雨雛市へ
俺は病院から駅に着く電車が来るまで少し時間が有るので、雨雛市へ行く理由を2人に説明し始めた。2人にスマホを見せながら、
「今日雨雛市に行く理由は、これだ」
「ん?公園の写真がどうしたんだ?」
「特に何の変哲もない写真よねこれ」
そうだった・・・・2人には見えないんだった。二人は何も映っていない夜の公園の写真に?マークを頭に浮かべていたが、陽太が思い出したかのように
「そうか、遊斗はこっちの世界でも黒いのが見えるんだったよな。何か映ってるのか?」
「あ、そういう事ね」
「正解、本文の方も読んで見て」
二人は携帯をのぞき込み本文を読むと、眉間にしわを寄せに苦い顔になったので何が映っているのか察したようだ。先に口を開いたのは陽太で、
「なるほどな・・・・少女が映ってるのか」
「その通り、ぼんやりだけど俺にはブランコに乗ってる少女の姿が見える」
「少女の行方を掴んだわけね」
「だけど、もう移動しているかもしれない。今優先すべきことは少女に挑むんじゃなくて弱点を探すことだ。今戦っても全員死んで終わり」
「そうね・・・・何か手掛かりが有ればいいんだけど」
「もし、居たらどうするんだ?」
「その時は逃げ一択」
理由を説明すると2人は難しい顔に成ってしまったが、こればかりは仕方ない。いくら覚悟を決めたからと言って恐怖が消える訳じゃないのだ。話していると電車が来たので30分ほど揺られ俺達は雨雛に到着した。公園は駅から歩いて15分程度の場所だったので歩きながら街並みを見ていくとかなり特徴的な街並みをしている。
基本的に建物は水色や青色を基調としたデザインをしており、色々な場所で雫の形をした提灯が見られる。ビルなどが建っているが、しっかりと植物が植えられており建築物と自然の調和がとれている。全体的に纏ってるなんて珍しいよな~そういう市の方針なのか?夢さんに聞いてみたら分かるかもな
「なぁ夢さん」
「ん?何遊斗君」
「雨雛市って建築物の色の規定が決まってるのか?」
「それ、俺も思った」
「あぁその事ね。2人はこの辺の出身じゃないから知らないのよね」
「この市はね、2つに分けるように大きな川が通っていて昔からその川を浄龍様として祭り上げてて、浄龍様の加護を貰うために、水の色を家に使ってたのよ。その伝統が今でも続いてて景観を崩さないように、市で規定されるのよ」
「なるほどな~古い建築物も多いみたいだな」
「そうね、昔からある寺院や家屋もあるから結構人気な観光地になってるみたいよ」
「良く家にぶら下がってるあの提灯みたいなのは何なんだ?」
「あれは水除け、飾っておくと水の事故から守ってくれるっていうお話があるのよ。ここら辺の人はみんな家に飾ってるわね」
川を信仰しているのに、水除け?なんかちょっと変じゃないか?
電車でたった30分しか移動していないのに、夜柱とは全く違う街の雰囲気に驚きながら歩いていると目的地の公園に着いた。人影はなく寂しい雰囲気が漂っており、少し日が落ちてきた事によってより寂しさが増している。
「人は・・・・居なさそうね。遊斗君何か見える?」
「ん~小さいのがちらほらこっちを覗いてきてはいるけど少女は見えないな」
木の影や、遊具の影から小さな黒いのがこちらを覗いてきてはいるけれどこれは何時もの事だ。少女の姿があったブランコを見てみるが、なんの変わりも無かった。一通り公園を回ってみたが何も収穫が無かったので、陽太が溜息をつきながら
「やっぱり現実世界じゃなくて常闇の世界で調べないと駄目か」
「みたいだな」
「そうね。それじゃあ行きましょうか」
「生き残ること最優先で、俺から離れないように」
「おう」
「分かったわ」
俺達は公園の中にあった用具入れから常闇の世界へ入っていた。
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