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Dear Friends  作者: 横谷昌資
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ごく普通の世界の

偏見はないけどそばに来ないで

偏見はないけど打ち明けないで

偏見はないけど気持ちが悪い

偏見はないけど


私はあなたに偏見がありません

私は他の人とはちょっと違った視点であなたを見ていますから


性的な目で見てこないで

だって嫌なものは嫌なんだ

そういう気持ちもわかってよ

自分のことばっかりじゃなくて


でも俺が女を見るのはいいの

それは普通だから

それで子どもができるんだから

だから俺はいいの

俺は普通だから


偏見はないけどそばに来ないで

偏見はないけど打ち明けないで

偏見はないけど気持ちが悪い

偏見はないけど


私なあなたに偏見などありません

私はあなたを理解しています

偏見がないことの証明なんてできません

ないものはないのだから


私はゲイのセックスを想像したくありません

でもそれは偏見があるということにはなりません

無理やり理解しろなんてそんなの困ります

せっかく偏見を持ってないというのに


そもそも全てを理解しなければならないのですか

それで偏見があるというのならそうなのでしょう

がっかりしました、そんな風に言われるだなんて

せっかく偏見を持ってなかったというのに

面倒臭い人ですね


わかってない わかってない

“偏見”をわかってない


例えば俺は女についておそらく偏見がある

だって俺は女じゃないもの

偏見がないなんてとてもじゃないけど言えない

だって俺は女じゃないもの


偏見があるのは悪いことだと思う

だからって偏見があるのは自然なことだとも思う

人間の基本だとすら思う

だって自分は自分でしかないもの


考えたくないこともあるし

理解できない世界もある

つまり偏見があるということ

それは当然のこと

その上でどうするか


そもそもI have black friends論法を知らない時点で

あなたが差別について基礎的な知識がないのは明らかなわけだから

差別の複雑な話をするよりまず先に差別の単純な話をしなければならないわけで

まずインプットが要る


あなたに“それ”を語る資格がないとは言わない

ただ、少なくとも今のあなたには荷が重いんだ

“他人の俺のことを他人のあなたが語る”ことについて

もしも何も思わないのなら


その都度気づいてその度に“差別とは”と考える

そこに果てはなくどこまでも旅は続く

永遠の課題を僕らは抱えている

“自分じゃない人”と関わり続ける限り


そんな面倒臭いのは面倒臭い

そこまで頑張らなきゃいけないの

偏見はないって言ってるんだからそれで満足しろ

差別の話をする人って、本当面倒臭い

嗚呼本当、面倒臭い

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