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8話 330
家から学園に行くまではそう遠くは無い。
何十年経っても体は覚えている。
毎日行っていた学園、それも数十年前の話なのに…
教員免許をじっと見つめ、少し目に涙を浮かべた。
(私のせいであの子達は…)
しばらくすると学園が見えてきた。
と言ってもほとんど跡形も残っていない。
残っているのは瓦礫のみ。
瓦礫と言ってももう跡形もない。
瓦礫の中を探すと金属の箱があった。
それを開けてみると、みんなの写真があった。
その数300枚ほど。
その隣においてある缶を開けてみると30枚ほどの写真もある。
職員たちの写真だ。
そう、ネットでは死亡者は300人と書いてあるが職員たちの分を含めると330人となる。
生き残ったのは校長の私だけだった。