陽だまり
陽だまり
私がまだ小学校低学年の時のこと。
母は仕事をしていなくて
3つ上の姉は不登校だった。
ある日、家に帰ると
窓辺に畳まれた布団の上で
母と姉がお昼寝をしていた。
ちょうど陽が差し込んで
あたたかそうだった。
きっとそこには
私のオレンジ色のランドセルみたいに
やわらかい温もりがあって、
羨ましいなと思った。
私も一緒に眠りに溶けようと思ったのに
母は目を覚ましてしまって、
「私も一緒に眠りたい」と言えばよかったのに
なぜだか言えなくて、
今もまだ私の中にいる小さな私が
羨ましいと涙目になっている。
私も優しい場所で一緒に眠りたかったの。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あなたの恋しい「優しい場所」はどこですか。