帰還と過ぎ行く日々
「それじゃあ、大通りに出る訳にもいかないので・・・・どうしましょうか」
「どうしましょうかと言われても・・・・」
「あ、そうだ。陽太、荒川さんの鞄拾ってたよな」
「おう、たぶん荒川さんのだと思うけど」
陽太はソファーの下に置いておいた鞄を持ってくると荒川さんに見せる。
「あぁ!それ俺の鞄で合ってる!良かった~仕事道具が色々入ってたからどうしようかと思ってたんだ」
荒川さんは鞄が見つかりホッとした様子で陽太から鞄を受け取ると、深くお辞儀をすると鞄から携帯を取り出し
「じゃあ、連絡先交換しようか」
「ですね。だけどそのためには外に出ないと・・・・」
「え?あ本当だ圏外」
「常闇の世界は何処も電波入らないんですよね」
「不便だね・・・・」
「このまま外に出ると、大通りに出てしまうので他の場所に行きたいんですけど・・・・」
流石に大通りにいきなり現れるのは不味い。今は何処も防犯カメラが有るし、入ったところは何かのお店だろう建物だ。店内に居ないのにいきなり出てきたら、大騒ぎだ。出る方法としては、一旦常闇の世界に戻って人気が無い場所から出るか、今登録してるショートカットのどれかから出るかなんだが。
「戻るのは反対だな、出たら黒いのの集団が居るかもしれないし」
「だよな~」
「俺もあそこに戻るのは嫌だな・・・・いくら君達が守ってくれるとしても」
「じゃあ夜柱学園がここから一番近いかな~荒川さんはそれで大丈夫ですか?」
「あぁ夜柱に本社が在るし、丁度取材から帰る所だったからね」
他のショートカットを登録している場所は自宅と海、実家ぐらいなので選択肢は夜柱学園しかないのだ。
「じゃあ、さっさと夢さん起こして帰りますか」
寝たふりをしていた夢さんの肩を揺らし起こすと、夢さんは目を擦りながら起きて来て
「ふぁ~良く寝たわ・・・・今何時?」
「7時前」
「あら、結構寝ちゃったのね」
「仕方ないよ、俺達も限界だったし」
「それで、あの助けた人はどうしたのかしら?」
「俺達が説明しておいたから大丈夫、後で共有する」
「分かったわ、無事でよかったです」
「助けてくれてありがとう」
夢さんは起きた後荒川さんを見て、心配そうに声を掛けると荒川さんは夢さんの所まで来て頭を下げって言った。にしても・・・・演技力高いな夢さん。荒川さんを現実世界に返すことを夢さんに説明し、俺はアトリエの扉に触るとあることに気付いた。
「学園の敷地内に荒川さん居たら不味くないか?」
「確かに・・・・」
「この時間帯でも人が居るのかい?」
「確か、警備員さんとまだ部活をやってる所があるはず」
「じゃあ、常闇の世界に行って学園前から出るか。その距離なら何とかなるだろ」
陽太の案を採用し、1回常闇の世界を経由して現実世界に戻ることになったが、常闇の世界と聞いて荒川さんが少し顔を青くする。
「俺も戦えるみたいだけど、生憎運動は苦手で・・・・すまない」
「大丈夫ですよ、ちゃんと守りますから」
陽太夢さん荒川さん俺の順番で常闇の世界に入り、学園前まで歩き近くの裏路地から扉を使い現実世界に戻ってきた俺達。常闇の世界に居る間荒川さんは周りを忙しなくキョロキョロと見渡し、霧っぽいのにも吃驚して悲鳴を上げていた。現実世界に帰った瞬間、脱力して地面に座り込んでしまった。
「大丈夫ですか!?」
座り込んだ荒川さんに驚き、顔を覗き込むと心底安心した顔をしていた。
「やっと・・・・本当に戻って来れたんだ。生きててよかった・・・・」
安心して力が抜けてしまったようだ。危険も無いので、荒川さんが落ち着くまで待っていると5分ぐらいした後荒川さんが立ち上がり
「すまなね、情けない所を見せてしまった」
「いえ、気にしないでください」
「それじゃあ、さっさと本社に戻って約束通り情報を取集しておくよ。君達も無理しては駄目だよ」
「えぇお願いします」
俺達は荒川さんに礼をした後、それぞれの家に戻った。その後荒川さんの連絡を待ちながら、放課後には様々な場所に行ったが何も手掛かりを見つけることが出来ず一週間が過ぎてしまっていた。
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