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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
149/155

警察巡回中

 夕食を済ませ結市へときた俺達は、人通りの無い場所を探して駅前から歩いていたが・・・・


「多いな」

「そうね、それほど警戒してるってことなんでしょうね」

「警察も躍起になるだろ、もうすぐ2週間捕まえられてないことになるからな」


 

3人の言う通り警察の数がとても多いのだ。巡回中の警察官と通り過ぎたと思ったら少し歩いてまた別の警察官と通り過ぎるぐらいには多い。道を走ってるパトカーの数も多いし、メガホンで多くの人に注意喚起をしている。


「現在、市内では残虐な犯罪が相次いで起きています。夜分の外出は控え、夜道を歩く際は、人通りの多い道を歩き決して1人で歩くことは無いようにしてください。また、不審者を見つけた際はすぐに警察に通報し、決して近づかないでください」


 巡回中の警察官の表情はみな固い。固いというよりは険しいと言った方がいいか。目撃情報があるのに、証拠一つすら見つからず追い込んだと思ったら影のように消えてしまう犯人。そりゃ、険しくもなるか・・・・街の雰囲気も最初来た時よりも重く感じる。いつ自分が襲われるかもしれないという恐怖と不安早く何とかしないとな・・・・町の外れに向かおうと、人気の無い道に行こうとしたその時


「ちょっと君達」


 後ろから呼びかけられ、後ろを向くと若い警察官が厳しい表情をしながら俺達を見ていた。


やば・・・・なんか変だったか?


「何ですか?」


 夢さんがにこやかに答えると、警察官は表情を緩めることなく近づいてくる。


「君達危ないよ、そっちの道は暗くて人通りが少ないから通っちゃダメ。どこ行こうとしてたの?」

「この先に私の家があるので・・・・」

「最近物騒だから送っていこうと思って」

「なるほどね・・・・友達を送るのは偉いけど、回り道してね」

「はい・・・・」

「よし、それじゃあ気を付けてね。もし危ない人に出会ったらすぐに通報するんだよ」


 警察官の言う通り道を引き返した俺たちは、後ろからの視線を感じながら離れていった。


「う~ん、警察が多すぎて困るな・・・・」

「そうね、何とか見つからないように行かないとね」

「そうだな。もうここは警戒されてるから違う場所にしよう。見吾道案内頼む」

「分かった」


 う~ん、巡回が多すぎる。もっと駅周辺から離れないと駄目だな。この様子だと普段人が居ない場所でも警察官がいる可能性があるな・・・・やり辛い。しかも、さっきの警察官優しい感じだったけど・・・・


「なんかピリピリしてないか?」

「警察の人でしょ?」

「俺も感じてた」

「うむ」


 やっぱりか・・・・対応は優しいけど、奥底ではピリピリ苛立っているかのように話していて感じた。通り魔が捕まらなくてここまでピリピリするものなのか?


「昨日の夜軽く調べてみたが、ネットで警察が叩かれている様だそれが原因だろう」

「そうなのか?」

「あぁ、犯人が捕まらないのは警察の怠慢だとネットでは言いたい放題だ」


 見吾が珍しく眉間に皺を寄せながら言う。そっか・・・・


「事情を知らない人から見るとそう思ってしまうのかもしれないわね」

「不安と恐怖から言っちまうのかもな」

「うむ・・・・だが、警察に一切の非はない。むしろよくやっていると思う」

「だな・・・・早く何とかしないとな」


 確かに何時までも捕まらない通り魔に対して、それを取り締まる警察に対してヘイトが向いてしまうのは仕方ないのかもしれない。でも、これは警察にはどうしようもない。常闇の世界に行けて戦える者にしか無理なのだ。でも、世間はそんなことを知らない。警察の為にも早く何とかしないと。何度か巡回中の警察官に声をかけられたが、何とか人通りの無い道へたどり着いた俺達。後は呼び出して追い返すだけ・・・・


「それじゃあ、誰か来る前にさっさとやりますか」

「うむ」

「そうね」


 何度も見吾にやらせるわけにもいかないので、俺は石を拾い電灯へと投げつけようとしたその時、道の奥で光がうっすらと見えた気がした


「やば、人だ!」

「隠れるぞ」


 俺達は急いで道の傍にある雑木林に身を潜めると、段々と足音が聞こえてくる。決してバレない様に息を止め体を動かさず物を立てないように、近づいてくる人をじっと見る。道が暗く懐中電灯の反射でシルエットしか見えないが、恐らく警察だろう。ここら周辺の細道はほとんど警察が巡回していて、やっとのことで見つけた場所だったのに巡回に来るなんてついてないな・・・・段々と近づいてくるその人物は、伝統の近くに来た時やっと姿が見えてきた。ロングコートにスーツ、片手には太い懐中電灯を持ったその顔は見覚えのあるものだった。

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