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第八話

この小説を開いてくださりありがとうございます。

少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

季節は巡っていく。

ついこの間まで心地良い気温だったのだが、今はもう暑いと言えるほどだ。

七月になり、数日。

もうほとんどの人が制服を半袖にするなりし始める頃。


「この時期が一番暑い」

「はぁまだましな時だろ?今は」

「分かってないなぁ、今はまだ教室でクーラーはつかないんだよ。

でももうちょいすれば、どの教室でも快適な温度にしてくれる。」

「あー、そう言われればそうかも」

とこの時期一番暑い説を説いていると夏服になりテンションの上がっているヒマと咲月が来る。

「ねーねー!!」

俺は思った、この顔、前にも見たことがあるような気がする。

確かあん時は・・・。

「四人でプールに行こう!」

…あん時はショッピングモールだったっけか。

「プール?いいけど空くのあと二週間後くらいだろ?」

こういう時返答が早いのは涼太だ。

「今から予定決めないと会えないかもでしょー?」

と何故かこちらを見て言ってくる。

「…もうそんな事ねーよ」

咲月は不思議そうに見ていたが、別に言わなくてもいいだろう。

「まぁいいや!じゃあ予定決めるねー!」

そのまま休み時間を過ごして日程が決まった。


放課後

「今日も帰る?」

「はい、一緒に帰りましょう」

あれから咲月と下校を共にしたりしなかったり。


何度目からか、こんな感じになっている。

「今日は行きたい所があるんですけど、いいですか?」

下駄箱に向かっている途中で咲月が言う。

「別にいいけど、どこ?」

まだ秘密です、と言っていたけど、こんな事を言える位の仲にはなった。

そのまま学校を出て歩いて行くと。

「なぁ行きたいとこってさ、もしかしてだけど」

言いかけたが続きは先に言われた。

「はい!、私の家です」

家は偶然昔住んでいた所が空いていたので引っ越したそう。

だから道のりとかも知っていた、が行くことは無かった。

「ヒマちゃんとかは誘ったりしてみたんですけどね」

最初に比べると今やヒマちゃん、なんて呼んでるくらいだ。

普通に仲が良さそうなのは良かったけど。

「さ入ってください」

「お邪魔します」

そりゃ物とかは違うけど、見慣れた構図。

靴を脱いですぐ廊下を曲がれば、いつもと同じようにお姉さんもいた。

「お久しぶりです。お姉さん」

「やだお姉さんなんて、懐かしいわね」

「お姉さん?」

ときょとんとしている咲月に一応説明する。

「昔ね、小っちゃい時に、おばさん、って呼んだら「お姉さんだろぉ!」って言われてからそのまま」

お姉さんは大分恥ずかしがっていて、もうおばさんでいいなんて言っていた。

「と、取り敢えず座ってください、お飲み物とか持ってくるので」

と言っても座るのはリビングである。

だから飲み物もリビングから持ってくるので別にそこにいるわけだが…。

こういう所は本当に変わらない。

テーブルに座っていると斜めの位置にお姉さんが座る。

「実はね、もうちょっと早くに会いたかったんだけど」

お姉さんはさっきとは違う雰囲気で話し始める。

「咲月が言ったかもしれないけど、ここに戻ってきたのも相馬君に頼ろうと思ってて」

確かに、咲月が越して来た時に言っていた気がする。

「実はね、引っ越してから咲月様子がおかしくて。

最初はただ単に寂しいとか、慣れない場所とかそう思ってたんだけど。

それが分かったのは何年もたってからで、中学生にもなるまで気づけなくて。」

そのことについてかなり申し訳なく思っていて、本当に後悔していると言っていた。

「それで色々あって、ここに遊びに行く予定だったんだけど、その直前に事故にあって」

それで記憶を、、、って事か。

でも、それ、ってなんだ?何か普通じゃないような気持ちがあったような言い方だけど。

「それで、ね。

記憶がなくなってから本当にやれる事はやったんだけど、どうしようもなくて。

お医者さんもお手上げ状態で。

その時ね、一つ思って。」

その心当たりが地元?でもそれだけで引っ越したりまでするか?

だって確か引っ越し先は石川県とかだったはずだ。

ここまでかなりの距離がある。


「実はね、相馬君なんじゃないかって。

ずっと引っ越してから心にあったのが。」

(相馬君には何か特別なものがあったと今なら思っている。

だってよく考えればただの幼馴染ではないように見えた。

でも、ただの初恋、でもないように感じる。

それ以上の何か。

でもこれは流石に言えないかな)


「俺が?」

「単にそう思っただけだけどね、すっごい仲良かったし」

なんだか引っ掛かるその言い方じゃまるで、、まるで。

あの、それどういう、と言いかけたタイミングで咲月が戻って来た。

「あら、遅かったじゃない」

「お菓子とかも持ってきたんですよ」

まぁいいやそういえば、親とはかなり自然に接している。

流石にそうか、時間は長いもんな。

その後は普通に話したりして、日が暮れる前には帰った。


帰り道に色々と今日の事を思い出す。

(久しぶりに一緒に帰ったな)

今までも何度も帰ったが、途中で解散だったりしたので家まで行ったのは本当に久しぶりだった。

それに気になることもあった。

でもま、楽しかった。

そろそろ夏休みに入る。

多分この夏休みもまた色々あるだろうな。


最後までお読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに!

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