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第五話

この小説を開いてくださりありがとうございます。

少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

俺は悩んでいた。

今日学校で咲月と連絡先を交換した。

そして家に帰ってきて、さぁ第一声を送ろうとしたはいいものの。

(い、いってぇ何言えばいいんだ?)

よく考えれば俺の携帯にある連絡先なんて指で数えられるレベルだ。

家族、バイト先、涼太とヒマ。

ヒマは友達っ!って感じだったし、距離感的にも大して文章に迷ったりはしなかった。

だが、昼間学校でも思ったが俺と咲月の関係は曖昧だ。

友達というには二人で話したのは二回だけだし、記憶もないので再会した幼馴染でもない。

かといって、クラスメイトというには一緒にいる時間は長い。

(友達なのか、友達という括りなのか!?)


と端末を持って頭を抱えていると、通知が鳴った。

涼太かな?なんて思いながら端末を見ると、咲月からのメッセージだった。

「咲月です

何だか何を言ったらいいのか分かりませんが、よろしくお願いします。」

と畏まった文章だったのでこちらも

「こちらこそよろしくお願いします」

と畏まって返す。

実際に話しているとこうでもないが、メッセージでとなるとよく分からない。

取り敢えず今日はもう寝て、明日学校でまた話そう。

zzzzzz



「んで?それからなんかあった」

と涼太が俺の背中を押しながら聞いてきた。

今は体育の授業中でストレッチの時間だ。

「別に、何も。朝挨拶したくらい」

「いつも通り?」

「いつも通り」

涼太は何か少し考えた後、まいいかと言って今度は俺が背中を押す番になった。


「ねぇねぇ、ちょっといい?」

と聞く前に俺の席を囲んできたのは涼太とヒマ、それに咲月だった。

「四人で買い物に行こう!」

と何故か少しドヤ顔気味というか、嬉しそうな顔でヒマが言ってくる。

「買い物?四人で?俺はいいけど…」

と咲月に視線を移すと咲月は「元々二人で話してたんですよ」と言っていた。

詳しく聞けば。

咲月はまだ放課後などでクラスメイト達と遊んだりしてないと言う→もしかして距離があるのか!?と思う→そうだ!みんなで遊びに行けばもっと仲良くなれるのでは!?→これは名案なのでは!?

からの若干のドヤ顔の流れだったそうだ。

まぁ実際学校の休み時間なんてたかが知れてるし、どこかでそういうきっかけは欲しかったから乗ることにした。


じゃあ、今週の土曜日駅前集合ね!と言われたので来てみたが、少し早すぎたかもしれない。

何てったってまだ集合時間の三十分以上前だ。

季節はまだ夏ではないので三十分くらいは待てるけど…。

(暇だな)

と思うほかなかった。

十分くらい待ってたら涼太がもうやってきた。

こいつも早くに来るタイプなのかなぁとか思ってたら。

「お母さんがこっちに用あったみたいで偶々車乗せてもらった」

とのこと。

うーん本来何時に来る予定だったのかは聞かないでおこう。

その後二人で数分待っているとヒマがやって来た。

案外集合となると十分くらい前にはちゃっかりいるのだ。

真面目に見える涼太の事もあり、人は見かけによらない。

なんて思ってたら咲月は時間ギリギリの所でやってきた。

かなり急いだ風だが遅刻した理由は多分だけど…。

「すいません、ちょっと遅れました」

「遅れてないよ!、それよりなんかあったの?」

とヒマが聞けば答えはやはり「おばあさんに道を聞かれてまして」

と申し訳なさそうに言う、更にそれは言い訳にはならないとまで言い出した。

本当にこういうところは昔から変わらない。

取り敢えず電車があるので、駅の中に。

「乗る電車は、、これ!」

と端末に指をさす。

画面には経路案内の機能が映されていた。

そして時間通りに来た電車に乗り、三駅ほど乗ればそこそこデカいデパートの目の前だ。

今日買うものは別にもっと近くでも揃うものだったがお昼ご飯も食べたり、服も見たいと言うのでここに来た。

着いて取り敢えず先に買う予定だった物を買ったり、ちょっとぶらついたりしていたらそろそろ昼食の時間になった。

「どうする、レストラン入るか、フードコートか」

よの学生に聞かれたら何だか怒られそうな発言だが、あくまで友達となので気にしないことに。

「そういえばフードコートに新しいお店出来たって言ってたから、私それ食べたーい」

とやはり一番早く答えたのはヒマだった。

「俺はいいけど、咲月はそれでいい?」

と聞けばコクリと頷き、涼太には俺には聞かねーのかよ!、とツッコまれた。

そしてフードコートに移れば、なんとか空いてる席を見つけ、席を取る。

そして各々好きな物を取りに行って、結局タイミングの問題で次に全員集まったのはそれぞれ料理を持って来た時だった。

「いただきます。」

と言って料理を口に運ぼうとするとヒマが

「いつも思うけどさ丁寧だよね、いいことだけど」

いただきますとか、ご馳走でしたとか、と言葉を続ける。

確かにそうだ、言われて気づいたが、そういう事はキチンとしている気がする。

それは多分…と移した視線の先には、丁寧に「いただきます」と言う咲月の姿があった。

自分で言うのもなんだが影響をかなり受けている気がする。

なんて思いながら適当に相槌をうって、ご飯を食べる。

みんなで話しながら食べるお昼ご飯は学校の時と違うのは場所だけだった。


最後までお読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに!

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