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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
132/155

通り魔

 通り魔が完全体になるまでの時間はおよそ5秒程だった。完全体になるにつれて、通り魔から発せられる鋭い威圧感は強くなっていき、張り詰めた空気に額から汗が落ちる。みんなが来るまで耐えればいいだけ、1人で倒そうとは思うな。俺が死ねば、俺を追ってきなみんなが現実世界に帰れなくなる。

 通り魔との距離は10mほど、この距離なら弾は当てられるし通り魔が逃げようとしても十分追いかけられる。通り魔の武器はナイフ、近づかせないようにすればいい。息を吐き、ナイフを待った左手を拳銃を持った右手の下に添え照準を安定させる。その時通り魔の気配が、いきなり強くなった。


来る!


 通り魔を近づかせないように胴体を狙い、3発銃を放つ。バンバンバンと連続して撃たれた弾は棒立ちの通り魔の胴体に直撃するはずだったが、


嘘だろっ


 通り魔は棒立ちだったにも関わらず、ヒュンと風の音がしたと思ったらキンッと高い金属が響き銃弾は全て通り魔によって切られてしまった。そしてゆっくりと俺の事を捉えた。


不味い


 通り魔には目が無いのに目が合ったと確信持って言える。あの攻撃の速さで近づかれたらいくら何でも不味い。俺はすかさず通り魔が近づけないように、銃を発布する。倒すためではなく牽制のために撃った弾丸は、狙いは確かだったのに身を屈め消えたのかと思う程の速さで近づく通り魔にいとも簡単に避けられてしまった。

 通り魔は銃弾を避け俺の目の前に来ると右手に持っていたナイフが俺の首に目掛けて振られる。


ガンッ

 

金属同士が当たるような高いようで鈍い音が響く。俺は何とか反応し左手に持っていたナイフで通り魔のナイフを受け止めたがその衝撃で吹き飛ばされてしまった。その隙を逃さす、通り魔は追撃を入れようと吹き飛んだ俺を追いかける。吹き飛んだ俺は空中で何とか姿勢を直し、追いかけてくる通り魔に向かった銃を撃つがその弾丸も簡単にナイフで防がれてしまった。


こいつ、現実世界に居た時と違い過ぎる!


 着地したと同時に通り魔のナイフが俺に振りかざされるが、しゃがそれを避けると通り魔に足払いを掛けた。足払いによって横に倒れそうになる通り魔。俺はその隙に銃弾を撃ちこもうとしたが、横に倒れながら右手に持っていたナイフで俺の銃を弾くと、左手で着地し俺の左わき腹に蹴りを入れる通り魔。


ぐっ


 蹴りをまともに喰らった俺は、吹き飛び地面に叩きつけられると通り魔が俺に馬乗りになりナイフを両手に持ち振り下ろす。


やっば!!!!


 俺は通り魔の腕を掴み、何とか振り下ろされるナイフを止めたがこの体勢では力負けする。じわじわと近づいて来るナイフ、何とかしてこの状況から抜け出そうと足と身体を動かし体勢を入れ替えようとするが全く通り魔は動かない。じわじわと迫り来るナイフの先。喉まで後数cm、ヤバいヤバいヤバいこのままだと殺される。かくなる上は、自爆して・・・・と考えた時急に通り魔が吹き飛んだ。


「大丈夫か!?」


 通り魔が急に吹き飛んだことに驚き見ると、剣を持った陽太の姿があった。通り魔の方を見ると、俺に近づかせないように夢さんと見吾が立ち塞がっている。


「ごめんなさい、遅れたわ」

「戦えるか?」


 夢さんは申し訳なさそうに、俺を見て目を下げ通り魔を睨みつけた。見吾は無表情だが、決して通り魔を通させない気迫を感じる。


「遊斗いけるか?」


 俺は差し出された陽太の手を握り立ち上がると、銃を作り出し構えると


「助かった」


 時間にして通り魔と戦ったのは数分程度それなのに、ここまで追い詰められてしまった。俺1人じゃ勝てないがみんな居るなら勝算は十分。


反撃開始だ

読んで頂きありがとうございます!

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