●
亡き正妃の代わりに、後宮の権威を握っている皇帝の寵妃の息子。
皇帝によって後継者に指名されている。
しかし武術の腕も、学もない。
才能に秀で、人々の人気が高いクシに嫉妬し、クシを貶める策略を練ることには余念がない。
老皇帝に代わって実質的な政権を握るも、怠惰な治世で国は混乱に陥っていく。
●ビラコチャ●
ときの皇帝。クシの父。
若いときは勇壮な皇帝としてその名を広く知られたが、いまは年老いてその面影はない。
娘か孫のように若いキヌアを側室に迎え、はじめは避けていたが、
やがて彼女に自分の母親の面影を重ね、毎夜キヌアの部屋へ通うようになる。
ほとんど隠居となってウルコに全てを委ねている。
●アマル●
クシの長兄。ビラコチャの一番目の嫡子。
クスコの軍部を担う役職にあるが、争いを好まず、保守的で慎重な性格。
ウルコが悪政を行っていることで、周囲はアマルを筆頭に改革を起こそうとする動きが高まる。
●リョケ●
クシの次兄。ビラコチャの二番目の嫡子。
陽気な性格で、ユニークなアイデアを打ち出すのが得意。
クシと仲が良いが、クシの才能を認め、蔭になって支える。
父皇帝や兄アマルには不満を抱いている。
●ワイナ●
クシとともに成人したふたつ年上の貴族。
クシとは幼いころから仲が良い。
辺境の警護を自ら志願するなど、意欲的で向上心が強い。
クシにとっては最も頼れる存在。
●ティッカ●
キリスカチェからのキヌアの侍女であり、姉妹のような存在。
ケチュア族に遠縁のものがいるため、ケチュアの言葉が話せ、
はじめはキヌアの通訳としても活躍した。
いつもキヌアを蔭で支える。
●天の女王●
キリスカチェ族の女王。キヌアの母。
●オルマ●
荒地を彷徨っていたクシを助けた遊牧民ロハの娘。
クシを想うがクシの心にキヌアへの想いがあることを鋭く見抜く。
●チャキ●
オルマの双子の弟。男勝りのオルマと逆に内向的な性格。
●ポコ●
オルマとチャキの父。
●アンコワリョ●
チャンカ族の少年。チャンカの遠征に初めて出陣し、そこで戦地の現実を知ることに。
●キータ●
チャンカ族の呪術師。古くから部族の命運を占って首領たちを支えてきたが、
不吉な運命を占ったために、投獄されてしまう。
●トゥマイワラカ●
チャンカの首領。
(その他の名称)
●クスコ●
ケチュア族の国の都。周囲を緩やかな山に囲まれた盆地。
●ケチュア●
クスコを治める部族。歴代皇帝のもとで近隣部族を統治下に入れ、
クスコ周辺の一帯を広く治める大部族。
●キリスカチェ●
ケチュア族と友好な関係にある少数部族。
老若男女誰もが有能な戦士であり、少数ながらも武力に長けた一族。
●ロハ●
流刑になったクシが暮らしていた遊牧民。
厳しい環境で季節ごとに住処を変えて暮らしている。
●チャンカ●
ケチュア族には未知である西の地から勢力を拡げてきている部族。
獰猛な一族で、襲った集落を焼き尽くし、人々を惨殺し、生きて捕らえたものは生贄にする。
●ハナン(天)●
クスコの貴族を二分する派閥のひとつ。
現皇帝の派閥であり、ウルコやクシもこの派閥に属する。
ウルコがハナンの頂点にいることで、逆にハナンの威信が揺らぎ
もうひとつの派閥ウリン(地)の台頭を許す結果に。
●ウリン(地)●
初代から第五代までの皇帝を輩出したクスコの二大派閥のひとつ。
ハナンの無能な皇子ウルコが皇帝の代理となったことで、
自分たちに有利な政策を進めることができるようになった。
(第二章までのあらすじ)
ケチュア族の築いた都クスコ。ときの皇帝ビラコチャには三人の嫡子がいた。
アマル、リョケ、クシ。
とくに三男のクシは武術に秀で、賢く、宮殿では神童といわれ、市民にもその名が知られていた。
十五になったクシはケチュア族伝統の過酷な儀式を難なく通過し、成人する。
その勇姿に、都でのクシの人気は高まる。
成人の儀の翌日、老皇帝ビラコチャに、近隣部族キリスカチェの王女キヌアが側室として嫁いでくる。
キヌアはまだ十七だが、勇猛な部族キリスカチェでもとくに有能な戦士だった。
クシはキヌアの腕前に感服し、教えを請う。
それならばと、リョケは広く貴族の子息を集め、キヌアに指導してほしいと提案する。
クシ、リョケ、クシの友ワイナ、キヌアの侍女ティッカも手伝い、『キヌアの教室』が開かれる。
ビラコチャには三人の嫡子のほかにも側室たちとの間にたくさんの子がおり、そのなかで皇帝は溺愛する側室の息子ウルコを世継ぎとして使命していた。
しかし成人したクシを賞賛する多くの声にウルコは嫉妬し、その地位を脅かされるかもしれないと危惧する。
そして策略をめぐらせ罠にかけて、クシに罪をきせ、西の辺境に追いやることに成功した。
クシは西の荒地で彷徨っていたところを、季節ごとに住処を移動するロハという遊牧民に助けられ、ともに暮らすようになる。
厳しい生活を続けるロハの暮らしを目の当たりにし、彼らを助けようと知恵を出し、その習慣を変えていく。ロハの民は彼らを救ったクシを長に立てる。
辺境の地での暮らしでクシは、北西の大地から謎の部族の脅威が迫ってきていることを知る。
一方クスコの都では、年老いて表舞台に顔を出さなくなったビラコチャからウルコへと権力が移りつつあった。
しかしウルコの怠惰な政治は、一部の貴族の私腹を肥やす結果となり、不満を募らせた貴族たちはアマルに革命を起こして政権を手に入れるようにと迫る。
アマルは平和裏に事を解決するために、求心力をもつクシが必要だと考える。
その考えを受けてリョケはクシを呼び戻す計画を練り、キヌアとワイナの知恵を借りて、クシの刑期を計るリュウゼツランを早く開花させることに成功する。
三年間、西の辺境に追いやられていたクシは、ようやく罪を赦され、故郷に戻ってくる。