つーかまえた
夢さんは滑り台、陽太は中央に居て貰い俺はジャングルジムの前で少女を待ち構えることにした。今少女は俺と夢さんの間を走っているので次に来る場所は俺の所だ。跳ねるように走ってくる少女との距離が5mくらいの距離の時一気に走り出し、捕まえようとしたが消えてしまう。しかし、消えた先では陽太が待ち構えており
「捕まえた!」
「アハハハハハハハハ」
陽太がワープしてきた少女の手を摑まえながら大きく叫ぶ。少女は笑いながら消えると俺達の中心に現れ、
「にーげて」
今度はこっちが逃げる側か、人数は有利だし遊具を使えば何とか逃げるだろ。と油断していたらいきなり少女が笑いながら手を宙にかざすと少女の周りにドッチボールほどの黒い球体がいくつも作られ
「おい、もしかして・・・・」
「逃げろ!!!!」
「それありなの!?」
少女が何をしようとしているか分かった俺達は一斉に隠れるために遮蔽物へと駆け出した。少女は逃げる俺達に向かって笑いながら手を振りかざすと、周りに浮いていた黒い球体が風を切りながら俺達へと向かってくる。
「ヤバッあのボールクソ速ええええぇ」
「あのベンチだ!」
公園の端に設置されていたベンチの後ろに隠れ、少女の攻撃を防ぎながら対処法を考える俺ら。
「逃げてって言われたけど、何時まで逃げればいいのこれ!?」
「分からないが逃げ続けるしかないだろ。あんなのに当たったら骨折間違いなしだぞ」
黒い球体は相当の質量がある様で、当たったベンチからかなりの衝撃が伝わってくる。もろに喰らったら大怪我間違いなしだな。幸い此処に置いてあるものは攻撃で壊れないみたいだししばらくは此処で凌げるだろ・・・・
「みんな避けて!!!」
此処なら大丈夫かと思っていたら、夢さんが上を向いた後叫び俺達は一斉にベンチの影から出ると俺達が居た場所に黒い球体が風を切り落下してきた。
「危なっ」
「この球体自由な場所に出現できるのかよ!?」
少女は最初居た場所から動いておらず黒い球体の出現位置だけが変わった。つまり、どの遮蔽物に居ても絶対安全な場所は無いという事だ。
「ヤバいヤバいあのボール単純に飛んでくるんじゃなくてホーミングしてくるんだが!」
「あんなのチートでしょ!!!BANされろぉおおお」
「泣き言言ってないで走る!!!」
右や左、上からホーミングしてくる球体をあっちに飛びこっちに飛び、色々な場所で防ぎながら走って何とか少女から離れながら走り角にあるトンネルまで駆け込む俺達
「もうあそこからじゃ見えないのにどうして位置がばれてるのよ!」
「知らん!」
「この公園全体が少女の手の上なんだろ」
「これ、勝ち目ある?」
「難しいな、ずっと逃げてるだけじゃ体力が・・・・ってあれ?」
「どうしたの?」
駆け込んでしまってから気付いたがこのトンネルは穴だらけだ。穴から球体を入れれば俺達は逃げ場がないのにどうして飛んでこないんだ?しかも、トンネルの外周に攻撃が当たる音もしない。
「攻撃が来てない・・・・」
「そういえば、全然音しないわね」
「もしかして安全地帯?」
いや、そんな甘い訳・・・・トンネルの穴から少女の方を見ようと覗こうとした瞬間、
ヒュン
トンネルの穴めがけて球体が飛んできた。何とか反応が出来た俺は尻もちをつきながらも避けることができ、すぐに立ち上がると
「全員トンネルから出ろ!」
その声を聞き素早く反応した二人と一緒にトンネルを飛び出るのと同時に、トンネルの全ての穴に球体が投げられ中は地獄絵図となった。狭いトンネル内をバウンドする音はさながら機関銃の様にドドドドと音が鳴り耳がやられるレベルの騒音だ。
「怖っ」
「あんなの喰らったら死ぬ!!」
「ねぇあれ!なんか近づいてない?」
夢さんが指さす方にはさっきよりこっちに近づいてきていた少女の姿。さっきまで動く気配すらなかったのに何でいきなり動いたんだ?
「ちょ後ろ!ヤバい数飛んできてる!」
落ち着いて考えたいのに球体が飛んでき過ぎてよけるのに必死で無理!
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