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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
133/155

反撃開始

 通り魔の強みは圧倒的なスピードと反射神経。そして繰り出される重く素早い攻撃これを何とかしないと通り魔を倒すことが出来ない。俺の射撃は全て防がれるし、陽太の斬撃も通り魔にとっては簡単に対処できるだろう、見吾の剣術なら渡り合えるだろうが決定力に欠ける。だが、こっちには!


「全員気を付けろ!そいつクソ速い、攻撃も重いからまともに戦ったら危険だ」

「分かったわ」

「絶対にまともに戦うな!」

「そんなにか!?あっちで戦った時はそんなにじゃ無かっただろ!?」


 俺は全員に聞こえるように、言うと一回現実世界で通り魔と戦ったことがある陽太が驚く。黒いのは現実世界に行くと弱体化する今回はそれが顕著なんだ。少女だって現実世界に行くと人に危害を加えられない程弱体化していた。それに光をあそこまで嫌がる黒いのが現実世界で行動しているのが可笑しいのだ。油断せず俺達の前に立っている通り魔を睨んでいると、パッと通り魔が俺達の前から消えた。


「えっ」

キンッ


 あっけにとられた夢さんから声が零れ落ちると同時に金属同士が当たる甲高い音が響き渡った。消えたと錯覚した通り魔は捉えられない程のスピードで夢さんを斬り付けようとしたのだ、夢さんと俺、陽太は反応出来なかったが見吾は反応出来た様で夢さんの目の前に居る通り魔の攻撃を刀で防いでいた。

 その状況にハッとした夢さんが一歩後ろに下がり、ショットガンを通り魔に撃ち込むが横に飛んで避けてしまった。避けた通り魔を見吾が追撃するが振りかざした刀はナイフによって防がれ通り魔は後ろに飛び俺達と距離を取った。


「ありがとう見吾君、とんでもない速さね」

「問題ない、だが攻撃を当てるのは難しいな」

「何だよあの速さ・・・・」

「言っただろ、クソ速いって」


 通り魔は1人、こっちは4人。人数は有利だが油断すればあっと言う間に壊滅する。あの速さに反応できるのは見吾ぐらい、俺も何とか反応できるが防ぐので精一杯だ。


「どうするんだ、あの速さを何とかしないと倒せないぞ」

「策はある。夢さん!あいつを拘束してほしい」

「えっ!あの速さの奴を!?」

「案内人が言ってただろ、夢さんの鎖は相手の速さ関係なく拘束するって」

「!そうだったわね」


 対通り魔で重要なのは夢さんの能力だ。通り魔の速さは驚異的だが、夢さんの能力に速さは関係ない。どんなに速くても絶対拘束する鎖それが夢さんの能力なのだから。夢さんは能力を使うために、集中し始めるとこちらが仕掛けようとしているのが分かったのか通り魔の姿が消える。狙いは確実に夢さんだ。

 陽太は夢さんが集中し光り始めたと同時に陽太は盾を作り出し夢さんの前に出る。そして、見吾は陽太の援護という陣形だ。通り魔の攻撃を陽太が防ぎ、ガンッという重い音が鳴り響く陽太は攻撃を受け取め少し後ずさりしたがしっかりと止めたようだ。攻撃を止められた通り魔はもう一度斬り付けようとしたが、見吾がその隙を逃さず通り魔の腕目掛けて斬りかかる。見吾の攻撃を左手に新たに生み出したナイフで防ぐと回し蹴りを見吾の腹に叩きこむ。


「ぐっ」


 通り魔少し空中に居る隙を狙い陽太は盾を思いっ切り前に突き出しシールドバッシュを通りに間に叩きこむ。吹き飛ばされた通り魔は、空中で回転しながら態勢を整え着地する。その隙を狙い俺は陽太の右から顔を出し足を狙い撃つ。8発の弾丸を撃ったが通り魔はバックステップし躱してしまった。通り魔の動きが速すぎて、決定打になる攻撃は入れられない。だが、これでいいのだ。時間さえ稼げば・・・・


「いくわよ!」


 夢さんの意思を込めた声と同時に通り魔の足元から白い鎖が5本突如現れた。通り魔は拘束しようとしている鎖から逃れるために、縦横無尽に走り回るが鎖はそんな事関係ないと言わんばかりに5本の鎖が枝分かれし無数の鎖が通り魔の足を捕らえた。足を拘束された通り魔は鎖を外そうと暴れ、鎖を斬り付けるが外れる様子は無い。そんな抵抗無駄だと鎖は胴体、腕と次々と拘束していき通り魔は身動き一つできなくなっていた。


「ナイス!止めを!」

「了解した」


 鎖で拘束した通り魔に刀を仕舞った見吾駆け寄り通り魔の前に立つと、肩を落とし刀を握り首を目掛けた鋭い居合を放った。見吾の居合は通り魔と並ぶかそれ以上の速度で全く目で追えなかった。刀が抜かれたと思った一瞬で首を切り裂き、斬られた通り魔は少しの間を置き消滅していった。

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