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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期神隠し編
8/155

学校へ行こう

 朝飯を食べてながら、駅前を行き交うと人達を見ていると結構同じ制服を着ている人を見かける。俺達の制服は黒をベースとしており、制服の縁に白いラインが入った制服で男女ともに人気な制服なのだ。今日みたいな行事の際は制服着用が絶対だが、授業が始まってしまえば私服で行けるのもうちの高校の特徴の一つだ。今日は入学式だから在校生は休みなので、今見かけている制服を着ている生徒は同級生ってわけだな。


「夜柱学園の生徒結構見かけるな」

「そりゃここが最寄り駅だし」

「同じクラスだと良いな」

「そうだな。その方が遊斗の面倒も見やすいし」

「おいこら」


 まったく失礼だな陽太は。俺だって、ある程度の事は自分で出来るし15歳になって高校生にもなったんだから迷惑はそんなに・・・・掛けないように努力はする。うちの学校で夜柱学園に行ったのは、俺と陽太の2人だけだから陽太が居ないと少し心細かったが、上から言われるとちょっとイラっとするな。食べ終わったしそろそろ学園に行くとしますか、徒歩で十分くらいだし。


「そろそろ行こうぜ」

「おう、バスと歩きどうするんだ?」

「流石に、歩きでいいだろ。それにバスは混んでるみたいだし」


 バス停を見ると、夜柱学園の制服を着た人がちらほらとそれと一緒に黒と赤の学ランを着た学生もバス停に並んでいた。あの学ランって確か緋月学園の学ランだよな。


「確かに、結構混んでるな。あの学ラン緋月の制服だよな」


陽太もバス停を見たのか俺が思ったことと一緒のことを言ってきて吃驚したが、確かにあの学ランは目立つよな~。黒と赤で学ランの中でもカッコいい部類に入るが、目立つ。


「だな。そういえば陽太緋月からの推薦貰ってたよな」

「あぁ陸上部の推薦でな。でも、俺は高校では陸上続けるつもりなかったから断ったんだよ」

「あんなに足早いのに勿体ないって顧問から何度も言われてたよな」

「かなりしつこかった・・・・」

「ドンマイ」


 私立緋月学園は、多くのスポーツで全国に名を馳せている強豪校だ。学園の仕組みも少し夜柱学園に似ていて夜柱は情報や芸術などに強く様々な専門的な分野を学べるが、緋月学園は体育に関する専門的な事が学べる。陽太は長距離層の選手で全国でトップ3に入ったことがあるから、緋月学園から推薦を貰ってたんだが学びたいことがあるって言って推薦を蹴ったんだよな。説得しようと、休み時間陸上部の顧問がよく陽太に話に来ていたの良く覚えてる。


「そういう、遊斗も日咲の推薦蹴ったんだろ?」

「俺は、どちらも同じような種類だから反対されなかったぞ。なんなら色々な選択肢が増える夜柱を選んだことに応援してくれたし」

「遊斗だけズルい」

「お前みたいに、中学でやってたことと全く違うことを目指すわけじゃないしな」


 俺も実家がある日原市にある芸術系に強い日咲高等学校から、推薦を受けたが選択肢が広がる夜柱 学園に決めたことに後悔はないし、親や先生からの反対は無かった。分野的には同じような学校だし、1つの専門性に特化するか色々な専門知識を学ぶかの差だ。そんなことを学園に向かいながら、話していると学園の前に着いた。先生と先輩だろうか校門の前で案内をしていている。


「入学おめでとうございます。クラス分けが張り出されているので自分のクラスを確認して、昇降口から各教室に行ってください」

「君達新入生だよね?」

「はい、そうです」

「入学おめでとう!校門入って真っ直ぐ進むと、掲示板が有るからそこでクラス分け確認してね」

「ありがとうございます」


先輩らしき人から声を掛けられ、案内通りに校門をまっすぐ進むとそこには大きな掲示板が有り新入生が集まっていた。


「クラス一緒だと良いな」

「だな」

読んで頂きありがとうございます!

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