男の正体は?
「え~と、何でしょうか?」
「君はいつからこの世界を知ってるんだい?」
「小5からです・・・・」
「現実世界でもあの化物達を見ることが出来るんだよね君は」
「そうですけど・・・」
「見えるようになったのは同じ小学校5年生からなのかい?」
「いや、それは生まれつきですけど」
「ふむ・・・・」
男が俺の返答を聞き、顎に手を当てて考え込む。常闇の世界に入る力は小5の時の事件をきっかけに使えるようになったけど、見る力は生まれつきだ。子供の頃はみんなに見えると思って「あそこに黒いのが居るよ~」とか言ってたら変な子扱いされたな・・・・あ、思い出してちょっと凹む。そういえば、
「すみません、まだ自己紹介をしてなかったですね。遊斗と言います」
「あ、これはすまない。いつも自分の興味あるものになるとついね・・・・改めて陰陽出版の記者荒川和見だ。命を助けてくれてありがとう」
男もとい荒川さんが手を指しだして来たので俺はそれに応じ握手する。
「いえ、当然の事ですから」
「いや、人を助けるっていうのはそう簡単に出来る事じゃないよ。自信を持ちなさい」
なんか最近褒められること多いな~真剣な目をしている荒川さんにはい、と返事をするとうんうんと頷いた。それにしても記者か~厄介だな。
フルネームを名乗らなかったのは理由がある。ここまでしっかりと記憶がある場合、フルネームを名乗ると調べられたり付き纏われたりする可能性が有るのでしっかりと名乗りはしなかったが・・・・よりによって記者か・・・・俺達の事を記事にでもされたらたまったもんじゃない。今の世の中SNSが発達しているから、俺達の事を載せられたらあっという間に広がって行動できなくなってしまう。取りあえず探りを入れてみるか、
「そういえば、何で荒川さんは公園に居たんですか?」
「あぁ、実はな取材の為に公園に来ていたんだよ」
「取材?」
「昨日の夜、公園で黒い少女を見かけたという投稿が有ってね。それを調べに来たのさ」
「へ~そうなんですか。でも、記者の人ってそんな噂程度の物でも調べるんですか?」
「どんな噂にもきっかけとなった何かがある。どんな些細な事でも、大きな物へと繋がる重要な手掛かりとなるのさ。まぁ俺がこの噂を調べたのは、俺が持ってる雑誌が関係あるんだがな」
「雑誌を書かれているんですね」
「あぁ、真相究明オカルト伝説っていう雑誌をな」
うわ~よりによってその分野かよ。オカルト話とか、常闇の世界そのものじゃないか。やばい、常闇の世界を記事にするのは良いけど俺達の事を書くのは止めないとな。
真相究明オカルト伝説と言えば、心霊から魔法、都市伝説など様々なオカルト話を徹底的に追求していくことをテーマにしており30年以上続いているオカルト界では有名な雑誌だ。
「見たことあります!滅茶苦茶有名じゃないですか!」
「はは、それ程でも。だからこそ、この世界についてもっといろいろ聞きたいんだが」
「あ~え~と」
ヤバいこれ完全にターゲットにされた。今すぐこの人現実世界に追い出したい。だけど、追い出したとしても大手の記者なら俺達の事見つけ出しそうだな、制服も見られちゃってるし。
「ん~」
言い淀んでいると、陽太から起きた声が聞こえた。
「あれ?ここは・・・・あぁショートカットか」
ソファーから起き上がってくる陽太。椅子に座ってる俺と荒川さんに気付き近寄ってくる。ナイス!起きるタイミング良すぎだろ!これで自然に話を流せると良いんだが・・・・
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