遊びましょ
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黒いのを操る能力を持っているのならば、複数の黒いのを操って各地で人を引きずり込んでいても不思議じゃない。もしもそんな能力を持っているのならば、相当厄介だぞ。一対複数ならば、強力な黒いのにも勝ち目が有るが、黒いのを大勢操って戦われたら勝ち目がないぞ・・・・嫌な予想が当たらないで欲しいと願いながら、2人に考えていることを共有しようとした時だった。
その声がしたのは・・・・
「遊びましょ」
後ろから聞こえたその言葉に俺は固まってしまった。常闇の世界にはあまりにも相応しくない明るい無邪気な少女の声。まるで友達を遊びに誘うかのような調子で発せられた言葉は、現実世界なら微笑ましく恐怖なんて感じないだろう。
だが、ここは常闇の世界。少女の声なんて場違いすぎる。もしかしたら、迷い込んだ子供かもしれないが、その子供が暗い光の無い街に立つ俺達に遊びの誘いなんてする訳がない。
つまりこの声を発しているのは・・・・
「遊びましょ」
また同じ言葉。さっきと全く同じ声だ・・・・固まる体をなんとか首だけを動かし後ろを振り向くと何もいない。
誰も居ない?・・・・違う、目線が高いんだ。
目線を下に向けるとすぐ後ろに、少女が居た。だが普通の少女ではない、少女の形をした黒いのだ。全身は黒く、顔は無く声が発せられたはずの口すらない。ツインテールにワンピースのようなものを着ているのは、シルエットで分かるが気配が小さい少女の見た目と反している。動けなくなるほどの寒気、そして今まで感じたことの無い恐怖。
「ねぇ遊びましょ」
答えては駄目だ、答えたら飲み込まれる。
「遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ遊びましょ」
狂ったように少女から発せられる遊びの誘い。決して答えては駄目だが、遊びを誘う言葉の羅列と、この状況から脱したいという気持ちによって答えてしまいそうになる。手で口を押え、答えないようにしていると少女の誘いの言葉に呼応して黒いのが集まってくる。
こいつだ・・・・こいつが元凶だ。
証拠も何もないが、本能がこいつが元凶だと叫ぶ。倒さなくてはいけない、戦わなくていけない・・・・だが体が言う事を聞かない。段々迫り来る、呼ばれた黒いの。触れられたら終わりだ、頭では分かってるのに動いてくれない。
不味い不味い不味い、死ぬ
じわじわと寄ってくる黒いのがあと少しで俺に触れようとした時、強烈な光が俺の背後から放たれた。そして聞こえてくる陽太の声
「逃げるぞ!!!!」
陽太は固まる俺と夢さんの手を取り、もう一度光石を少女たちに投げつけ俺達を引っ張り走る。俺はされるがままに走り距離を離すと、立ち止まり陽太は少女の気配に当てられてしまった俺の頬を叩くと
「しっかりしろ!逃げるんだ!早く扉を!」
「・・・・あぁ!」
頬を叩かれ何とか正気に戻った俺は素早く近くに有る扉を掴みショートカットへと繋げた。扉を開き駆けこむように入る俺と、夢さんの腕を掴み引っ張り投げ入れるように中に入れると陽太が扉を閉めた。
少女の声が頭から離れない
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