表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期神隠し編
3/155

扉の先は常闇の街

 黒い扉に入り外に出るとそこには、街の風景とそっくりだが全てが黒い街が広がっていた。表現をするならば、明かりが一切ついていない夜の街と表現できるかもしれない。まぁ建物や木とか全部色が黒くなっていて輪郭しか残ってないから夜の街と表現するのも正しくないんだけどな。


「相変わらず不気味な世界だな・・・・黒いのもうろついているし」

「明かりがないからな~何回も来てるんだしそろそろ慣れたら?」

「無理」


 でかい図体しといて、ビビりな奴だな~何回も来てるんだしそろそろ慣れても良いと思うだけど自分が入るのも嫌がるし俺が入るのも嫌がるんだよな~陽太は。確かに明かりが一切無くて、唯一の明かりは星空だから暗いけど歩けない程じゃないし、ランタンだって有るんだからそこまで暗くないのにな~慣れば満天の星空で綺麗なのに


「それじゃ行くか」


 ランタンで前を照らしながら、アパートの階段を降りていくと階段を下りた先には黒いのが溜まっていた。この黒いのもこいつみたいに靄っぽいのはよく見ると可愛いんだがな~おいでかい図体で俺に隠れるな


「うわっ黒いの集まってるし・・・・どうすんだよ」

「どうするも何もこのまま進むんだよ。このランタンに光が灯ってる間は襲ってくることは無いし何なら逃げてくから」

「じゃあ早くこいつら退かせよ。こっち見てて怖いんだよ」


 ビビりめ・・・ランタンを前に掲げながら黒いのに向かって歩くと蜘蛛の子を散らすようにササっと逃げていく黒いのに少し可愛さを感じながら道路に出ると、陽太と最寄り駅まで歩き始めた。歩くのは別にいいんだが、ピッタリ陽太が後ろにくっ付いて来るから歩きずらい・・・・ただでさ185cmもあって中学は陸上部だったから筋肉も付いている図体の良い陽太、155cmの俺の後ろに隠れても隠れられないだろ。


「陽太歩きずらい、もう少し離れろ」

「嫌だ、もし遊斗から離れて襲われたらどうすんだよ!」

「いやある程度離れても大丈夫だけどなーまぁどれくらい離れたらだめか分からないが」


 離れろという言葉に、反抗するようにより一層張り付いてきた陽太に言わなきゃ良かったと思いながら駅に進んでいくと、交差点の近くに目玉が居た。まぁ目玉って言っても黒いのの仲間なんだけどな。


「うわっキモっ俺あいつのギョロギョロとした目嫌いなんだよな・・・・」

「そうか?慣れればかわい・・・・くはないけど愛嬌はあるだろ?」


 目玉は170cmくらいの人間の体に頭が80cmくらいの目玉が載ってる黒いの名前だ。目は瞼がなくずっと開いたままで、常にギョロギョロと動かしているため少しグロいが見慣れちゃえば何とかなる。それにあいつは極端に光に弱いから対処は楽なんだよな~それも踏まえて愛嬌があるのだ。だから大の男がヒッとか声出すな


「なんで今日はショートカット使わねーんだよ!」

「あれは1回行った場所じゃねーと設定できないんだよ」

「説明会の時行っただろそこで設定しとけよ」

「悪かったって」


 確かにここにいる黒いの達は人間を食べるし襲うけど、このランタンが灯っている間は襲ってこないし安全なんだから気楽にしていればいいのに、何回一緒に入ってもこれだいい加減慣れろと言いたい。目玉に近づくとヒィーとダッシュで消えていく目玉に少し笑いが出てしまう。それにしても・・・・今日黒いのの数が少ないな。


「今日は黒いのの数が少なくて助かるぜ・・・・」

「やっぱりそう思うか?」

「月影市の時はいっぱい居たから、それと比べるとな」


 月影市とは、俺達の実家がある市だ。よく陽太を巻き込んで常闇の街を歩いていた時は、黒いのがいっぱい居たが日原市は黒いのが少ないのか?黒いのは色々種類が居るから見てて楽しいんだが


「遊斗はこっちに来てから何回か常闇に入ったことがあるのか?」

「引っ越しで疲れてたからこっちで入ったことは無いぜー今日が初だ」

「はぁ!?」


陽太が質問してきたから答えると、真後ろで大きな声がする。うるさい奴だ・・・


「何でそれを早く言わねーんだよ!危険な場所があったらどうするんだ!安全地帯も知らないってことだろ!?」

「ランタンは9時間持つから、安全地帯が見つからなくても大丈夫だぞ」

「もしもが有るだろもしもが!」


 顔をしかめながら、俺の体を揺さぶるがやめろ酔う。ランタン落とすぞと善意で言ったらピタッと止まりやがった。俺の気分よりランタンの方が大事なのかお前は。


「もしも危ない所が有ったら、途中で出てまた入りなおせば大丈夫だ」

「はぁ~新生活早々この世界の世話になるとは・・・・先が思いやられる」


 この世界を使うことを、陽太は嫌がるが便利なものは使った方が良い派の俺はこっちでも積極的にこっちの世界を使うつもりだし月影市には無かった新しいものが発見できるかもしれないからワクワクだ。

読んで頂きありがとうございます!

コメント・感想・評価・ブックマークお願いします。

基本毎日投稿しており、時間は決まってません。

twitterで更新状況を発信しているので、宜しければフォローお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ