駅まで歩くか
駅まで徒歩で10分なので少し遠く感じるが不便さは感じない。高校生になったばかりで体力も有り余ってるし、近くにはコンビニやスーパもあるし生活していくには不便な点はないのだ。歩くのがめんどくさくなったら駅まで出てるバスも有るし。
「ここから学校までだと・・・徒歩で2時間30分は掛かるよな」
「まぁそれぐらいは余裕で掛かるな」
「・・・・今度自転車買うか」
「それ良いな。でも、金はどうするんだ?」
「バイトするしかないだろ・・・ただでさえ1人暮らしさせてもらってるから親には頼れないし」
確かに自転車を買うのは良い考えだな。自転車で学校に行けば定期代節約できるし、誰も居ないから車が通ることも無いこの街を自転車で自由に走るのも楽しそうだ。夜の星空サイクリングって所だな・・・うん、良いな。自転車を買うんだったら金は必要になるしバイトもしなきゃいけないよな・・・めんどくさい。
「入学式早々2時間半も歩くのは嫌だな・・・制服は歩きずらいし電車の遅延何処までなんだ?」
「最寄り駅の日原駅と隣の南雲駅の間で落下物が有ってその影響で止まってるんだと。だから南雲駅まで行けば不通に電車で行けるぞ」
「じゃあ、南雲駅まで歩くか」
今日から通うことになるる私立夜神高等学校は、最寄駅である日原駅から4駅。先の夜柱駅の前にある学校だ。駅前にある学校で、専門性の高い勉強が出来ると人気な学校なのだがその分倍率も高く難関なのだが運よく受かった俺と実力で入った陽太流石に遅刻は避けたい。
「遊斗楽しみだな学校」
「好きな物を学べるっていうのは良いよな」
陽太も学校が楽しみなようで、声が浮ついているように聞こえる。勿論俺も好きなことを学ぶことが出来るとワクワクしていたが、どうしても布団の誘惑に勝てなかった。布団の誘惑が強すぎるがよくないな、うんあれはブラックホールだ。10分ほど歩いていると駅に到着した。駅までの間に靄っぽい黒いのには遭遇したが目玉以降他の種類の黒いのとは会わなかった。
「んじゃ後は線路沿いに歩いて南雲駅まで行くだけだな」
「なぁ遊斗良い事だなんだけど黒いのと会わな過ぎじゃないか?」
「確かにな~」
「月影市以外でこっちの世界に来たことあるのか?」
「あるぞ」
「その時はどうだったんだ?」
「月影市と同じくらいだったな。もしかしたら日原市は特別黒いのが少ないのかもしれないな」
「・・・・なぁそれって何か日原市に何かヤバい物があるってことじゃないのか?」
「もしくは、何かしら良いものがあって黒いものが逃げていくって可能性もあるぞ」
確かに黒いのが少ないけど全く居ないって訳じゃない。何か特別なことがあるんだろうけど、今は時間もないし探す余裕もない。今度こっちに来た時に探そうかなと考えていると、ドシンッドシンッと少し遠くから何かが揺れるような足音が聞こえてきた。
「何だ?遊斗何か分かるか?」
「知らない。こんな事初めてだ」
陽太は不安そうな顔で聞いてきたが、俺は初めての現象に少しワクワクしてきたが流石に確かめる訳にも行かないから無視して南雲駅に向かって歩く。ドシンッと音がするたびに陽太はキョロキョロしているが特に気にせず歩いていたが音が段々近づいてきてることに気付く。
「なあ陽太」
「なんだ?」
「この音段々近づいてきてないか?」
「遊斗もそう思うか?」
「何か後ろから近づいてくるような・・・」
俺は後ろを振り返り、音の方向をじっと見ると驚きで固まってしまった。3階建ての家より大きな恐竜のような黒いものが、足音を立てながら歩いていたのだ。見た目はティラノサウルスのようなシルエットだが全身が黒く靄のようになっているためハッキリと分からないが頭に当たる部分には赤く光っていた。現実離れしている光景に口が空いてしまうがそれと同時に感動をしていた。まさか生きてる間に、こんな光景と出会えるとは思ってもみなかったやっぱりこの世界は面白い!後ろを振り返り固まった俺に不思議そうに陽太も振り返ると、陽太も口を開いて固まってしまった。数秒ほど固まっていただろうか、黒い恐竜みたいなものがこちらに頭を向けこっちを見た。
「うおおおおおおお」
「やばっ!!!!!!!」
こっちを見たと思った瞬間俺と陽太は叫び声をあげながら走りだした!
「何だよあれ!!!」
「知らねーよ!!」
「とにかく走れ!!!」
陽太が鬼気迫る顔で、俺にあれは何だと質問してくるが俺だってあんなの知らん!陽太は陸上部らしく滅茶苦茶速く走るが俺も何とか食らいつきながら走り南雲駅まで着くと、膝に手を付き息を整えるためにハァーハァーと息を吐くが中々整わない。陽太もいきなり走って疲れたのか壁に手を付き息を整えているが俺ほど疲れてはなさそうだ。
「追ってきてないよな?」
「足音は聞こえないから、多分追ってきてないと思う・・・」
「あぁ疲れた・・・あんな化物も居るんだな」
「俺もあんなにでかいのは初めてだ」
走ってきた方向を見ながら音が聞こえなくなったことに、ほっとしながら地面に座り込むと陽太はまださっきの衝撃が消えないのかずっと睨みつけるように来た道を見ていた。
「まったく入学初日から散々な日だ・・・」
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