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手紙、絶対来てね。  作者: 月島 永
第2章 咲希ちゃん編
4/9

4話 病院

目を覚ますとベッドの上に手紙が置いてあった。

(なんだろう…)

咲希は手紙を開ける。

そこには、明後日の夜、貢納学園の裏に来てください

待ってます。

絶対に来てね…!

と書いてある。

でも漢字が多くて読めない。

私はまだ10歳。

漢字も書けないし読めない。

それはなぜか…病院に入院しているから。

生まれたときからずっと病院で過ごしている。

でも先生がいるから苦痛じゃない。

だけど、先生はこの時間にいつも来てくれるのに今日は来ていない。

いつも来てくれる、そんな優しい先生。

どこかに行くのが好きって言ってたけれどよく分からない。

先生はいつも本を読んでくれたり、お話をしてくれたりする。

でもそのかわりに看護師さんが来てくれた。

いつも先生と一緒にいる看護師さん。

名前は…さいとうさん。

さいとうさんはいつも腕についているやつ?を交換してくれる優しい人。

毎日上についている袋?みたいなものがなくなると変えてくれる。

そして毎日お熱を測ってくれるのと腕に巻く何か?をしてくれる。

でもいつも私の胸には線?みたいなものがついていてよこにテレビみたいのがあって数字や線?がウニョウニョしている。

たまに動くと音がなって看護師さんが走ってくる。

たまにその先生も来てくれる。優しい先生。

「咲希ちゃん、点滴変えようね〜」

看護師さんはしぼんだ袋みたいな物をとってかわりにふくらんでいる袋に変えてくれた。

中には透明な液体が入っている感じ。

お水みたいだった。

「ねぇ、看護師さんそれってなんなの?」

「それはね…生理食塩水よ…」

看護師さんはそう言いながらその袋のところについているゴムの栓?みたいなところからなにか針のついたもので差していた。

「何やってるの?」

「おくすりを入れてるんだよ…」

看護師さんはふつうに見えたけど、いつもと何か違うかった。

いつもより声が小さいような気がしたけど、それ以外は変わらなかった。

「先生は…?」

「今日は…お休みだって…」

看護師さんはさっきよりも小さな声だった。

「咲希ちゃん、また来るね…」

看護師さんが去っていったあと、袋が少し赤くなっていた。

ベッドの上に置いてあった手紙も真っ赤に染まっていた。

(看護師さんが赤いペンで塗ったのかな…)

触ってみるとあたたかくもなく、つめたくもなかった。 

その紙で私は鶴を折った。



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