表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

さいしゅうわ

勇者「やった! 魔王をやっつけたぞ!」

賢者「邪竜のあとだと、魔王が弱く感じてしまった……」

戦士「モツば抜いて、えのころンすっばい」

僧侶「神ィィィィィィイイイイイイイ!!」


勇者「ねえねえ、賢者。魔王やっつけたんだからおこづかい増やしてよ?」

賢者「お小遣い? いえ、もうこの旅はおしまいです。私が資金を管理する必要もないでしょう。王都に戻ったら、みんなに平等に分けますよ」

勇者「じゃあ、先に木刀買っていい?」

賢者「ダメです!」


勇者「そっかあ……王都に帰ったらおわかれなんだ」

賢者「ええ、魔王討伐までのパーティですからね」

勇者「帰りたくないな」

賢者「え?」

勇者「賢者と旅するの、楽しかったから」

賢者「え?」

勇者「こんなこと言ったら困るよね、ごめん。それから、いままでありがと」


邪竜と魔王を倒したレベルアップにより、勇者のINTは02になっていた!


賢者「……私だって、楽しかったですよ」

勇者「え?」

賢者「……小賢しく考えすぎる私を、勇者は引っ張ってくれました」

勇者「めいわくじゃなかったの?」

賢者「迷惑は、半分ですかね」

勇者「なんだよ、半分って!」


賢者と勇者は、からからと笑った。


――王国の文献には勇者たちが帰還した記録はない。

――しかし、たしかに魔王は討伐され、世界に平和がもたらされた。

――入れ替わるかのように各地で活躍する冒険者の一団の記録があるが、これを行方のわからない勇者一行と重ねるのは、さすがに牽強付会(けんきょうふかい)が過ぎるというものだろう。


・・・

・・


賢者「ずいぶんと遠くまで来てしまいました」

勇者「海がきれい! お日様もきらきらしてるよ!」

賢者「太陽の生まれる土地、日の本とはよく言ったものです」


村人「た、旅のお方、どうかお助けを……」

勇者「どうしたの?」

村人「九本の尾を持つ妖狐が、生贄を求めてくるのです……」

勇者「わかった! やっつけよう!」

賢者「ああ、もう、こら! また安請け合いして!」


戦士「モツば抜いて、えのころンすっばい」

僧侶「神ィィィィィィイイイイイイイ!!」

賢者「あああああ!! もう!! やればいいんでしょ、やれば!! 作戦考えますから、ぜぇぇぇっっったいに指示どおりにしてもらいますからね!!」




おしまい

 作品がお気に召しましたら、画面下部の評価(☆☆☆☆☆)やブックマークで応援いただけると幸いです。

 また、このような短編を発作的にアップしますので、作者のお気に入り登録をしていただけると新作の通知がマイページ上に表示されて便利であります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] この短さで賢者さんの苦労が実によく伝わってきます。 [気になる点] 全員の性別。 それと、 「モツば抜いて、えのころンすっばい」 ↑絶対何度かは食べられないものができあがりましたよね? …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ