第六話
この小説を開いてくださりありがとうございます。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
四人でショッピングモールに遊びに来て、ちょうど皆ご飯を食べ終わり始めた時。
「この後どうする?買いたいものは大体買ったし適当ぶらぶらする?」
と会話を始めるのはいつもだいたいヒマだった。
賛成ーと意見が一致したのでぶらぶらする事に。
「飯食い終わったし片づけてくる」
と涼太が言ったので俺も行ってくると言って、フードコートの入り口で集合とだけ言って席を立つ。
「それじゃ二人で行こっか」
「はい、私達は先に片づけてちゃいましたもんね」
「まー、料理のスピードも早かったし量も少なかったもんね」
なんて二人で話しながら入り口に向かっていると、入口付近で声をかけられる。
「お姉さん達ー、今暇?良かったら俺達と遊ばない?」
と代表例と言うべきほどのナンパ男達が詰め寄ってきた。
(こ、これはナンパという物ではないですか?)
と咲月が考えているとヒマが口を開く。
「私達今日は友達と遊びに来てるんです!他にも何人かいて」
と強気に返すも男たちは「いいじゃん!皆で遊ぼうよ」
いや、友達男だしと言いかけるが言葉を遮って男たちはさらに詰め寄る。
「ね?ちょっとだけ?遊ぶだけだから」
「い、いやあの…」
「おい」
「お前ら、誰の女に手出してんだよ」
状況は何となくだが分かったから止めない手は無かった。
「は?誰だよお前同級生?」
と向こうはガンを飛ばしてくるがそんなのはどうでもよかった。
「いや、一緒に遊びに来た友達だから!あんたらが聞かなかっただけの!」
この状況でも強気で言えるヒマの事を本気で尊敬したのは今ではない。
はぁ!?なんて男達が行ってる間に涼太も合流。
入口集合のことは店の行き先が途中だったから伝えてた。
「お兄さん達そろそろやめた方がいいんじゃない?」
と言葉は丁寧だけど内心かなりイラついているんだろうが俺にもそこまで余裕はない。
「わ、分かったよ!行こうぜ」
と去っていこうとする男達に最後に睨みきかせてなんとか事を終わらせる。
「二人共なんともなかった?なんか触れたりとか大丈夫だった?」
「うん、柊君が直ぐ来てくれたから」
「そうそう!結構すぐだったよ!」
なんて二人は言うけど向こうはかなり厳つい男達だったし実際今も怖いだろう。
「やっぱりショッピングモールとなるとああいう輩もいる事は考えた方が良かったな」
だねー、なんて話しながら歩き始める。
「おい相馬、お前顔ヤバかったぞ」
「え、まじ?でもさっきのはしょうがないだろ」
「ちげぇよ、最後あいつらが帰ろうとしてた時の」
(最後?確かにかなりイラついてたけど言うほどだったのか?)
取り敢えず何事もなかったことを今は幸運と思おう。
その後は皆で適当に歩くことに。
「あ!あそこのお店行っていー?」
といって指をさしたのは服屋だった。
いいぞーと言えば咲月を連れて店に入っていく。
今度はちゃんと見える位置まで付いていく。
「あーこれとか似合ってるよ!」
「ほ、本当ですか?」
「うん!ちょっと来てみない?ほらあっち試着室あるよ」
と試着室に服を何着かを持って向かっていった。
さっきはちょっとあったけどちゃんと楽しんでて本当に良かった。
「なぁ相馬ずっと聞くか迷ってたけどさ、今正直…」
と涼太が言っているタイミングでヒマが「相馬ーこっち来てー!」
と呼ばれたので涼太の方を振り返れば、行ってこーいというので試着室まで行くことに。
「ねぇこれどう?めっちゃいい感じじゃなーい?」
目の前には試着をしている咲月が少し恥ずかしがりながら立っていた。
「どう、、ですかね?」
と聞いてきたが答えは見た瞬間から決まっている。
「似合ってるよ、とっても」
「うわぁ、返答はっや」
少しヒいた顔で言ってくる。
俺も言ったはいいが少し恥ずかしいので咲月の顔は見れない。
ヒマがその後なんだか騒いでたが正直聞こえてはいなかった。
なんだかんだあったが、結局あの後も適当にぶらついた後は全員帰路つく。
あんな事があったし、二人は家まで送ろうと思ったが咲月は親が車でショッピングモール近くまで来てくれるらしい。
なのでそこで咲月とは別れて三人で電車に乗る。
流石に疲れたのもあって俺はあまり話さなかったが二人は元気な様子だった。
その後ヒマは涼太が送っていったので俺は一人で家に帰りながら今日の事を振り返ったが
涼太があの時言いかけた事が気になった。
あの後聞いても適当にはぐらかされたからだ。
でも、今日は何だか久しぶりに楽しいと思った気がする。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!