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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
153/155

通り魔を尾行

1週間の内に考えた作戦を実行するために俺達は学校が終わった後、結市の下結に来ていた。あらかじめ通り魔を呼び出す場所を下見しておいて呼び出す場所を決めておいたのだ。この場所だったら周囲に高い塀があって人目を避けられるし、周囲に建物が在るので、常闇の世界に行ったとき通り魔から隠れる場所もある絶好のポイントだ。


問題は・・・・


「警察多すぎ!!!」

「日を増すごとに増えて行ってる気がするな・・・・」

「ここは住宅地の近くだからな、どうしても多くなるんだろう」


 予め決めておいた場所に行くためには、多くの警官を避けながら進まないといけないのだ。何回も警察に声を掛けられてしまうと警戒されるし、どうしても人気のない場所に行こうとすると声を掛けられる。なので、隠れながら近づいてるんだが・・・・


「はぁ・・・・全然進まないわね」

「それだけ必死ってこと何だろうな」

「1週間事件が起こっていないんだから、そろそろ手薄になってくれると思ったんだがな~」

「逆だ」

「逆?」


 警察に会わないように気を付けながら進みながら陽太が見吾に言う。


「巡回をしているから防げていると考えているのであれば、巡回を緩めることは無いだろう。それに、警察は証拠や犯人像ですら把握できていない。犯人逮捕に躍起になってるんだろう」

「なるほどな~おっと」


  道の曲がり角から懐中電灯の光が見えたので、見つからないように家の物陰へと隠れる。連日続いていた通り魔に関する報道は事件が起きなくなったことによって落ち着いたが、警察はこのまま犯人を逃がす訳にはいかないのか。


「確かに、このまま犯人未逮捕なんて事になったら警察の面目丸潰れね」

「ここまで世間を騒がした犯人が未逮捕ってのは不味いもんな~」


 警察も絶対に通り魔を逃がす気は無いってことか・・・・まぁ絶対に捕まえられないんだけどな。通り魔は黒いのだから現実世界で捕まえるのは無理。

 それなら、通り魔を呼び出したやつを捕まえれば良いんじゃないかと思うけど、呼び出した本人が直接手を下した訳じゃないから罪を問うには難しいだろう。通り魔の召喚なんて非現実的なことで警察は納得しないだろうし。黒いのを使えば完全犯罪って可能なんだよな。


「警察には申し訳ないけど、今日で通り魔事件を終わらせちゃいましょう」

「うむ」

「だな」


 警察を避けながら少しずつ進み何とか、目的の場所までたどり着いた俺達。周囲を見渡し周りに人が居ないことを確認したが念のためもう一度隅々まで確認しておく。毎回いいタイミングで大藏刑事が来てるのでその警戒だ。


本当にあの人、こっちの行動呼んでるんじゃないかと思うくらいだからな・・・・


 隅々まで見渡しこっちに向かって来てる人もいないことを確認すると、手慣れた手付きであらかじめ持ってきておいた石を拾い投げる。パリンというガラスが砕ける音とゴツンという石が落ちる音が周囲に響く。よし、これで舞台はそろった。あとはいつも通り、通り魔を追い返せばいいだけ。今回は大藏刑事の乱入はなさそうだし、気にせず慎重に出来そうだ。


「よし、いつも通り慎重に」


 もう追い返すのは慣れたものだ。全く危なげなく通り魔を取り囲むと、慎重に光を当てる。始まっても人が来る気配は無い。このままゆっくりしっかり消耗させて・・・・時間を掛けて弱らせていった通り魔が逃げる体制に入ったため、俺は抜け常闇の世界への道を作る。

 よし、行くかと扉を開けたその時


「誰だ!!」


 その声が闇夜の中で響いた。

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