アスレチックは得意
少女は言葉を発すると地面から黒い泥が出て来て、公園全体をどんどんと覆っていく。
「ちょ逃げてってもしかして超デカい敵とか出てこないだろうな!?」
「やめろそれ絶対フラグになる!」
「その発言もフラグ!!!」
不謹慎な言葉を発した陽太に怒鳴るように言い合っていると、今まであった遊具やベンチなどが解けるように無くなっていき新たな場所が作られていく。
「うおっ」
「集まっておいた方が良さそうだな」
どんどん足場が無くなっていき、地面が深淵へと飲まれていったと思ったら俺達が居る場所を残して周囲の景色はまるっきり変わっていった。地面は途切れ途切れになっており、急勾配の坂や細い一本道なにも繋がっていないのに空中で揺れるハンマーこれは・・・・
「アスレチックだな」
「そうね」
「何か少しワクワクするなこれ」
そう完全にこれアスレチックだ。現実にあるアスレチックとゲームに登場するアスレチックを合わせたようなコースとなっており少し難しそうだが面白そうだ。けれど・・・・逃げてって少女は言ってたよな・・・・何からだ?
「これなら、時間をかければ十分クリアできるわね」
「だな、力使っても良さそうだし無理なら俺の力で引き上げれたり飛ばしたりすればいいし」
「俺はこういうの結構得意、だけど逃げってさっき言ったよな」
「そうね」
「何からだ?」
「ま、良いだろ。始めようぜ」
アスレチックが出来上がり、さっそくスタートしようと思い足に力を入れるとドシンッと何かが着地したかのような大きな衝撃が俺達の後ろでした。あまりの衝撃に地面は揺れよろめいてしまったが何とか姿勢を保ち、衝撃の発生源である後ろを向くとそこには・・・・
「クマ!?」
「クマというかテディベア?」
「デカすぎだろ!?」
巨大なテディベアの形をした黒いのが俺達の後ろで自立して立っていた。その大きさはゆうに15mを超えており、俺達の足場は地面からかなりの高さが有るので今はテディベアの胸らへんに居る。
「ねぇこれって」
「あぁ恐らくな」
「いや、俺は悪くないぞ」
さっきの陽太の発言を思い出し、2人して睨んだが俺は悪くないと主張する陽太。だが、あれ完全にフラグだったじゃねーか!!!テディベアが動き出す前にさっさと進んでしまおうと、次の足場へとジャンプしようと思ったが目に見えない壁に阻まれてしまった。
「あーこれ完全にあれだ」
「お決まりの奴ね」
「楽しんでいこうぜ!」
「お気楽だな・・・・」
「でも楽しそう」
陽太はこういうのが好きなので、冷静な事が多い陽太が珍しくテンションが上がってるし慎重さを失ってんな・・・・。ワクワクしてる2人に少し溜息が出しまうが、俺も実は結構この状況を楽しんでる。巨大な化物に追われながらアスレチックを攻略するなんてリアルじゃ出来ないし、絶対に面白い。ワクワクしながら待っていると少女が突然空中に現れると、
「はじまり」
その声が空間に日々渡った直後巨大テディベアは動き出し、俺達も次の足場へと宙へと駆け出した。最初は点々と続く離れた足場。足場の大きさは3人が横に並ぶべる物から1人しか無理な物色々だ。後ろから追いかけてくるテディベアは巨大な手を振りかざして、足場に居る俺達を潰そうとしてくるが動きは遅いので順調に進めば潰される事は無い。
「陽太が一番前に行って次は夢さんの方が良さそうだな」
「分かったわ」
「了解」
1人しか乗れない足場の場合は、一番運動神経の良い陽太に早くいってもらい能力で後ろの人をカバーできるようしてもらう。夢さんも危なげなく渡れているのでここでつまずく事は無いな。
足場を順調に渡り終わり、次は幅の長い一本道の通路となった。パッと見た感じだと何のギミックも無いし普通の一本道って感じだけど・・・・