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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期神隠し編
71/155

警察と両親

30分ほど待っていると、診察室から30代程に見える男性の医者が出てきた。出てくると俺達を見ながら


「付き添いの方ですか?」

「そうです。大丈夫なんですか?」

「えぇ、安静にしていれば大丈夫です。病室に運んだので案内します。着いたら彼の病状を説明しますね」

「分かりました」


良かった・・・・助けられたんだ。

 

常闇の世界に連れて行かれてしまうと、殆どの場合手遅れなことが多い。助けられたのは幸運と、少年が頑張ったからだ。医者に案内され少年、蓮君の病室に入ると静かに眠り点滴が打たれている姿が目に入った。病室の扉を閉じると、医者は少年の様子を少し見ると病状を説明し始めた。


「改めまして担当の松井です。彼の状態ですが、酷い脱水症状と栄養失調でした。もう少し遅れていたら危なかったでしょう。外傷は腕に付いた痣のみで、念の為CTやレントゲンを撮りましたが骨折や内臓にダメージはありませんでした。点滴を打ってるので回復すれば自然と目が覚めると思います」

「良かった・・・・」

「彼に何が有ったのか知っていますか?」


 少年と俺達を見ながら優しい口調で、説明していった松井先生だったが説明が終わると真剣な表情で俺達に聞いてきた。こんな状態の子どもが運ばれてきて付き添いは高校生ときた。疑われるのは当たり前だ。俺は疑いを晴らすように、病院に着くまでの経緯を話す。松井先生は真剣な表情を緩め痛ましそうな表情をすると


「そんな事があったんですか・・・・目覚めた後心のケアが必要そうですね。分かりました、ご両親は今こちらに向かわれてるんですね。受付に話を通しておきます」


 松井先生はそう言うと、ピッチを取り出し受付に電話をかける。小さな声なので聞き取りずらかったがピッチから耳を離すと


「丁度、彼のご両親が来たようです」

「良かったです」

「すみませんが病室の外で待って貰ってていいですか?説明が有りますので」

「分かりました」


 俺達は病室の外に出て、廊下の端に寄りかかりながらほっと深く息を吐いた。これで安心できる・・・・夢さんの顔を見ると無事だと分かって嬉しそうだ。陽太は・・・・嬉しそうだけど病院が好きじゃないからちょっと眉間にしわを寄せている。


「助けられて良かったな」

「ええ」

「約7日もよく耐えてた。強い子だな」

「・・・・早く原因見つけなくちゃね」

「そうだな・・・・手掛かりが手に入ると良いんだが」


 少年が助かり安心したが、神隠しの原因を見つけた訳では無い。ツッターや掲示板では初めて行方不明者が見つかったと大騒ぎだ。幸い俺達の姿は見られてないから話題にはなっていないが、あまり注目されると活動しにくくなってしまう。

 今後警察や御両親に事情を聞かれた際の、打ち合わせをしていると30代後半の男女とスーツ姿の眼光の鋭い同じく30代程の男性が急ぎながら蓮君の病室へと入っていった。恐らく彼らが、御両親だろう。母親は腰まである黒のポニーテルで涙を浮かべていたが、優しそうな顔立ち。父親はガタイが良く、眉間にしわを寄せた強面だが電話の内容から察するにとても優しいんだろうな。病室に入って10分くらいすると、3人と松井先生が病室から出て来て俺達の所まで歩いて来るので俺達も向かうと、廊下の真ん中でご両親は深く俺達に頭を下げ


「見つけて下さり本当にありがとうございますっ」

「お礼は必ずさせて頂きます。あの子は私達の宝で、何かあったらどうしようかと」

「いえ、お礼なんて当たり前のことをしただけなので」

「そうです、気にしないで下さい」

「いえっ絶対にお礼はさせて頂きます!」


 まさかこんな事態になるとは・・・・お礼なんて要らないし、本当なら俺がもっと早く動いていれば危ない状況にすらならなかった。お礼を言われる立場じゃないのだ。頭を上げようとしない2人にアワアワしていると、松井先生が優しく


「ここでは落ち着いてお話しできないでしょうから、対談室が有るのでそこで詳しくお話しされたらどうでしょうか」

「あ、すみません私達ったら。お時間大丈夫ですか?」


 松井先生に諭され、御両親は頭を上げ俺達に時間は大丈夫かどうか聞くので俺達は頷き松井先生の案内で対談室に歩く。

 一緒に居たスーツの男は俺達に名乗ることなく、鋭い眼光で俺達を探るように見ていた。俺達の一挙一動を見逃さないように見ているこの男は、おそらく警察だろう。捜索隊には警察も交じっていた、見つかったと通報があり御両親と一緒に付いてきたのだろう。この先の会話には注意しなくては・・・・

読んで頂きありがとうございます!

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