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五つの薔薇は、死の運命を書き換える

掲載日:2026/04/08

世界には空がなかった。


ただ果てしなく広がる白い空間だけがあった。


5人の少女が同時に目を覚ました。


混乱していた。記憶も、過去も失っていた。


そして彼女たちの手には…一輪のバラがあった。


「ここは…?」


誰も答えなかった。


すると、空気が張り詰めた。


そして、囁く声が聞こえた。


それはどこからともなく…そして同時にあらゆる場所から聞こえてきた。


「ようこそ、あなたの物語へ。」


5人の少女は互いに顔を見合わせた。


彼女たちの目に恐怖が宿った。


「あなたたち一人ひとりが…選ばれたのだ。」


バラが光り始めた。


一輪目は青い花びら。


「あなたは…永遠の眠りに落ちる。」


黒髪の少女は震えた。


二輪目は紫色。


「あなたは…毒に侵されて死ぬ。」


三輪目は白色。


「お前は…世界から忘れ去られるだろう。」


4番目、赤。


―お前は…生贄として死ぬだろう。


5番目、黒。


―そしてお前は…裏切られるだろう。


沈黙。


重苦しい沈黙。


非現実的。


―…これは冗談なのか…?


誰も笑わなかった。


薔薇たちは拳を握りしめた。


まるで意思を持っているかのように。


―彼らの物語は既に書かれている。


―逃れる術はない。


そして…そのうちの一人が前に進み出た。


赤い薔薇を持つ薔薇。


彼女の瞳は燃えるように輝いていた。


―ならば、彼女を変えよう。


声はすぐには返答しなかった。


まるで…観察しているかのように。


―面白い。


世界が震えた。


無限の白が砕け散った。


そして舞台が現れた。


城。


森。


村。


まるで物語の断片のよう。


「第一幕」と声が言った。物語は始まる。


数日が過ぎた。


いや、そうでもないかもしれない。


時間が現実味を帯びていなかった。


青いバラを持った少女は眠りに落ち始めた。


ますます深く。


ますます深く。


「眠っちゃダメ!」


「しっかりして!」


しかし、彼女の目はもう言うことを聞かなかった。


「消えたくない…」


彼女は倒れた。


そして、目を覚まさなかった。


青いバラは枯れた。


一つ減った。


紫のバラを持った少女は食べるのをやめた。


「もう無駄…すべてはもう決まっている…」


ある日…彼女は水を飲んだ。


ただの水。


そして、彼女は地面に倒れた。


口から泡を吹いた。


毒。


「だめ…だめ…だめ!」


もう遅かった。


紫のバラは黒く染まった。


2人減った。


世界は変わり始めた。


3人目の少女が口を開いた…


しかし、誰も答えなかった。


「もしもし…?」


「聞こえる…?」


他の2人は…彼女を見るのをやめた。


「ねえ…冗談はやめて…」


しかし、それは冗談ではなかった。


彼女の声は消えた。


彼女の存在は…薄れていった。


「…消えたくない…」


そして…彼女は消えた。


3人減った。


残ったのは2人だけ。


赤いバラを持った少女。


そして、黒いバラを持った少女。


「これは…これは間違っている…」赤いバラを持った少女が囁いた。


「ずっと間違っていた」と、もう一人の少女が答えた。


彼女は微笑んだ。


しかし、それは温かい微笑みではなかった。


それは…諦めの微笑みだった。


「これは物語よ。そして物語には終わりが必要なの。」


「だめ!変えられるわ!」


「だめよ。」


黒いバラを持った少女が手を上げた。


するとその手に…短剣が現れた。


「私の運命は裏切られること。」


「何を言っているの…?」


「誰かがやらなければならないってこと。」


彼女は少女を刺した。


白いバラに血が染み込んだ。


しかし少女は死ななかった。


まだ。


「私が物語を続けなければ…すべてが崩壊してしまう。」


「ならば崩壊させてしまえ!」


沈黙。


黒いバラの少女は最後に彼女を見つめた。


「本当に…すべてを破壊したいの?」


赤いバラの少女はバラを握りしめた。


強く。


「ええ。」


世界が震えた。


「物語」の壁が崩れ始めた。


偽りの空が引き裂かれた。


声が戻ってきた。


「それは…許されない。」


「構わない。」


「物語がなければ…君は存在しない。」


「ならば…新しい物語を作ろう。」


初めて…


声はためらった。


黒衣の少女は微笑んだ。


「ならば、やって。」


彼女は目を閉じた。


そして短剣を落とした。


黒い薔薇が…咲いた。


しかし、それは枯れなかった。


その運命は…打ち砕かれた。


世界は崩壊した。


すべてが消え去った。


すべてが…を除いて。


二人だけは。


呼吸。


生きている。


静寂。


暗闇。


そして…


新しい空。


本物の。


青い。


「…私たちは…やったの…?」


赤衣の少女は自分の手を見つめた。


バラは…消えていた。


黒衣の少女は優しく微笑んだ。


「わからない…」


しかしその時…


新たな声が響いた。


柔らかな声。


しかし聞き覚えのある声。


「歴史は書き換えられた。」


二人は顔を見合わせた。


困惑して。


「さあ…続けよう。」


赤い服の少女は何かを感じた。


彼女の内側に何かを感じた。


力。


意識。


そして彼女は理解した。


「…私たちはもう歴史の一部なの。」


黒衣の少女は笑った。


「じゃあ…台無しにしないで。」


そして初めて…


二人はあてもなく歩き出した。

ここまで読んでくださり、心から感謝いたします。


もしこの物語を応援したいと思っていただけましたら、

評価やブックマークをしていただけると幸いです。

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― 新着の感想 ―
 ジャクロの精霊さん、こんにちは。 「五つの薔薇は、死の運命を書き換える」拝読致しました。  短編なので、ブックマークして自然に更新という事はありません。  しかし、作者様をお気に入り登録していれば…
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