俺達の世界と常闇世界の時間の差
「よし6分しか経ってないな」
「相変わらず時間の経過が違うの謎だよな・・・・」
そう、実は常闇の街と俺達の世界の時間経過が違うのだ。常闇の街で過ごした時間は俺たちの世界では6分の1しか時間が経過していなのだ。つまり常闇の街での1時間は俺たちの世界では10分、今回の場合36分だったから6分しか俺たちの世界では時間が経っていないのだ。
「便利だからいいだろ?これのおかげで入学式に間に合うんだから」
「なんかデメリットが有りそうで怖いんだよ」
「今の所デメリットを感じたことは無いな~」
確かに時間経過が何故違うのかは気になるが、便利だから特に気にしない事にしている。この時間の差があるおかげでゆっくりと寝ることが出来るし、遅刻しそうになった時も間に合わせることも出来る素敵!路地裏を抜け、駅前まで来ると人が沢山往来していた。
「人が多い所は安心するな・・・・」
「なに無人島に住んでた人みたいなこと言ってんだ」
「その例え合ってるのか?」
「追求すんな感じるんだよフィーリングだ」
「まあ言いたいことは分かるが」
人の素晴らしい例えを追求するんじゃねーよまったく・・・・改札を通り夜柱駅息のホームに出ると、電光掲示板には7時27分に次の電車が来ることを告げていた。後2分で来るのか、タイミング良いな
「お、すぐに次の電車来るじゃん」
「すぐに来るのは良いけど、人多くないか?」
「遅延の影響もあるんだろうけど、多いな・・・・これは電車の中大変だぞ」
「盾役よろしく」
「じゃあ遊斗は遊び人な」
「せめて剣士とか魔法使いが良いです!」
遅延の影響と朝の通勤時間であるため人は多く満員電車で押されるのは確定だから、図体のでかい陽太に盾役になってもらおうとお願いしたが、何で俺が遊び人なんだよ。成るんだったら剣士や武術家がいいな・・・・魔法使いというロマンも忘れられないが近接戦闘の方が好きなのだ。そんな言い合いをしていると、ホームに電車接近のアナウンスが鳴る。電車を見るとぎゅうぎゅうに人が詰まってて乗る気を無くしたが、扉が開くと一斉に降りてきて人の波に攫われそうになったが陽太が俺の鞄を持ち止めてくれた。こういうのがサラッと出来るんからモテるんだろうな~
「全員降りるんだな」
「ここで電車が止まってるから、全員降りるんだよ」
「あ、そういやそうだったな」
客がある程度居ることを考えて、満員電車になると思ったが余裕がありそうだ。乗客が全員降りると、ホームで電車を待っていた人がなだれ込むが席には座れなかったが、そこまでギュウギュウになることは無かった。陽太と扉の近くに立つと電車は動き出す。夜柱駅まで3駅で15分くらいで夜神学園まで10分も歩けばつくので、7時55分には学園に着くことが出来るな。8時半まで学園に着けばいいから余裕だな。
「駅に着いたら時間余裕あるしコンビニ行こうぜ腹減った」
「そうだな新作のおにぎりも気になるし、喉乾いたから水飲みてぇ」
確かに走ったから喉乾いたな・・・電車の中を見渡してみると、俺達と同じ制服を着ている人がちょこちょこ居るな~何年生かは分からないけど。駅に止まるとたびに少しずつ駅から降りていく人は居るが、同じくらいの数が乗ってくるから電車が空くことは無かった。駅に着くまでスマホをいじっていると、陽太はいきなりスマホから顔を上げ
「そういえば知ってるか遊斗」
「何をだ?」
「最近ここら辺で神隠しが増えるらしいぞ」
「は?」
「特に共通点のない人達が次々と消えてるんだと、本当にいきなり消えちゃうから神隠しなんじゃないかと噂されてるんだぜ」
「神隠しって・・・・いつの時代だよ。ていうか何でそんな噂知ってるんだ?」
「SNSで話題だぜ。掲示板でも現代で起こった神隠しって話題になってるし」
神隠しってそんな時代錯誤で非科学的なことがある訳ないだろ・・・・どうせ夜逃げしたとか家出したとかだろと昔は思っていたがあの世界に行けるようになってからはそういうオカルト話を否定出来ないんだよな。
「もしかしたら、昔の俺みたいにあっちの世界に落ちちゃってるのかもな」
「うわ・・・・それが一番残酷だな。まだ夜逃げとか家出の方が救いようがあるって」
「何も知らずにあそこに行ったら普通に死ぬからな」
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