第16話
第16話 : 鼓膜破り :
お嬢様:「ですよ?」じゃなくて?!
メイド:まぁまぁ、落ち着いてくださいお嬢様、はい、メイコさん。
メイコ:あ、ありがとうございます……
〜カチッ…ボワッ!〜
メイコ:うわぁ…意外と強めの火…
〜ジュワァ~〜
〜モクモクモク〜
メイド:ん?メイコさん、なぜアロマなのに煙が…?
メイコ:あ…あれ…!?
〜メイコは慌ててロウソクの裏を確認した〜
~なぜか底には「発煙弾」と書いていた~
メイコ:はっ…発煙弾…?!
お嬢様:発煙弾?!?!
メイド:メイコさん!それを私に!!
メイコ:えっ…あっ!はい…!
〜慌てて渡した〜
〜ポイッ…〜
〜そして小窓から投げ捨てた〜
お嬢様:えぇえ?!なんで投げ捨てるのよ?!
メイド:いや、部屋が煙だらけになるよりかは良いかなと…
お嬢様:あと外に投げ捨てたら火事と勘違いされない?!
メイド:大丈夫です、ここは街灯も少なくて田舎ですし、なおかつ夜なので煙は目立たないはずです。
お嬢様:そう………信じるわよ……
メイコ:その…ごっ…ごめんなさい…
お嬢様:いいわよ、もう済んだし、
メイコが発煙筒を灯ってた理由は少し気になるけれど……
メイド:元特殊部隊か何かですか?
メイコ:いっ…いえいえ…そんなことは…
メイド:う〜む…
〜そのまま何事もなく夕食を食べ、朝を迎えた〜
〜ミンミンミンミンミンミンミンミンミン!〜
〜鼓膜を突き破るようなセミの爆音で3人は早朝目を覚ました〜
お嬢様:んんんんんんん!!!!!
うるさぁぁぁぁぁぁあい!!!!
〜お嬢様の叫び声が家中に響き渡った〜
メイド:お嬢様…セミに引けを取らないくらい大きな声を出すのは辞めてください…
お嬢様:だってセミがうるさすぎるのよ!!
メイド:そう言われましても…
完全防音のヘッドホンでも買ってきましょうか?
お嬢様:わざわざそこまでしなくてもいいけど…
メイド:なら部屋を防音にするとか…
お嬢様:もっと大掛かりじゃない?!
─ところで、メイコは…?
まさかこの爆音の中ぐっすりじゃないでしょうね…?
〜 一方メイコ 〜
メイコ:ZZZ…(少し…うるさいですね…)
〜もちろんぐっすりだった〜
お嬢様:…きっと寝てるんでしょうね…
あぁあ………眠たい……
メイド:耳栓いります?
お嬢様:四○元ポケットでも持ってるの?!
メイド:いえ、スカートの中にちょうどよく収納スペースがあるので
─見ます?
お嬢様:見ないわよ?!
メイド:大丈夫ですよ、ちゃんとドロワーズ着てますし、
お嬢様:そういうことじゃなくてぇ?!
〜しばらくして〜
お嬢様:(モグモグモグモグモグモグ)
メイド:喉に詰まらないよう気を付けてくださいね。
お嬢様:フアッヘルワホ!(わかってるわよ!)
〜ガチャッ…〜
〜リビングにメイコが入ってきた〜
メイコ:お…おはようございます…
外…うるさいですね…
お嬢様:(ゴクンッ…!)それな?!
メイド:食べ終えたお皿下げておきますね〜
お嬢様:メイコ、まさかこのうるささの中寝てたり…?
メイコ:はい…?今さっき起きましたよ…?
お嬢様:えぇ…?!このうるささで寝れたの?!
メイコ:お嬢様も知っての通り…私はねぼすけなので……周りの音とかも…耳に入らないこともしばしば…
お嬢様:結構重症なのね……
メイド:お嬢様、結構話してますけど、
まだご飯がまだ残ってますよ?
お嬢様:あぁ、そうだったわ、
ちょっと待ってねメイコ、すぐ食べるから(ガスガツガツガツ)
メイコ:あ…ごゆっくり……
〜数分後〜
〜(ミンミンミンミンミンミンミンミンミンミン!!!!!)〜
~ますます蝉の鳴き声が強くなっている~
お嬢様:ねぇ…蝉の音がもっと強くなってる気がするんだけど…
メイド:多分気のせいじゃないですね…
ふむ……いっそお嬢様の部屋だけを完全防音にしてしまいましょうか!
お嬢様:えぇええ?!
第17話に続く To be continued…