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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期神隠し編
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少年と少女の戯れ

俺達は蓮君の質問に少し黙ってしまったが、俺は聞き返した。


「何でそう思ったんだい?」

「・・・・言ったって信じてくれません」


 蓮君はそう言うとまた俯いてしまった。この様子だと、常闇の世界での記憶が有るんだな・・・・1週間はあそこに居たんだ記憶が有って当然か。俺は蓮君の隣に座ると、ゆっくりと怖がらせないように


「黒い世界に行った事覚えてるんだね?」


 蓮君は俺の言葉に驚いたようにバッと俺を見ると瞳を揺らしながら、


「何でそのこと・・・・」

「俺達もあの世界に行ったことが有るんだ。そこで君を見つけたんだよ」

「じゃあ、あれは現実なんですか?」

「そうだね、あれは現実」


 たった一人で誰も居ない真っ暗な世界に1週間も居たんだ。黒いのに追い回され怖い経験をしたんだろう。蓮君はあの世界が現実だと知り、体を震わせ始めた。俺はそっと肩を抱くと、


「大丈夫、もう大丈夫。もうあの世界には行かないし、化物達は俺達が倒してやるから」

「本当に・・・・?もう俺あそこに行かない?」

「おう、行かない。また連れ込まれても俺達が助けに行くから」


 声を震わせ泣きながら、本当に大丈夫なのかと聞く蓮君。相当怖い思いをしたんだろうな・・・・優しく落ち着けるように背中を撫でているとしばらくして蓮君は泣き止んだ。少し赤くなってしまった目を擦りながら、


「遊斗さん達は何者なんですか?なんで真っ暗な世界のこと知ってるんですか?」

「俺達はあそこに居る化物を倒す力を持ってるんだ。それで蓮君に教えて貰いたいことが有るんだ」

「・・・・なんですか?」

「あの世界で少女の形をした化物に会わなかったかい?」

「!!」


 俺の質問に蓮君は体をビクッとさせたが、深呼吸するように伝えると大きく息を吸い吐くと


「知ってます。俺そいつと遊びました」

「遊んだ?遊んだってどういうことだ?」


 会ってるのは予想していたが、まさか少女と遊んだとは思っていなかったので陽太が蓮君に聞く。蓮君は少し俯きながら、あの世界で起こったことを俺達に教えてくれた。


「俺、あの日友達と別れた後ボールを蹴りながら帰ってたら突然遊びましょって声がしたらあの場所に居たんです。それで、俺混乱しちゃってどうしようと思ったら市場所が居たんです」

「それで、遊びに誘われたんだよな」

「うん、それでそいつと何回も何回も遊んだんだ」

「1週間ずっと?」

「どれくらいは分からない・・・・途中で数えるの止めたから」


 遊びの誘いに乗ってもすぐに殺される訳じゃないのか。何度もしつこく誘うってことは何か遊びに対して執着するタイプの黒いのなのか。


「それでどんな遊びしたんだ?」

「色々、鬼ごっことかだるまさんが転んだ、じゃんけんもした」

「その遊びで負けたらどうなるんだ?」

「・・・・なんて言うんだろ。遊んでる間は全く疲れないのに負けるのごっそり体力を持ってかれたんだ」

「そうか、大変だったな」


 陽太が少し恐怖を滲ませている蓮君の頭を撫でながら言う。なるほど、負けるとじわじわ体力を持っていって負け続けたら体力が無くなって最終的には食われるんだろうな。でも、何度も遊びに誘われるのに蓮君は何で逃げれたんだ?無限に誘われるなら、負けても死、勝ち続けても一生遊び続けなければいけない。それなのに・・・・


「蓮君はどうやって少女から逃げたの?」


 夢さんが俺が疑問に思ってた事を言ってくれた。


「勝ち続けたら、あいつが止まったんだ」

「止まった?」

「うん、あんなにずっと遊びましょって五月蠅かったの突然止まって威圧感?ていうのかな。それも無くなったからあいつに体当たりして倒して逃げたんだ。それで、白い場所に行った後は覚えてない」

「体当たり?それで少女が倒れたのか?」

「うん」


 黒いのは基本光の武器じゃなければ倒せない。他に黒いのを倒す方法は、能力を使うしかないが・・・・蓮君が能力を使って少女を倒したのか?


「少女を倒した時体が光ったりとか何かが光ったりしなかったか?」

「全然」

「そっか、ありがと辛いのに話してくれて」

「俺の話、役に立ちますか?」

「滅茶苦茶助かった。それでもう少し聞きたいんだけどいい?」

「はい」


 これだ、これがあの少女の弱点なんだ。何度も遊びで負けるとあの少女は武器が無くても倒せるほど弱体化する。その時を狙えばきっと倒すことが出来るはずだ。蓮君にどれくらい勝ち続けたのかや、どんな遊びが有ったのか詳しく聞き教えて貰うと俺は蓮君に頭を下げ


「本当にありがとう、これであの化物を倒すことが出来る」

「助けてもらったのは俺の方です。本当にありがとうございます」


 蓮君の顔にはもう恐怖は浮かんでいなかった。


「最後にこれだけ、この話誰かにした?」

「刑事さんに話したんですけど、お母さんがそんな嘘言うんじゃありませんって」

「そっか、この話はあまり人に話さない方が良い。嘘つき呼ばわれするからね」

「はい」


 俺達は蓮君にお礼を言うと、病室を出て御両親に挨拶をすると病院を出た。

読んで頂きありがとうございます!

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