§3
法案パーソナルとはこれのことを言うらしかった。
外面より内面を重視する、平等たる政策。
外見の統一。
病院の患者も医師も看護婦も、皆同じ姿。外観年齢までも、同じ。
白金のストレートヘア。ほくろ、しみ一つない肌は黒色。瞳も黒。濃厚な闇のような黒色の肌。薄い唇。二重の瞼。すっきりと細い顎。高い鼻。男女共に平らかな胸。浅いくびれのウエスト。170㎝に高低2㎝で統一された身長。やはり長さを決められた手足、指、そして髪。筋肉は細い。脂肪もほとんどなく、華奢でたおやかな、中性的な外観。
「君たちの時代に照らし合わせうるならば、歯を矯正するのと同じことだよ」
声にも性別、個性はない。
気持ち悪くなる。
たくさんの同じ顔。
「かみ合わせ。体の害となりうる、そして外観を損ねるそれを正しい形に整えること。そうすることで、外観によるコンプレックスの数々は消え失せ、差別はなくなるんだ。内面の充実こそ、我々人類に必要なんだよ」
その人は言った。
最初の彼か、わからない。
いや、もう。
最初の人も彼だったのか、彼女だったのか。
「さあ。簡単な手術だから」
同じ顔で、恋を語り。
同じ顔で討論し。
同じ顔で憎み合う。
気持ち悪い。
怖い。
父に似たこの顔を、彼らはゆがみだという。
そんな風に決めつける権利、こいつらにあってたまるものか!
「いやっ」




