不幸の手紙
そう そうです。湿気のある五月の夕方
ある都会の一等地に誰も目をみはるお屋敷がありました。 夫婦と娘と息子が住んで豊かに暮らしていました。 そこへ灰色の雨の日、一通の郵便物が。「不幸の手紙」
家の主人が葡萄酒をかたむけ時計は十二時を回っている。妻は、帰っていない。妻は、最低限の家事もしない。精神的な安らぎは、たがいに愛人に求めていた。
「不幸の手紙」屋敷の主人は、その手紙を開けて読んでみると、あなたがたの身に不幸な事が起こります。 家 財産 地位 名誉 友人 愛人…。全て失います。いやな気がしたものの その手紙を放って置きました。
そうしたら、一つ一つ本当に全て失いボロ屋に一家が 身を寄せて暮らす事に…。
娘と息子は、自由に贅沢が出来ず わがままが酷くなりました。狭い家の中でそうなものですから、妻も今まで好き勝手にパーティーづけの日々から旦那と協力して娘と息子を育て直す事に。いつの間にか この夫婦は、二人で協力し合っていたのです。娘も息子も物理的な豊かさが人生の充実と思い込んでいたのでした。そんな、お金もちやほやしてくれる人もいない生活が続きました。
お金を失い屋敷を失い地位 名誉 友人 愛人 全て失って残ったのは、家族の絆と夫婦の絆でした。
前より、いえ今度こそ本当の幸福が訪れたのでした。
一通の手紙によって。